皆様こんにちは。お初にお目にかかります、長井ずみと申します。マグロ・カツオの缶詰「ツナ缶」が好きで、国産品を中心に全国各地のツナ缶を集め、それを実食したレビューをブログで公開しています。これまでに160種類あまりのツナ缶を食べてきました。
学生時代に、ふと素朴な興味から数社のツナ缶を食べ比べ、ツナ缶の味と価格を学びました。そのあと就職で静岡に引っ越し、たまたま訪れたJR由比駅(桜えびが有名)の特産品ショーケースで
「ツナ缶ってこんなにあるんだ……」
と沼の淵に触れ、その後はもう転げ落ちるように国産のツナ缶を集め始めました。そして食べ比べてみると、各社さまざまな個性を持ったツナ缶を作っていて、メーカーや魚の種類、身のほぐし方の違いでここまで変わるということに衝撃を受けたのです。
JR由比駅の特産品ショーケース。すべての元凶。由比にはあのいなば食品の工場があり、上から3段目右と最下段左にツナ缶が展示されています。
私が国産ツナ缶を中心として収集しているのは、きっかけが国産ツナ缶だったこと、理屈抜きにどれを食べてもおいしいことの2点にあります。当時、ツナ缶について紹介するWebサイトはあまりなかったため、「あのツナ缶はどんな味?」ということが誰でも分かるツナ缶のレビューブログを立ち上げ、ツナ缶を紹介し続けています。
前置きが長くなりましたが、とりあえず「コレを書いてるやつはツナ缶沼の住人なんだな」と覚えていただければ幸甚です。
【目次】
※おすすめ缶詰を早く知りたい!という方はこちらからどうぞ。
ツナ缶の分類
スーパーに並ぶツナ缶にも、これから紹介するツナ缶にもいろいろなジャンルがあります。それらは主に、
- 魚の種類
- ツナが漬けられている液汁の種類(主に油漬か水煮か)
- 身のほぐし方
の違いで大別できます。
同じジャンルで値段が近いツナ缶同士は味の特長も似ていますが、ジャンルや値段がまったく違うものを買ってしまうと「思ってたのと全然違う!」となりかねません。主に油漬缶と水煮缶(ノンオイル)の取り違えで起こりがちな悲劇です。
ジャンルそれぞれに得意不得意があるので、これら分類を頭に入れておくだけでも、ストックするツナ缶の選定や献立の準備、食べ比べが楽になります。ツナ缶の特性や合う料理を理解することが、自分好みのツナ缶を見つける最短ルートになると思います。
というわけで、それぞれ詳しく見ていきましょう。
ツナ缶の材料「魚の種類」の違い
主にツナ缶で使われる魚は、以下の3種類です。
知っている人も多いかもしれませんが「シーチキン」ははごろもフーズの登録商標です。
なお、「カツオはツナ缶でない」というのは大きな誤り*1で、海外ではカツオのツナ缶が「Skipjack Tuna in Oil」などと呼ばれ、庶民に親しまれています。ボーカルがビンナガ、ギターがキハダ、ドラムがカツオのスリーピースバンドと考えるとしっくりくると思います。
シーチキンの商品名に「New」があれば割安なインドネシア産、なければ国産品。魚種や液汁の情報は、缶の裏側にまとめて書いてあります。お手持ちのツナ缶で見比べてみてください。そこに「原産国」の表記がないものは国産です。
ほかにも和風シーチキン(タイ産)や九州沖縄向けのシーチキン(Newがついてなくてもインドネシア製が主流)など例外が多く、混迷をきわめますが、とりあえず味重視が国産、コスパ重視が海外産というふうに捉えておけばたぶん大丈夫です。
ツナが漬けられている液汁の種類
ツナが漬けられている「液汁」は、以下の2つが主流です。
ほかには「味付・調味品」がほかの調味料の自己主張が強いもの、「油入り水煮」「野菜スープ漬」があり、概ね油漬と水煮の中間を目指した製品です。
ツナ缶の身のほぐし方
身が大きい順に「ソリッド(ファンシー)」「とろ肉」「チャンク(ゴロゴロ肉)」「フレーク」に分かれており、身が大きいほど価格が高くなっていきます。とろ肉は缶詰会社ごとに分類が異なっているものの、身の大きさはソリッドとチャンクの中間、値段はソリッドより高価という位置付けになっています。
ツナ缶沼の住人がおすすめするツナ缶
ここからは、ツナ缶沼の住人たる私のおすすめツナ缶10種を取り上げ、その特徴とそれぞれどんな料理に向いているのかを紹介していきます。ツナ缶の広くて深い沼をお楽しみください。気になったツナ缶があれば1種類だけでも試していただけると幸甚です。
