はじめまして! オドンガー大佐と申します。会社員として働く傍ら、2016年ごろからダンボール工作を始め、TwitterやInstagramで作品を発表しているほか、最近ではギャラリーなどで展示も行っているダンボール工作おじさんです。
もともと工作は好きでしたが、ここまでのめり込むようになったきっかけは、二人の息子の存在。最初は僕が作ったダンボール工作を喜んでいるだけだったのですが、徐々に高度な要求をしてくるようになり、それに応えようと意地を張っているうちに、気付けばドラゴンなど複雑なものまで作るようになっていました。
今回、せっかく執筆の機会をいただけたので、読者の皆さんにダンボール工作の魅力をお届けできればと思います。とはいえ、いきなりダンボール工作と言われても取っ付きにくいと感じる人もいるでしょうから、「Nintendo Labo」と組み合わせたダンボール工作に挑戦したいと思います。後半は息子たちと工作対決を行っていますので、ぜひ最後までお付き合いください!
精緻なダンボールを作るのに欠かせない道具たち
「Nintendo Labo」とは、ダンボールで作ったピアノやハンドルなどのさまざまな形のコントローラーと、「Nintendo Switch」を組み合わせたゲームのこと。その中から、今回は「リモコンカー」と、得意なダンボールドラゴンを組み合わせ、「ドラゴンリモコンカー」を作り、遊んでみたいと思います。
まずは、ダンボール工作に必要な道具をご紹介します。ハサミ、カッター、カッターマット、ボンド、ピンセット、グルーガン(接着剤)のほか、今回はNintendo Switch1台とジョイコン2セット、それにNintendo Labo バラエティキットを用意しました。バラエティキットには、ピアノやリモコンカーを作れる専用のダンボールシートなどが入っています。
工作道具
ハサミはダンボールさえ切れれば何でもOKですが、僕は右端に置いてあるミササの「クラフトはさみ」をよく使います。隣の2つのハサミは、息子たちのもの。白いハサミは長男、赤と黒のハサミは次男のものです。次男には尊敬する切り折り紙作家さんがおり、このハサミはその方と同じアルスコーポレーションの「クラフトチョキ」というスグレモノです。
カッターはオルファの「Xデザイン・ハイパーシリーズ」から、細工用の30度の刃のものと、大きく切り出すときに使う大サイズの2つを使い分けています。
カッターマットは大きめのものがおすすめです。僕が使っているのは、オルファの「カッターマット A1」。色が濃い茶色なのでダンボールの小さなパーツも見やすいですし、最後にダンボールのゴミをまとめてザッとゴミ箱に入れられるので重宝しています。
肝心のダンボールはというと、今回は「Eフルート」という1.5mm厚のダンボールを使います。通常、通販などで使われるダンボールは3mm厚程度なのですが、薄い方がお子さんと一緒に工作するときなどでもサクサク切れて便利です。
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驚きの迫力「ドラゴンリモコンカー」爆誕!
さて、道具紹介を終えたところで、さっそく土台となるリモコンカーを作っていきます!
先述の通り、バラエティキットには誰でも手軽に制作できるリモコンカーの専用ダンボールシートが付属されています。今回はこちらを参考に自作してみようと思います。
HPなども見ながら展開図を作り、それをダンボールに写し、カッターで型どおりに切っていきます。ここで失敗すると、後々動かなくなってしまう原因になるので、誤差がないよう注意が必要です! ちなみに、任天堂のHPではダンボールシート単体の販売も行っているよう。ミスしてしまった方は、こちらから購入するのもいいかもしれませんね。
左が正規のダンボールシートから制作したもの、右が自作したリモコンカー。
これでベースは完成! 今回、僕が作ったリモコンカーは、本来のものより2センチほどスリム仕様にしました。このあと、リモコンカーとドラゴンを組み合わせていくつもりなので、なるべくドラゴンが目立つようにコンパクトにしてみました。
お次は、首から尻尾にかけて、ドラゴンの胴体となる部分を一枚のダンボールから作っていきます。首から尻尾にかけて細くなるようにハサミで切り出したあと……
節ごとに段折りをし、ドラゴンの甲殻らしさを表現します。
折っただけでは反発する力で元に戻ってしまうので、裏からグルーガンで一段ずつ接着していきます。こうすると、一枚のダンボールから立体的なドラゴンの胴体が作れます!
