ポレポレとうさんと申します。子どものころに実家が文具店だったこともあり、中高年になった今でも文房具が大好きで、文具店めぐりにもいそしんでいる。今回は、文房具好きミドルサラリーマンならではの「自分へのご褒美」を紹介させていただきたい。
**
「自分へのご褒美」という言葉を聞くようになったのは、今から15年ほど前のことだろうか。自分で自分を元気づけるという意味ではなかなか良い言葉だと思う。自分を一番大事にしなければいけないのは自分だし、そういう意味でも「ささやかなご褒美」は必要だろう。
「ささやか」という言葉はとても幅が広くて、値段や種類に関して一人一人見解が異なるかもしれない。文房具好きのミドルサラリーマンとしては「普段使っている商品よりも数千円ほどランクが高い商品」という感じだろうか。「使わないかもしれないけど持っていると楽しくなるもの」というのも、自分へのご褒美に入るかもしれない。
文房具類が好きでときどき街の小洒落た文具店などを覗いているが、大きなプロジェクトが終わったときや転勤時など、自分へのささやかなご褒美として買ってきた商品がいくつかある。今回はそれを紹介しようと思う。
贅沢な雰囲気のエルバン「ガラスペン ねじり&ミニインクセット」
ガラスペンを実際に見たのは数年前のこと。美しい輝きとガラスという素材の珍しさに見入ってしまったことを思い出す。
そもそも、インク壺から軸に直接インクをつける筆記具は、外国映画の中でしか見かけないものだという感覚があった。しかし、調べてみたらガラスペンの製造は日本で始まったそうで、ガラス細工の技術を使った工芸品という位置づけのようだ。
エルバン「ガラスペン ねじり&ミニインクセット」はフランス製の商品で、独特のひねりが入ったボディはただただ美しい。手に取ったときの重量感やひんやりとした温度感など、書くことだけに特化した道具としては、贅沢品の範囲に入るのかもしれない。
【楽天市場】 エルバン ガラスペン ねじりの検索結果
【楽天市場】 エルバン インクの検索結果
ガラス製品ということもあって、書き心地は通常の万年筆よりもカリカリとした感触だ。一つ一つが手仕事で作られているため、ペン先に書きやすい部分とそうでない部分とがある。そのため、軸を回転させながら書くことで書きやすいポジションを探る必要があるが、それもまた「道具を自分で使っている」という感覚を持つことができて面白い。
1回のインクで葉書1枚分は書けるというが、実際に書いてみると葉書半分ほどでインクが薄くなってしまった。付属されているインクの成分が影響しているのかもしれないと思い、国産のインクで試してみたらもう少し多くの文字を書くことができた。インクの粘度やガラスペン表面の状態で書ける文字数が変わるのかもしれない。あと、徐々に文字が薄くなってくるのは否めない。それも含めて、実にアナログで温かみのある筆記具だと思う。
木のぬくもりが優しいHacoa「ID-CardCase」
ネックストラップが一般的になってきたのはここ10年くらいのことで、携帯電話の普及やICカードの普及に後押しされて使う人が多くなってきた。以前は、IDカード入りのネックストラップを使っているのは、IT系の企業やマスコミ関係企業の人だというイメージがあったが、今では誰しも使っており時代の流れを感じる。
そうなると他の人との差別化を図りたくなるのが人情で、革製の商品やリール式の商品など多種多様なIDカードホルダーに目がいってしまう。その中でもオススメなのは、一風変わっていて手触りの良い木製のカードホルダーだ。
お洒落な木工製品を数多く製造・販売しているHacoaからは、見た目もスマートな木製カードケース「ID-CardCase」が発売されている。名入れをするとそれなりの価格になってしまうが、自分へのご褒美であればこれくらいの贅沢はしても良いだろう。
http://www.hacoa.com/index.html
【楽天市場】 ID-CardCaseの検索結果
本体はストラップ部分を外すことで前面のアクリル板が開くようになっており、ICカード3枚ほどを入れられるようになっている。非接触型ICカード2枚と干渉防止用カードを入れて、ちょうど良い容量だろう。
木の種類は数種類用意されているので、自分好みのものを選ぶことができる。どの種類の木も手触りがとても良く、選ぶのを迷ってしまうぐらいだ。毎日使うものだけに、お気に入りのカードホルダーを使うというのは、気分的にも満足度が高いと思う。
ギミックがオシャレな万年筆 パイロット「キャップレス デシモ」
一口に万年筆といっても、低価格のものからかなり高額なものまでさまざまだ。文房具好きの中には万年筆に非常に詳しい方がいて、そういう方はメーカーや商品別の特徴などもしっかりと頭に入っているのがすごいなと思う。私はそこまで万年筆に詳しくはないが、筆記具として筆圧をかけずにスーッと書くことができる万年筆は大好きだ。
