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疲れないキーボードを知りたい。タイピング早打ち日本一の「女王」miriさんに聞いてみた

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タイピング早打ち日本一のmiriさんに、「疲れにくいキーボード」を教えていただきました。miriさんによれば、いいキーボードを使えば疲れないし、1万円を超えるキーボードを選ぶと明確に感動を味わえるそうです。

キーボード打ってるだけで疲れる

こんにちは。斎藤充博です。僕の仕事は「ライター」。ほぼ毎日パソコンに向かって延々とタイピングをしています。

 

愚痴っぽくなりますが、自宅でパソコンと長時間向き合うのって普通に疲れませんか? 手や指も疲れるし、さらに肩や首くらいにまで疲れが来ている気がします。

 

この悩みについて、ある人に相談することを思いつきました。

タイピングの早打ちなんて興味なかったけど、日本一決定戦がめちゃすごかったから解説させてくれませんか? より(写真提供:ファミ通.com)

タイピングの早打ちなんて興味なかったけど、日本一決定戦がめちゃすごかったから解説させてくれませんか? より(写真提供:ファミ通.com)

 

それは「タイピングの女王」と言われているmiriさんです

世の中にはパソコンのタイピングの速度を競っている人たちがいて、キーボードのメーカーなどが主催する大会も開かれています。

 

miriさんはそんな大会の一つ「REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP」で2017年、2018年、2019年の3年連続で優勝をしています。……まさしく「タイピングの女王」!

 

言葉であれこれ伝えるよりも、これを見た方がはやいです。miriさんに実際にタイピングを見せていただきました。

miriさんは20文字程度の打ちやすい単語であれば1,700kpm(kpm=keystrokes per minuteの略。すなわち1分間にタイプするキーの数)のスピードで打つことができます。

速すぎてちょっとイメージがつかないのですが、この数字は1秒で28打鍵しているということになります。なんか、よけいわからなくなった気もしますね。

ちなみに一般人のタイピングスピードは200~300kpmだそうです。

 

そんなmiriさんによれば、「良いキーボード」を使えば体が疲れにくくなるそう

競技タイピングを極めるためにこれまでかなりキーボードを試してきたというmiriさん。今も1日に長時間の練習をすることがあるといいますし、こんなにタイピングしてきた人が使っているキーボードなら体への負担も少ないかもしれない。

miriさんの愛用キーボード(一部)
miriさんの愛用キーボードを一部持ってきてもらいました。
キーボードってこんなにそろえるものなの……?

というわけで、miriさんにイチオシキーボードを教えていただきます。初めての人でも外付けキーボードデビューしやすいよう、手頃な価格帯もカバーしてもらっています。 

※取材は、新型コロナウイルス感染対策を講じた上で実施しました

いいキーボードを選ぶと体は疲れにくくなる

というわけでmiriさんです!

タイピングの女王ことmiriさん。手に持っているのは愛用しているReal Force

●miri
1996年生まれ。13歳からタイピングを始め、「REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP」で3連勝中。
テレビ番組『日本一なら出来るかな!?』『嵐にしやがれ』『ヒルナンデス』に出演。
現在はテレビの字幕制作の仕事に携わっており、公私ともにタイピングに夢中。

miriさんに体が疲れにくいキーボードを教えてもらいます。聞き手は斎藤充博
*感染症対策のために透明なアクリル板を立ててインタビューしております

聞き手・斎藤充博
タイピング見せていただきありがとうございます。神業ですね……。やはり競技タイピングをしていると、キーボードにもこだわるようになりますか?

miriさん
タイピングを速くするには、かなりの練習をこなさなければならず、疲れにくいキーボードを選ぶ必要があります。それに長く使うものなので指なじみがいいもの、打ち心地がいいものを使いたいですよね。

聞き手・斎藤充博
いいキーボードは、そんなに違うものなのですか?

miriさん
かなりの違いがあります。疲れにくくなったり、タイプミスが減ったりしますね。キーボードによって打ちやすい言葉が変わることもあります。

聞き手・斎藤充博
実際にアウトプットが変わってくるんですね。タイプミスが減るなら、高速タイピングしない人にもよさそうです。

 

代表的なキーボードの種類

聞き手・斎藤充博
それでは、miriさんがこれまでに使ってきたキーボードをおうかがいしたいのですが……。その前に、キーボードの種類についてざっとネットで調べてきました。あってますか?