最後にドラゴンっぽく盛り上がりをつけ、リモコンカーに乗せます。
リモコンカーは振動で動くため、あまり作り込み過ぎると重さで動かなくなる危険性があります。そのため「軽量化」を意識し、裏側(腹側)は作らないことにしました。
胴体が完成したら、次は頭を作ります。頭は一番気合を入れるところ! 今回は迫力を出すために、眼が四個、大きな牙のあるデザインにしようと思います。 上顎と下顎を別に作り、目の周りを作り込み、角や牙を付けていきます。
ポイントは目の周りを別パーツにして瞼(まぶた)を作り込むこと、大きく曲がった牙の迫力を再現すること。牙を奇麗に曲げるためには、しっかりと段折りするのが重要。薄いダンボールとはいえ、これだけ織り込むのはなかなか大変ですから、ピンセットを使いながら、丁寧に左右の牙の曲がり具合が合うように仕上げてください。それでも指先に負担がかかると思いますが、この「細かい折り」が僕の創作のポイントになっています。
次に手を作ります。これも軽量化のため一枚のダンボールを折り、立体化します。
先ほどの胴体部分と同じ要領で、造形していきます。この辺りも筋肉感を意識して、指先まで丁寧にピンセットで折っていきます。
翼も同様に、切りと折りで仕上げていきます。まずは、翼の形を切り出します。
ハサミとカッター、どちらで切り出しても大丈夫ですが、初心者の方にはカッターがおすすめ。僕はダンボール工作のし過ぎで、ハサミを切る際に使う筋肉が異常に発達していますが、そうでない人にとってはハサミでダンボールを奇麗に切るのは難しいと思います。
カッターを使う際は、ダンボールに翼を下描きし、それに沿った形で切っていくと簡単です。
切り出したら、カッターの裏側の金属の部分で、翼の裏側に折るための線を引きます。
ダンボールなので、丁寧に線を引かないと穴が空きます! 注意です。
この線を折り線として、翼の骨の部分を折っていきます。
折ったあと、翼膜の部分を逆側に凹ませ、シワっぽくしていきます。ここ、翼らしく仕上げるポイントです。最後に骨の部分をもう一度強く折り、先の爪の部分を折って完成です。
ここまでで、「胴体」「頭」「手」「翼」と各部位が完成しましたね。今度は、これを組み合わせていきます。
接着は、木工用ボンドでも大丈夫ですが、ボンドを厚めに塗るとボンドの水分でふやけて破けたり、乾くのに時間がかかったりするため、僕はグルーガンを使います。
接着完了! だいぶ、それっぽくなってきましたね。
さて、まだ重量に余裕がありそうなので、ここから飾りパーツを付けていきます。首から背中にかけての甲殻や尻尾の先の飾りを作り込み、歯を切って、舌を作って……。
目は「画竜点睛」と言うくらい、大事なポイントです。僕はダンボールだけで作りたいので、切り込みを入れたダンボールの貼り合わせで、黒目や瞳孔を表現しています。この作り込みが、表情を引き締めます!
ただ、非常に細かい作業となるため、難しければ黒目等はペンで描いてしまってもいいと思います。
背中の甲殻は防御力の高そうなゴツゴツ感を出すために重要です。写真のような形に切り出し、折りを入れたものを、尻尾側から首にかけて、体の形に合わせて段々大きくなるように貼るとかっこよく仕上がります。
完成です!!
かなり強そうなオリジナルドラゴンリモコンカーができました! 尻尾の先は燃えているイメージで、飾りを付けました。この辺はヒレっぽく仕上げたり、棘のようにしたり、その時のデザインに合わせてお好みで仕上げましょう。
それでは、早速動かしてみます!
こいつ……動くぞっ!!(どうしても言いたかった)
自分の作ったダンボール工作が、自分の意思通りに動きます! 今まで自分の手で動かして遊ぶしかなかった僕の工作が、Nintendo Laboの力により動きます! この時点で超感動。がんばって良かった!(リモコンカーは、コントローラーの振動を使って動くシステムなので、真っ直ぐ進まない部分はご愛嬌)。
触発された息子たちにより、さらに二体のドラゴンが出現?
自分の工作が動く喜びに、ほくほく顔で僕のドラゴンリモコンカーを息子たちに自慢すると……
長男「いいんじゃない……悪くないね(ニヤリとしながら)」
次男「すごい格好いいじゃん! 僕も作りたい!」
僕のドラゴンに触発されたのか、二人とも即座に「やる!!」と言い放ち、張り切って作業を始めました。
長男(小学5年生)の制作風景
僕はリモコンカーから自作しましたが、息子たちはバラエティキット付属の専用ダンボールシートを使って制作スタート。付属の説明書が超分かりやすいようで、二人とも30分足らずで完成させてしまいました。
その後は、各々ドラゴンを作っていきます。長男は僕と同じダンボールで、モリモリと各パーツを切り出していきます。
5年生にもなると、ハサミでダンボールを切るのも問題なく、グルーガンも器用に使います。時折、僕にドラゴンの作り方を聞いてきたので、細かな造形が求められる顔周りだけ重点的にフォローします。
これは期待できる仕上がりになりそう! 作る工程も、僕とほぼ同じですね。
無事完成! ダンボールの良さが活きた力強い翼がかっこいい!!
おぉ!! ちゃんと動いた!!!
でも少し遅い(笑)。しっかりと作り込んだぶん、やや重心のバランスが悪いようですね。それでもゆっくり慎重に動くので、お見事です!