スタイリッシュなとろ肉ツナ缶──伊豆川飼料 とろつな
「キハダのとろ肉」をふんだんに使ったツナ缶です。ちょっとばかりしょっぱいので、辛口の日本酒に合わせたり、身をはがしてお寿司を握ったりしてもいいかもしれません。「贈り物にするツナ缶」としては見た目も価格も手頃なため、カジュアルな贈答品や差し入れに適しています。
・液汁の種類……油漬
・身のほぐし方……とろ肉(スライス)
・おすすめの食べ方……パスタや炊き込みご飯、そのまま食べておつまみにも
ツナ缶の原材料であるマグロ・カツオは加工されてツナ缶になるわけですが、そこで発生した皮骨や内臓(加工残さ)は肥料会社が引き取って肥料に加工し、マグロ・カツオの一尾一尾を余すことなく活用しています。
この加工残さを引き取る会社が、「このまま輸入ツナ缶が増えては、加工残さも減って良質な肥料を作れなくなる」と危機感を持ち、ツナ缶に目を付けました。関わりのある缶詰会社のツナ缶をもとに、地球資源の循環(SDGs)の理念をまとって、今時の見た目と堅実な中身を備えたツナ缶として君臨しています。
34m旗に込めた「日常食」の夢──黒潮町缶詰製作所 トマトで煮込んだカツオとキノコ
高知駅から特急列車で1時間半、第三セクターの黒潮町缶詰製作所で作られるおかず系ツナ缶。一本釣りカツオをでっかく切って、地場産のブナシメジといっしょにトマトソースで煮付けてあります。トマトの自己主張が抑えられていて、品名通りカツオとキノコの食感と味を楽しめます。洋食であと一品足したいときに適しています。
・液汁の種類……トマト煮
・身のほぐし方……ソリッド
・おすすめの食べ方……サラダやパスタ、パンに合わせて
黒潮町缶詰製作所のロゴは、青い海色に津波の高さをモチーフとした白字の「34M」で染め抜いた旗がシンボル。黒潮町は南海トラフ地震の予想津波到達高が「34m」という強烈な値で、町民の防災意識改善とともに、新たな産業を起こすことにしました。そこで白羽の矢が立ったのが缶詰。
「災害時でも日常的な食事ができる」……非常食を日常食にというモットーで、全製品7大アレルゲン不使用と地場産の原材料にこだわって製造されています。
(なおこの製品は厳密なツナ缶の定義からは離れていますが、カツオと液汁を密封したうえで加熱しているのと、私が好きなので便宜で取り上げています)
復興の唐辛子ツナ缶──古今東北 ピリ辛ツナ缶
食感の良いビンナガと輪切り唐辛子の辛みがよく合うツナ缶。食べると輪切り唐辛子の辛さがじんわりツーンと効いてきます。辛さのボリューム自体もほどほどかつ上品に調整してあり、辛いものが苦手な方でも相応の満足感を得られます。この唐辛子が良い脇役としてはたらき、ツナの適度な歯ごたえと辛味がマッチします。生ビールや焼酎との相性は折り紙付き。料理ならペペロンチーノが定石ですが、ざるうどんに乗せても薬味不要でお楽しみいただけます。
・液汁の種類……調味液漬
・身のほぐし方……フレーク
・おすすめの食べ方……サラダのトッピングやパスタ、お酒やビールのおつまみに
全国にある生協グループの宮城県版、みやぎ生協。その子会社が震災復興を応援するためのブランド「古今東北」を立ち上げ、その中にこのツナ缶もラインアップされています。宮城県気仙沼市の工場で製造され、古今東北ブランドを付けてみやぎ生協の実店舗や楽天を主としたチャネルで販売されています。
「古今東北 ピリ辛ツナ缶」を詳しく見る
目と舌で楽しむオリーブオイル漬──モンマルシェ オーシャンプリンセス エキストラバージンオリーブオイル(ソリッド)
Instagramで人気のあるブランド、モンマルシェの定番商品です。オリーブオイル特有の果実味が出過ぎないようコントロールしてあり、高級感を演出しつつツナの個性を消さないよう手堅くまとめ、クドさと自己主張をおさえたバランス型という趣でしょうか。どこまでも「わかりやすい」オリーブオイル漬のツナ缶です。合わせるならちょっと高いワインを開けたいところ。
・液汁の種類……オリーブオイル漬
・身のほぐし方……ソリッド
・おすすめの食べ方……そのままで、またはサラダやワインと合わせて
