はじめまして。フリー編集者のツレヅレハナコです。ふだんは食、酒、旅をテーマに記事を書いたり、料理レシピをご紹介したりしています。
なかでも「酒」に関することは、公私ともに力を入れているところ。生粋の辛党で、365日お酒を飲まない日はほぼなく、ふだん甘いものはまったく食べません。
……って、あれ? これってバレンタインデー(=チョコレート)の記事だよね? そう思われたあなた! これから私、「甘いものが苦手な人へのバレンタインデー」について大いに語らせていただきます。そして、酒飲みだからこそわかる、ビターなチョコレートをはじめとした「辛党さんへのおすすめバレンタインデープレゼント」もご紹介しますので、あてはまるお相手がいる方はぜひご参考に!
明太子をあげたこともある。私のバレンタイン
おすすめのプレゼントを紹介する前に、私がこれまでどんなバレンタインを過ごしてきたのかを紹介しておきます。これを読めば、バレンタインに贈るのはチョコレートじゃなくてもいいんだ! と思えるはず。
物心ついたときから甘いものへの関心が薄い子どもだったので、おやつは毎日大好きなゆで卵でした。まわりがチョコレートやクッキーを食べているのを見ても、うらやましさゼロ。ただし、父の晩酌用イカの塩辛には「私も食べたい!」と泣いて絶叫していたそうです。
そして時が経ち、私も好きな人ができるお年頃に。バレンタインデーという一大イベントに向けて、チョコレートを買うようなシチュエーションも訪れました。ただ、困ったことがひとつ。お店に行っても「どのチョコレートがおいしそうなのかわからない」! ほとんど食べたことがないので、イメージがわかないんですよね……。仕方なく、お店の人がすすめるものを言われるがままに買うという悲しみのバレンタインデー。
転機は20代も後半になり、お付き合いが長くなった恋人の一言でした。「実は俺、チョコ好きじゃないんだよね」。
……え? そうなの? 毎年あげてたのに? たしかにその彼も、筋金いりの酒飲み。あげる私も好きじゃないし、もらう彼も好きじゃないチョコレート……一体なんだったんだ。とはいえ、何もあげないのもなあということで、それから毎年、彼の好きなものをあげることにしました。一番喜ばれたのは「赤くておめでたそうだから」という理由で選んだ辛子明太子。日本酒のお供として、うれしそうに食べてましたねー。
そんなわけで、バレンタインにチョコレート以外を贈ってきた私があんまり甘くないギフトを紹介していこうと思います。
ただし私も最近は、「お酒に合う甘いものもあるんだな」とかなり許容範囲が広くなってきています。そこで選んだ「これなら辛党にも喜ばれるバレンタインプレゼント」。さあ、ではさっそく紹介していきますよ!
【1】 キリッとビターでつまめるチョコレート「カカオニブ クラスター」
スーパーフードとしても注目されている「カカオニブ」。カカオ豆を砕いてチップ状にしたものですが、その胚乳部分だけを使ったチョコレートです。酒飲みは、とにかくポリポリ少しずつつまむのが大好き。このチョコレートは、まさにそのスタイルにぴったり~。ウイスキーによく合うので、小皿にチョコレートを入れて少しずつ楽しんでほしいですね。
カカオニブならではのホロ苦さをピュアチョコレートで一粒ずつ包んであり、けして甘すぎません。サクサク噛むとかんきつのようなほのかな酸味がふわっと広がり、これまた大人の後味!