次男(小学2年生)の制作風景
まだ力の弱い次男は、硬いダンボールをうまく切れなかったので、色紙で制作を進めていきます。
普段から切り折り紙をよくやっている彼は、一度紙を半分に折り、折り目を作ってから切る方法で、スイスイとパーツを作っていきます。
上顎、下顎、胴体と作り進めていきます。
使っている色紙は、「レザック」や「タント」と呼ばれるもの。特に次男は「レザック66」という革のような模様が入った紙が大好きで、今回もそれを使って制作を進めます。
最後は、できたドラゴンをリモコンカーに乗せて、白い雲で飾り付けして完成!
ダンボールより色彩が豊かでいいですね。絶対にダンボールでやらないといけない! というルールもないですから、持っている材料と得意なやり方で、楽しく工作できればいいと思います。
は、速い!
やはり振動で動くため、スピードを重視するなら重くしない(なるべく標準のリモコンカーに近づける)のが鉄則のようですね。
ドラゴンリモコンカー選手権、ここに開幕!
さあ、三頭のドラゴンが出そろいました! せっかく三頭のドラゴンがいるので、戦わせてみようかと思います。ルールは騎馬戦をベースに、以下の3つのうち1つでも条件を満たした方が勝利となります。父の威厳を保つためにも、ここは負けられません!
- 相手の陣地の旗を倒す
- 相手を横転させる
- 相手をテーブルから落とす
ちなみに、計量と称して3人のリモコンカーの重さを測ってみると……
- 僕:157g
- 長男:157g
- 次男:122g
長男と僕は同じ重さですが、次男だけズバ抜けて軽い! これは嫌な予感しかしません(笑)。
戦場は自宅3階のテーブルの上! 操作は、一台のSwitchを使います。リモコンカーの対戦モードを使うと、ゴングも鳴らせますし、戦闘時のBGMもかけられるので、雰囲気が出て盛り上がります。
自陣に旗を置き、いざ尋常に! 勝負開始!
一回戦 長男 vs 僕
いきなり重量級同士の肉弾戦対決! お互い旗を取られないように、慎重な滑り出し……。
ここで僕が長男の横をすり抜け、旗に向けて突進! 一気に勝負を決めてやる!
そう思ったその刹那、なんと長男は僕のドラゴンの尻尾に左翼を引っ掛け、まさかの足止め。そうしているうちに、僕はコントロール不能に陥り……。
そのまま長男が逆転勝利! 絶対勝ったと思ったのに、そんなテクニックがあるとは……!
くそう、次こそは!
二回戦 次男 vs 僕
試合開始から、その軽さを活かし、一心不乱に僕の陣地に突っ込んでくる次男。
そんな単純な戦法で、僕を抜けるとでも? 自慢の巨体を使って、迎え撃ってやります! 尻尾でこうして……。
ああ!!!! 小さな体で尻尾を押しのけ、あえなく撃沈。まさか息子二人に敗れるとは……。
決勝戦は長男と次男の対決になりました。とほほ。
決勝戦 長男 vs 次男
いよいよ決勝戦! 重量級の長男のドラゴンと、軽量級の次男のドラゴンが相まみえます。
試合開始のゴングと同時に、やはり次男が速攻でアタック! 長男よ、僕と同じ失敗はするなよ!
長男、がっつりと受け止めます。なんとか持ちこたえられるか…?
ああ、危ない!!! もう長男の旗は目と鼻の先! 長男のドラゴンが必死に抵抗しますが……。
試合終了! 優勝は、次男!!!!!
なんと最年少の次男が優勝を果たしました。僕は3位という不本意な結果に……。くそう、もっと軽量化を意識すれば良かった!
こうしてドラゴンリモコンカー選手権は、大盛況のうちに幕を下ろしました。息子たちは今回の反省のもと、すでに次の改造を構想しているようです! 次は、造形にこだわるのはもちろん、戦闘力の高いリモコンカーを作り、次男を駆逐してやろうと企てています!!
**
年末年始を控えた今の時期、親子で家にいることも多いと思います。今回ほど大掛かりなものでなくとも、お子さんと一緒にダンボール工作を楽しんでみてはいかがでしょうか?
著者:オドンガー大佐
2016年あたりから、急にダンボール工作を始める。理由は、家にたくさんのあったのと、子供と一緒に遊べるから。次男に難しい工作を要望され、大変だからと断ったときに言われた「パパは僕には何事もやる前から諦めちゃダメだって言うのに、パパは諦めていいの?」という一言で後に引けなくなり、今日に至る。息子の無茶振りからスタートして、幻獣や身近な生き物を中心に創作。
Twitter :@odonger2 Instagram:@colonel_odonger
Nintendo Labo バラエティキット (C)2018 Nintendo / 6,980円(税抜) / 2018年4月20日発売
今回紹介した商品
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