モンマルシェは、5,400円のツナ缶で「ツナ缶」の概念に一石を投じたことが語り草に。東京と静岡のリアル直営店と公式通販、楽天で販売し、ラインアップするすべてのツナ缶を高級品にして、缶詰ラベルにでこぼこのあるエンボス加工を付けて缶単体だけでも贈り物に見劣りしない雰囲気を演出しています。本品はオリーブオイル漬の中で比較的後発の製品ですが、ツナ缶にやや過剰なスペックのオリーブオイルを組み合わせ「わかりやすい高級ツナ缶」として一定の地位を保っています。
「モンマルシェ オーシャンプリンセス エキストラバージンオリーブオイル」を詳しく見る
オリーブオイルの個性の頂──オリーブオイルと夏びん長まぐろ
他社のオリーブオイル漬(ただし5,400円の前項を除く)は、「ツナと液汁の調和」という製品の完成度のために「マグロが主でオリーブオイルを従」という関係にする中、本品は「専門店によるオリーブオイルへのこだわり」の一点突破で他社にない革新的なツナ缶になりました。キャラクターがしっかり立ったツナ缶で、ご飯にのせた時の相性は悪いものの、洋酒とは非常に良く合います。オリーブオイルがとてもとても好きな人におすすめできます。
・液汁の種類……オリーブオイル漬
・身のほぐし方……ソリッド
・おすすめの食べ方……サラダやパスタ、パンに。またはオイルごと炊き込みご飯に。ごはんにのせるツナ缶ではない
静岡のオリーブオイル専門店「クレアテーブル(CREA TABLE)」の中の人が求めたオリーブオイルの芳醇な香りと、身をかみしめるたびに広がる華やかな風味に、きっとこう思うはずです。「ほかのオリーブオイル漬を食べてから」試したかったと。私も同意見です。ほかのオリーブオイル漬と一線を画す強烈な個性を持ったこのツナ缶が、製品としてラインアップされ、通年購入できることに、ツナ缶沼の趣味性と奥深さを実感できるでしょう。
ポテトサラダに合う水煮缶──モンマルシェ オーシャンプリンセス 水煮(ソリッド)
高いツナ缶の水煮版です。ポテトサラダとたいへん相性の良いツナ缶ではないでしょうか。このツナ半分にセブン-イレブンのポテサラを全量入れると簡単にさっぱりポテサラができまして、これから暑くなってさっぱりしたものが食べたい時におすすめです。
・液汁の種類……水煮
・身のほぐし方……ソリッド
・おすすめの食べ方……ポテトサラダや煮物、あえ物、そうめんなど幅広い料理に
オーソドックスな水煮の味付けゆえ味気なさが気になるものの、他の調味料と組み合わせてしまえば問題ありません。組み合わせた時のノイズたる生臭さがほとんど目立たないため、そのまま食べた時に感じた印象以上に使い勝手の良い水煮缶に仕上がっています。
実は食べきりサイズのツナ缶(100g未満)で「水煮の」「ソリッド」というジャンルは貴重で、成城石井に売っている「素材そのままシーチキンファンシー」(はごろもフーズ)か本品くらいしか思い浮かびません。水煮缶特有の魚臭さはほとんど感じず、魚臭さが嫌いな人にとってはキハダカツオの水煮缶より使いやすいと考えています。
福岡生まれの定番お土産──めんツナかんかんレギュラー
明太子専門店ふくやのツナ缶「めんツナかんかん」。ツナにふくや明太子の漬け汁を合体させるという画期的な発明により、2015年3月の登場から1年7カ月で販売200万缶を突破、瞬く間に福岡土産の定番へ。また、ツナ缶が本来持っている「常温で3年間の賞味期限」という特性が「日持ちを意識しないで済む」という贈り手貰い手双方のメリットとして作用、ガッチリ需要をつかみました。和洋中どの料理に入れても「めんツナかんかんの◯◯◯◯(料理名)」という独自性を発揮します。
・液汁の種類……調味液漬(明太子の漬け汁)
・身のほぐし方……フレーク
・おすすめの食べ方……ご飯にそのままのせる、ビールのおつまみやサラダの具材に
また、積極的にコラボラベルのめんツナかんかんを製造しており、地元サッカーチームや映画タイアップラベルなど想像しやすいものから、K-POPユニットのライブ物販グッズ*2、熊本のカーディーラーで特別な条件を満たした顧客にだけ贈られるものなど、コラボかんかんだけで新しい沼があるような気がしてなりません。
レギュラー(粒なし)、レッド(レギュラーより辛い粒なし)、プレミアム(明太子の粒入り)と3種ありますが、個人的には卵入りのプレミアムより、シンプルにツナと明太子漬け汁の調和を楽しめるレギュラーが気に入っています。レギュラーの成功あってこそレッドとプレミアムが生まれたのです。物足りない辛党の方はぜひレッドへのステップアップをご検討ください。