  • メンブレン
    標準的なキーボード。ラバードームでキーを支えている。デスクトップパソコンを買ったときに付いてくるキーボードはだいたいこれ。キーボードの中でも安価で1,000円くらいから売られている。
  • パンタグラフ
    ノートパソコンなどに使われていることが多い。電車の上についているパンタグラフ(◇ ←こういう形をしている装置)の構造でキーを支えている。お値段はメンブレンに次いで安価。数千円くらいで売られている。
  • メカニカル
    「スプリング」というバネでキーを支えている。このバネには「赤軸(軽いタッチ感で疲れにくいといわれる)」「青軸(しっかりしたクリック感があり、誤入力が少ないといわれる)」「茶軸(赤と青の中間くらいでバランスの良さが特徴)」などの種類があり、それぞれキーの打ち心地が違ってくる。値段は10,000円程度から。キーボードにこだわる人はこのあたりから検討することが多いようだ。
  • 静電容量無接点方式
    キーを押したときに生じる静電気の変化を感知して入力する。このためにキーを最後まで押し込む必要がなく、なめらかなタッチ感を実現できる。値段は30,000円程度。東プレの「REALFORCE」、PFUの「Happy Hacking Keyboard」などがメジャー。

miriさん
そうですね。あっています。

聞き手・斎藤充博
miriさんはやはり高価な「静電容量無接点方式」のキーボードを使っているんでしょうか。

miriさん

そうですね。「静電容量無接点方式 」のキーボードとしては「REALFORCE(リアルフォース)」と「Happy Hacking Keyboard(HHKB)」が有名なのですが、私はREALFORCE を使っています。

HHKBはキーの配列がちょっと特殊なんです。また、コンパクトでスタイリッシュなのがいいところなのですが、私はそれを特に求めていないので使っていません。

聞き手・斎藤充博
なるほど……。細かいこだわりがあるんですね。

miriさん
どちらもいいキーボードなので、どちらを使うかは好みかなと思います。

聞き手・斎藤充博
「静電容量無接点」以外のものはあまり使わない感じですか。

miriさん
もちろん、これまでに「静電容量無接点」に限らず、いろいろなキーボードを使ってきました。今日は広く紹介しますね。

聞き手・斎藤充博
ぜひお願いします!

 

 

先にmiriさんのキーボード選びについて、ざっくりとまとめてみました。こんな感じの方針で、具体的なキーボードたちを見ていきます。

【miriさん的キーボードの選び方】

  • キーボードは大きくわけて4タイプある。予算と自分の好みで選ぼう
  • 予算に余裕があり、感動したいなら「1万円以上」のものがおすすめ。特に疲れを軽減したい場合はメカニカル方式か静電容量無接点方式が良い
  • 静電容量無接点方式(miriさんの場合はREALFORCE)のキーボードは高いが、耐久性に優れているので投資する価値はあり
  • タイピングの音が気になる人は荷重(キーを押し込むのに必要な重さ)が軽めのものを選ぶと良い
  • 上級者は用途によって使い分けるという手もある(スピードが求められているとき、長時間タイピングするときなど)

【miriさんのいちおしキーボードまとめ】

  • メンブレンキーボード「BFKB92UP2」(5,000円くらい)
  • メカニカルキーボード「AS-KBPD08/LRBKN」(12,000円くらい)
  • メカニカルキーボード「G610」(15,000円くらい)
  • 静電容量無接点方式「REALFORCE」各種(30,000円前後~)

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メンブレンキーボード「BFKB92UP2」(5,000円くらい)

ビット・トレード・ワンの「BFKB92UP2」

ビット・トレード・ワン「BFKB92UP2」を詳しく見る

miriさん
まずはメンブレンのキーボードから。ビット・トレード・ワンの「BFKB92UP2」を紹介します。私が実際に使っていたものは廃番になっているようで、これはその後継機種ですね。

聞き手・斎藤充博
5,000円くらいなんですね。これなら僕にも手軽に買えるな……。メンブレンというと一番安価な方式だと思いますが。

miriさん
私はこのキーボード(の一つ前の機種)で競技タイピングの大会に出たことがあります。

聞き手・斎藤充博
これは、どういうところがいいんでしょうか?