【2】 まったり超濃厚!「MELANGE De SHUHARI(メランジュドゥシュハリ) バスクチーズケーキ」
最近コンビニなどでも大人気の「バスク風チーズケーキ」。スペイン、バスク地方のチーズケーキで、最大の特徴は「焦げてるの?」というくらいしっかり目に焼かれた表面! でもその表面の香ばしさとほのかな酸味が、濃厚な生地と合わさると絶妙なバランスとなるのです。
今回ご紹介するのは、マカロンが人気の広島県「GOODS COMPANY」が運営するカフェによる本格派の一品。上質な生クリームとクリームチーズをたっぷり使ったうまみが強いケーキなため、甘いものラヴァ―じゃなくともハマる可能性大です。直径12㎝のホールケーキは、安心の冷凍品で配送。カットして赤ワインと一緒にふたりでゆっくりいただくのもいいですねー。私のオススメは、断面に粗びき黒こしょうをたっぷり挽く食べ方! 香り高いピリッとした辛みと濃厚チーズの好相性におどろくはずです。
【3】 江の島で行列ができる話題店のジャンボな「たこせんべい」
もはや甘いものにこだわる必要はない! しょっぱいものでも気持ちが伝わればOK! うんうん、そうですよね。私もそれが健全な考えだと思います(そんなわけで明太子になった過去……)。
そこでオススメしたいのが、こちらのたこせんべい。でも、ただのせんべいではありません。まずは見よ、このビッグサイズ! 約23×27センチで、厚さは名刺ほどの薄さ……。この驚きの大きさだけでウケを狙えれば、もうそれでバレンタインデーの任務は完了です。
さらに「販売する江の島では長蛇の列でなかなか買えない」だけある、その味と食感。丸ごとのたこに秘伝のたれをぬり、1トン(!)の圧力でプレスしたせんべいはこれでもかというくらいパリッパリ! たこの存在感も抜群で、贅沢に作ってるな~という実感があります。ラフに手で割って、ビールやハイボールと楽しんでほしいですね。
【4】 香りだけでお酒が飲めてしまう幸せ!「トリュフサラミ」
甘いものは食べないけれど、味の違いが分かる男……。そんな彼に贈ってほしいのが、こちらの「トリュフサラミ」。薄く切って口に入れれば上品な肉質の赤身と脂身がとろけ、肉のうまみと脂の甘みが舌いっぱいに広がります。次に鼻を抜けてブワッと追ってくるのが、すばらしいトリュフの香り! うわ~、なに……この1枚で幸せになれるやつ(もちろんすかさずワインを口に入れましょう)。
こちらは創業1949年の老舗イタリア「サルチス社」のサラミ。アントニオさんという名人が作っており、フリーズドライにしたトリュフが入っているのだそう。
販売しているネット食材店「ハイ食材室」によると、「最初はなかなか売ってもらえなかった」貴重品。でもそのおいしさに感動し、なんとかお願いして仕入れさせてもらえるようになったそう。この逸品は、料理に使うなんてもったいなさすぎ! ぜひ薄切りにしただけのものを、時間をかけて味わって。
【5】もはや直球でお酒メインに! 「ロン サカパ」のラム酒
「お酒が好きな人だから、チョコレートフレーバーのお酒をあげようかな」。って、ちょっと待ったーーー! 断言します。そんなときは、選ぶべき別の酒があります。それは、「チョコレートと一緒に飲むとおいしいお酒」!
チョコレート単体にはさほどときめかないけれど、合うお酒と一緒なら別。そんな辛党も意外と多いのが実情(これまでバーカウンターで見てきたところ調べ)。そこでオススメしたいのが、ラム酒。ウイスキー+チョコは定番なので、あえてラム酒で攻めるのがポイント高めかと。
海抜2,300メートルという雲よりも高い場所で熟成されたグァテマラのラム酒「ロン サカパ」は、「ハチミツ、バター、スコッチ、スパイスの効いたオークやレーズンの香り」と称される甘く色っぽい味と香り。ここにチョコレートを合わせることで、うっとりすぎる幸せな体験が得られるはずです。ビターなチョコを少しだけ添えてプレゼントしてみて!
いかがでしたでしょうか。もちろん甘党だろうと辛党だろうと、誰かから特別な気持ちでプレゼントをもらえればうれしいのがバレンタインデー。その想いこそが、お互いにとって一番大切だったりします。
でももし、辛党のお相手がもっと喜ぶものを選んであげたい……そう思ったとき、この記事が参考になれば本当にうれしいです。どうか皆様に、最高にハッピーなバレンタインデーが訪れますように!
著者:ツレヅレハナコ
食と酒と旅を愛する編集者。生粋の辛党なので手土産にいただくのは煎餅、調味料、酒なこと多数(甘くない手土産って難しいですよね)。著書に『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)、『ツレヅレハナコのホムパにおいでよ!』(小学館)、『ツレヅレハナコの薬味づくしおつまみ帖』(PHP研究所)、『食いしん坊な台所』(河出文庫)など。
Instagram:@turehana1
こっちでも「チョコ以外のギフト」を紹介中!
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