海外向けツナ缶のローカライズ──ゲイシャ ホワイトミート 水煮
本稿唯一の大きなツナ缶で、開缶には缶切りが必要です*3。大きい缶に入ったかたまり肉のソリッドなので、身の大きさもほかの国産品と一線を画しています。この身のボリュームとサイズを余さず使うには、炊き込みご飯の具にするのがおすすめです。ご家庭のレシピがある方はその中に、市販の炊き込みご飯の素を使う場合はそれを入れた後に、本品を一口サイズに崩しながら入れてください。大変パワフルな出来栄えになります。
・液汁の種類……水煮
・身のほぐし方……ソリッド
・おすすめの食べ方……炊き込みご飯の具や、多人数で食べるサラダやスープに
ロゴの左下に「NET WT. 7 OZ」(内容総量7オンス*4)と書いてあり、なんとも異国情緒あふれるツナ缶と思うでしょう。海外ではこの大きさが主流なのです。コンビーフで有名なノザキの海外ブランド「ゲイシャ(GEISHA)」のツナ缶で、日本より北米やアフリカ、中東などでその名前が知られています。
2020年現在、ゲイシャの缶詰はほとんどがタイなど海外拠点での生産にシフトしましたが、ごくわずかに高級ツナ缶として日本で作ったものを輸出しています。その中で、この水煮ソリッド缶だけゲイシャ唯一の国内販路を持ち、限られたスーパーや通販サイトで購入できます。先に紹介したモンマルシェの水煮ソリッドとキャラがかぶっており、比べると少々大味でわずかな生臭さもありますが、その性格も適した料理もまったく異なります。グラム単価はほぼ半額なのでコスパは良好と私は思っています。
フルチューンのライトミート──かもめ屋 ライトツナフレーク水煮・食塩不使用
原材料「まぐろ、野菜エキス」以上。
独特の開缶音とともに現れる中身は、野菜汁によってしっかりした下味がついており、水煮缶(食塩不使用!)とは思えないほど深い食味を発揮してくれます。他の調味料ナシでそのまま食べることにおいてもっとも理想的な水煮缶だと思っています。サラダに合わせてもあらゆるドレッシングとけんかしない上、普段使っている油漬缶を本品に置き換えるだけで味のレベルを落とさずに摂取カロリー減少が望めます。
・液汁の種類……水煮
・身のほぐし方……フレーク
・おすすめの食べ方……離乳食や介護食、サラダ、おにぎりの具
クレアテーブル同様に一つのこだわりをテーマにして一点突破し、OEM工場内で煮出した野菜汁とマグロ本来の味だけで調味した水煮缶です。食塩不使用のため塩分管理しやすい他、ツナ缶としては大変珍しくなった北海製罐の缶が採用され、こだわりの強さからライトミート製品の中では1缶の価格がかなり高いツナ缶となりました。
入手困難な伝説のツナ缶──由比缶詰所 炙りビントロ
最後に、その味とトータルの完成度、門外不出を貫く姿勢から、私は伝説のツナ缶と囁き、愛してやまない「由比缶詰所・炙りビントロ」を紹介します。
ビンナガのとろ肉を炙って一枚一枚手作業ではがしたものを、缶に詰めてオリーブオイルに漬けています。オリーブオイルの香りは抑えてあり、開缶時に炙り目の香ばしさを楽しめます。これ自体が独自の世界を作っている製品のため、そのまま食べるにせよ和洋どちらの料理にするにも相性が良く、お酒のジャンルも選びません。
・液汁の種類……オリーブオイル漬
・身のほぐし方……とろ肉(スライス)
・おすすめの食べ方……そのまま、あるいはパスタやサラダのトッピングに。心を無にしてそのまま食べてほしい
由比缶詰所は、「静岡土産」の代表格である缶詰会社です。ツナ缶に詳しい方と話していても「由比缶詰さんいいよね」と必ず名前が挙がります。
しかし経営者の意向で、実店舗は静岡市内のスーパーの一部や県内のお土産コーナー、ネット通販は同社の通販のみ*5と相当手に入りづらい部類になっています。
その中でさらに入手困難なのが、由比の工場に併設された直売所でしか買えない「炙りビントロ」で……。
本稿で食べたのは2019年の夏びん長まぐろを使用したモデルです。電車とバスを組み合わせて直売所へ行きました。
ツナ缶沼の住人なら、一度は来訪を夢見る「由比缶詰所の直売所」。