最近では1万円以内でかなり良いレベルの万年筆が発売されているが、自分へのご褒美として買うならもう少し高いものを選びたい。そういう観点で探してみると、パイロットの「キャップレス デシモ」が条件にぴったりと合うだろう。
キャップレス デシモ | 製品情報 | PILOT
【楽天市場】 キャップレス デシモの検索結果
ノック式の万年筆というのは珍しいが、ペン先が収納される部分にシャッターがついているのでペン先が乾く心配はない。少し長めのノック部分を押すとすぐに書き出すことができる。18金のペン先はしなやかで、細字タイプでカリカリ感がなくスーッと流れるように書けるのが素晴らしい。
ポケットなどに挿すクリップ部分がペン先方向にあるため、文字を書くときにこのクリップを親指と人差し指で挟むように持つのも特徴の一つだ。一見すると邪魔になりそうだが、実際にはこの部分があるおかげでしっかりとホールドすることができる。スマートなフォルムが持ち歩くことの楽しさを感じさせてくれる逸品だと思うし、カチャッとペン先が出てくるギミックは見ていてオシャレだと思う。
文章を打つことだけに特化したデバイス キングジム「ポメラ」
私がブログを書き始めて10年目の記念として、ある意味では自分へのご褒美的に買ったのがキングジムの「ポメラDM100」という商品だ。文房具ではないかもしれないが、文房具ブログを書くための道具として重宝している。
http://www.kingjim.co.jp/pomera/
【楽天市場】 ポメラDM100の検索結果
ポメラシリーズが発売開始となったのは2008年11月。それからコンスタントにモデルチェンジを繰り返してきた人気シリーズだ。しかし、キングジム初となるモバイルノートPCポータブックが2016年2月に発売されたことで、ポメラシリーズは現行機種のDM100で終了するのではないかと言われている。古くからのポメラユーザーである私にとっては、非常に気になる情報だ。
ポメラの良さはいろいろあるが、なんといっても軽量ポータブルながらキーボードが打ちやすいという点だろう。キーボードは横幅17cmでホームポジションも取りやすく、キータッチは浅すぎず深すぎない。力を入れなくても滑らかに入力ができるという感じだ。
また、Bluetooth機能が搭載されているので、作成したテキストファイルのPC転送が楽に行えるほか、スマホやタブレットのキーボードとしても使うことができる。文章を作成することに特化した商品ならではの特徴かもしれない。
ネットワークにつなぐことができない代わりに辞書機能は充実しているので、小説家にも愛用されている方がいるというのもうなずけるだろう。文章を書くことが好きな自分に、文章を打つことに特化したデバイスを買うというのは精神的にも贅沢なことだと思う。
最後に
今回紹介した文具類は、カメラやAV機器などに比べると金額的には大したことのない価格だろう。しかし、普段使いのボールペンが1本100円、ペンケースが1個1000円前後という文具類の中では、なかなか手が出にくい価格帯ではないだろうか。だからこそ、文房具好きであれば「自分へのご褒美」として買うにはちょうど良いし、ちょっとした贅沢を味わうこともできて精神的にも良いだろう。
普段からデスクワークが多い事務職の方や、客先でメモを取ることの多い営業職の方にとっては、ある意味で文房具は「戦うための武器」だと言っても過言ではないだろう。そのために高品質の文具類をそろえるのは、楽しさとは少し観点が違うような気がする。モノづくりの職人さんが道具にこだわることと似ているかもしれない。「自分へのご褒美」とは、お気に入りの文具類を持ち歩いているという行為がもたらす「精神的な豊かさと穏やかさ」なのかもしれないと思う。
余談となってしまうが、私も50歳を数年過ぎた中高年なので、数年先に定年退職というイベントが待っている。定年退職をしたから悠々自適に生活できるという時代ではないが、人生の中の一つの区切りなのは確かだ。そのときにはかねてから憧れている万年筆であるデルタ「ドルチェビータ・ミニ」を、数十年間頑張った自分に買いたいと思っている。万年筆の中では高額な部類に入るだろうが、自分を褒める意味でも、そこから先の人生をしっかりと頑張るためにも最高の道具になることは間違いないだろう。
著者:ポレポレとうさん (id:polepole103)
東京都在住の文房具好き中高年サラリーマン。おやこで遊ぶことを中心に書き始めたブログも早11年が経ち、ここ数年は大好きな文房具のことなどを中心につらつらと書き連ねています。
ブログ:気分はポレポレ よろず情報ブログ
Twitter:@polepole103
※記事公開時、万年筆の商品名について誤字がありました。読者様からのご指摘により、7月15日(金)11:20ごろ修正いたしました。ご指摘ありがとうございました。