雨の時期は、せっかくのお出かけに傘という荷物が1つ増えてしまいます。でもお気に入りの傘があれば、気分良く過ごせるかもしれません。雨の日を楽しく過ごすために、傘選びのちょっとしたポイントと、おしゃれで楽しい気分になれそうな傘をまとめました。
■ きちんと使い分けたい「長傘」「折りたたみ傘」「晴雨兼用傘」
雨傘として一般的な「長傘」は、面積が広く、生地を支えるための骨の数も多いため、雨や風に対して丈夫な作りになっています。一方、「折りたたみ傘」の利点はやはりコンパクトさ。持ち運びが簡単で急な雨にも安心です。骨が折り畳まれるという仕組み上、裏返ったり壊れたりしやすくなっています。
「晴雨兼用傘」という表示が付いている傘もありますが、使いどころに悩んでいませんか? 日傘に撥水加工を施したもので、長傘・折りたたみ傘どちらにも使われます。メインの機能は日傘。まとまった雨のときに使うと、レースや刺繍、透かし模様などから雨水が入り込んでくる場合もあります。雨量が多い場合には雨傘を。
■ 傘選びを、実用面とデザインの両方から考える
お気に入りの1本を見つける前に、まずは用途に合わせて欲しい傘をイメージしてみましょう。色、デザイン、長さ……持ち手はどんな感じ? 大きさは? 自分が好きな傘ってどんなものか、考えてみるのも楽しい時間です。
実用面で気にしたいのは、「持ちやすい重さかどうか」「撥水加工が施されているか」「大きさは十分あるか」など。傘メーカー「Patria」のサイトでは、通販で傘を買う際の参考として、傘の生地を支える「親骨」の長さをもとにサイズの目安を紹介しています。
それらに加え、色やデザインも大事な要素。明るい色を選べば顔色も明るくなり、雰囲気やイメージを変えてくれます。雨雲の下では、普段なら選ばないような色を思い切って選んでみてもよさそうです。ビジネスシーンなどでは、シックな色やデザインの方が気持ちを引き締められるかもしれません。
■ 暴風や豪雨に立ち向かう傘だってある!
好きな傘を使うにはちょっと雨風が強い!これは壊れそう!という日には、雨や風に耐えられるように作られた傘が活躍します。風が当たった際にほどよく分散させる、風を受けても裏返らない構造になっている、雨漏りしやすい箇所を補強してあるなど、さまざまな工夫があります。
前が短く後ろが長い、非対称な形で風を受け流す「SENZ」
オランダ生まれの「SENZ(センズ)」の特徴は、非対称なデザイン。前方が短くて後方が長く、不思議な見た目ですが、その流線型のデザインで強風を受け流します。短い前方は視野の広さを確保し、長い後方は背中や荷物に水滴が降りかかるのを防ぎます。長傘は風速100km/h、折りたたみ傘は風速80km/hの風力実験にも耐えたとのこと。強風の日に試してみたくなりますね。
丸みを帯びたシルエットで鋭利な部分をなくした「BLUNT」
ニュージーランドで開発された「BLUNT(ブラント)」は、空気力学を活用した構造、張りのある生地と強いフレームで突風に耐えます。傘の生地の先端部分が丸い独特のシルエットになっており、先端の生地の破れ・ほつれを防いで、耐久性を高めています。風速115km/hの風力試験に耐えていて、風による裏返りは起きにくいそうです。
あまりにも風が強い日や台風が来ている場合などは、無理に外出せず、身の安全を守って行動するのが一番。でも高性能な傘で、急な天候の変化に用心しておいてもいいかもしれません。
■ 他の人とはひと味違うかわいい傘をチョイス
小さい富士山が集まって富士山をかたどった「富士傘(ふじさん)」
伝統工芸品や生活雑貨を扱う中川政七商店は、富士山をイメージした傘「富士傘(ふじさん)」を販売。三角形のモチーフで小さな富士山を現し、その富士山が集まって、富士山を模した傘となっています。持ち手の部分には日の丸をイメージした名札が付きます。
傘の内側に広がる青い空「MoMA スカイアンブレラ」
「MoMA スカイアンブレラ」の外側は真っ黒、傘を差せば内側に青空。ニューヨーク近代美術館(MoMA)のモマ デザインストアが1992年に発売した「MoMA スカイアンブレラ」です。木製の持ち手と黒い色はスタンダードですが、内側には真っ青な空と真っ白な雲が広がります。
モノトーンの景色が雨の日にぱっと華やぐ「Squidarella」
イギリスは雨の日が多い国。そんなイギリスのデザインスタジオ「SquidLondon(スクイッド ロンドン)」は、雨に濡れるとモノトーンの模様がカラフルに変化する傘「Squidarella(スクイッダレラ)」を制作しています。傘の模様はロンドン、ニューヨーク、香港の街並みや花柄、動物柄などさまざま。濡れた部分のみ色が変わります。街の風景と傘の色、ダブルで楽しめます。