miriさん
複数のキーをほとんど同時くらいのタイミングで押しても、ちゃんと押された順番を認識する機能が付いています(Nキーロールオーバー)。この機能がないと、物理的に高速タイピングはできません。

聞き手・斎藤充博
なるほど。ちゃんと高速タイピングを意識した設計になっているんですね。

miriさん
またこれは私の好みですが、メカニカルや静電容量無接点など、いろいろなキーボードを選んでいく中で、「ちょっと重めの打ち心地」が欲しくなったんですよ。そんな時にこれを使っていました。

聞き手・斎藤充博
miriさん好みの打ち心地なんですね。5,000円ということを考えると、これくらいのキーボードから始めてもいいかもしれない……。

miriさん
これは秋葉原中を探し回った記憶があります。メンブレンの中では私に一番合ってるなという感じでした(笑)。安価なものから探すならこれかな、と思います。

「BFKB92UP2」(ビット・トレード・ワン)

  • メンブレン方式。約5,000円と安価
  • 重めの打ち心地

メカニカルキーボード「AS-KBPD08/LRBKN」(12,000円くらい)

アーキサイトの「AS-KBPD08/LRBKN」

アーキサイト「AS-KBPD08/LRBKN」を詳しく見る

miriさん
アーキサイトの「AS-KBPD08/LRBKN」。これはメカニカル方式です。

メカニカルで個人的にオススメなのは赤軸・茶軸なのですが、こちらのキーボードは赤軸です。カチカチ感がありすぎず、なさすぎず、おおよその人にとって手になじみやすいキーボードだと思っています。

初めてメカニカルを使うと、特有のカチカチ感に最初はとまどうと思うのですが、これはなじみやすい打鍵感だと思います。

聞き手・斎藤充博
実勢価格は12,000円くらいのようです。さっきのよりはちょっと高価ですね。

miriさん
付属の標準キーボードだけを使っていた人が、1万円を超えるようなメカニカルのキーボードを使ってみると、明確に「感動」があると思います。他のものを選ぶとしても、キーボードにこだわるなら1万円超えるくらいからおすすめしたいですね。

聞き手・斎藤充博
なるほど……。感動味わいたい!

miriさん
実際に使っていて、よかったですよ。途中でキーが外れちゃったこともあったんですが、キーを無理にはめて使ったりもしました。

聞き手・斎藤充博
そういう応急処置をしてまで使っていたんですね。思い出だ……。これ買ってみようかな……。

「AS-KBPD08/LRBKN」(アーキサイト)

  • メカニカル方式
  • カチカチ感がありすぎず、なさすぎず、バランスがよい
  • 付属キーボードからアップグレードすると明確に感動がある

メカニカルキーボード「G610」(15,000円くらい)

ロジクールの「G610」

ロジクール「G610」を詳しく見る

miriさん
ロジクールの「G610」も使っていました。メカニカル方式です。これは打ち心地がものすごく軽いんです。

聞き手・斎藤充博
おお……。それは競技にはいいですよね。

miriさん
ただ軽すぎたのか、ちょっと競技でのタイプミスが多くなっちゃいました。これは私だけかもしれませんが……。

聞き手・斎藤充博
一長一短あるんですね。ゲームの武器選択みたい。一般の人間からすると、打ち心地が軽いのは、単純に疲れにくそうですね。競技のときみたいな速度を求めないのなら、ミスもそんなにしないでしょうし。

「G610」(ロジクール)

  • メカニカル方式
  • 軽い打ち心地で疲れにくい

静電容量無接点方式「REALFORCE」(30,000円くらい)

miriさんにたくさんキーボードを持ってきていただいた

miriさん
現在私が主に使っているのが静電容量無接点方式の「REALFORCE」です。

聞き手・斎藤充博
今日は実際にmiriさんが使っているものを持ってきていただいています。なんか……。カッコいいですね。キーボードなのに。「REALFORCE」はどういうところがいいんでしょうか?