直売所は駅から徒歩30分、バスも不便、さらに平日のみ・17時までの営業。未経験者にはかなりキツイ入手ハードルですが、無理しても行く価値のある、食べる価値のツナ缶であることは約束します。
もし、由比缶詰所への巡礼と本品の実食がかなった暁には、名峰の頂から今まで食べたツナ缶に思いを馳せ、立派な沼の住民となっているでしょう。かつての私がそうだったように。
ツナ缶沼の行き着くところ
最後に、ツナ缶の沼に沈み、追究する人間がどこに行き着くのか……ですが、気づいたらツナ缶を自作していました。
一般人も理論上可能な「自分で作る同人ツナ缶」ならびに「工場にお願いした一般製品クラスの同人ツナ缶」を作り、それらの解説をした同人誌を制作しました。こちらについても一読いただければ大変うれしく思います。
願わくば、本稿を読んだ皆様が夕飯や晩酌にツナ缶を取り入れてくれることを信じて。
個人で制作した「同人ツナ缶」2つ。完全手作りの同人ツナ缶1(左)と、一般製品と同等の設備で作られた同人ツナ缶2(右)。
* * *
記念写真。このあと私がおいしくいただきました。
著者:長井ずみ
ツナ缶が好きです。2013年に活動を始め、いままで国産ツナ缶を中心に160種余のツナ缶を実食、その多様性をブログや同人誌で発表しています。趣味はツナ缶の買い付け。同人誌は自分の読みたいツナ缶解説本がなかったから、同人ツナ缶は自分の食べたいツナ缶を実現したくて作りました。「どうしてツナ缶を食べるのか?」そこにツナ缶があるから。
Twitter:@zumix30contacts
ブログ:ツナ缶レビュー zu-mix3.0
BOOTH(同人誌通販):zu-mix3.0自家通販( https://zumix.booth.pm/ )
今回紹介した商品
「とろつな」を詳しく見る「トマトで煮込んだカツオとキノコ」を詳しく見る
「古今東北 ピリ辛ツナ缶」を詳しく見る
「モンマルシェ オーシャンプリンセス エキストラバージンオリーブオイル」を詳しく見る
「オリーブオイルと夏びん長まぐろ」を詳しく見る
「モンマルシェ オーシャンプリンセス 水煮」を詳しく見る
「めんツナかんかん」を詳しく見る
「ゲイシャ ホワイトミート 水煮」を詳しく見る
「かもめ屋 ライトツナフレーク」を詳しく見る
*1:1971年、稲葉食品(現いなば食品)が価格競争性獲得のためにキハダ使用のライトミート製品「いなばライトツナ」を発売。1983年に追従したはごろもフーズもキハダ新製品を「シーチキンL」と命名、あわせて先発のシーチキンカツオを「シーチキンマイルド」へ改称し、ライトツナもシーチキンLも普及したために、このような誤解を生んだと考えられています。なお、ライトミート・ツナを略してライトツナなので、ミディアムツナとかバンタムツナはありません。
*2:2016年11月、BIG BANGが福岡でライブツアーを行うことを記念して発売されました。私が知ってる限りこれが一番古いコラボかんかん。
*3:液汁と身の質量(固形量)を合算した重さを内容総量(内容量も同じ意味)といいます。ソリッド缶は必ず固形量と内容総量が併載されています。フレークは固形量を書かなくてよいため、内容量だけ書いてあります。7オンスは約200gです。
*4:このファミリーサイズな缶のことをツナ2号(通称T2号)といいます。日本でツナ缶が生まれてから1980年代まではこれが普通のサイズでした。
1980年代に食べきりサイズの小さい缶(ポケット4号とかP4号とかいいます)を3缶パックにしたライトミート製品が爆発的に普及したため、日本でのT2号缶はチャンクやソリッドなどお高めのツナ缶を中心にわずかにその姿を残すのみとなりました。缶切りの要らないイージーオープン缶(通称EO缶)も、この3缶パック普及とともに定着しました。
そして、なぜ海外産や輸出用で缶切りの要る缶が主流か……というと、EO缶はフタに裂ける部分を付けて手でふたを開けられるようにしてあるので、どうしてもそこが脆いところになって流通時に破損しやすいから……とされています。ただし、2020年現在は海外でもEO缶が普及してきています。
*5:由比缶詰所は自社のツナ缶について「原則、直売所と通信販売のみでの販売」と明言しています。静岡市内のスーパーの一部や県内のお土産コーナーは例外。