miriさん
私にとって指なじみがよくて、疲れにくいんです。

聞き手・斎藤充博
ただ、3万円くらいはしますよね。買うのに、ちょっと気合いがいりますよね。

miriさん
REALFORCEは耐久性にも優れているんですよ。私の周りでは10年以上同じREALFORCEを使っているという声も聞きます。

聞き手・斎藤充博
なるほど……。10年以上使えれば、モトはとれるかな。

miriさん
私も仕事中にお茶をこぼしてしまったことがあるのですが、急いで乾かしたらチャタリング(1度しかキーをタッチしていないのに、2~3回キーが入力されてしまう不具合)を起こさずに普通に使えました。値段以上の価値はあると思いますね。

*編集注:あくまでも個人の経験にもとづく感想です。

聞き手・斎藤充博
やはり高価なだけあって、いいものなんですね。

 

キーの「重さ」で使い分ける

miriさん
REALFORCEにもいろいろと種類があって。私が主に使用しているのは30g、変荷重、55gです。

聞き手・斎藤充博
???

miriさん
それぞれキーを押し込むのに必要な重さですね。

聞き手・斎藤充博
そんなに細かく種類わけがされているんですね。

REALFORCE 30g

「REALFORCE 30g」を詳しく見る

miriさん
これは軽い30gです。

聞き手・斎藤充博
さっきも軽いキーボードが出てきましたが、やはり競技には軽い方がいいんですよね?

miriさん
一般的にはキーが軽い方が高速タイピングに適していると言われているとされています。

聞き手・斎藤充博
やっぱりそうなんだ。

miriさん
ただ私はいろいろなキーボードを試すうちに、キーが重たい方が速く打てることに気づいたんですよ。これはかなり珍しいタイプなのではないかと思います(笑)。

なので、このキーボードは、競技タイピングにはあまり使わず、仕事で使います。特に指が疲れていて、打鍵の負担を減らしたいときに使っています。

ちなみに、軽いのでタッチの音がかなり小さいです。職場で気にする人にはおすすめですね。

 

R2TLA-US5-BK

「R2TLA-US5-BK」を詳しく見る

miriさん
競技タイピングに使っているのは重たい55gですね。

聞き手・斎藤充博
私はタイピングは素人ですが、キーが重たい方が速くなるというのが想像がつかないです……。

miriさん
私の打ち方が独特なのかもしれません。キーをタッチしたときに戻ってくる”反発”があった方が速くタッチできるんですよ。一回戻る力がないと、次につなげられないみたいな、そういう感じがしますね。

聞き手・斎藤充博
すごい。キーの重たさを逆に利用しているんですね……。
(ふとここで、マリオカートでクッパやドンキーコングなどの重量級のカートを使っている人の発言みたいだ、と思ったのですが、あっているかどうかまったくわからないので言葉にしませんでした)

REALFORCE 変荷重

「REALFORCE 変荷重」を詳しく見る

miriさん
変荷重は仕事で使っています。キーによって重さが違うんです。小指でタッチすることが多い「A」などが軽かったりします。私は仕事では小指をたくさん使う(miriさんのお仕事については後ほど)ので、負担の軽減になるんです。
聞き手・斎藤充博
僕はライターで、タイピングをしていると指や腕が疲れてしまうような気がしているんですが、キーボードを工夫するとやっぱり変わりますかね?

miriさん
それは全然違いますよね。さきほどメンブレンも紹介しましたが、疲れを防止するという意味でしたら、メカニカル方式か静電容量無接点方式がやっぱりおすすめです。

「REALFORCE」各種

  • 静電容量無接点方式
  • 高価ではあるものの耐久性に優れている
  • キーを押し込むのに必要な重さがさまざまあり、用途によって使い分けることも(軽いものは長時間タイピングする時用、重いものは競技用など)

miriさんのタイピング疲れを防止するストレッチ

聞き手・斎藤充博
私はライターの他に指圧師でもあるのですが(突然の属性追加すみません)、指に力が入っちゃうと、釣られて肩や首など、上半身のいろいろなところに力が入ってしまうと思います。
自分に合うキーボードを導入することでそのあたりの疲れを防止できるのなら、いい買い物なのかも……。

miriさん
そういう意味では、私はよくストレッチはよくしていますよ。手を上に上げたり、肩を回したりとか、一般的なものですが。

手を後ろに組んでのばすストレッチ

miriさんが普段しているストレッチを紹介してもらいました。手を後ろで組んで、そのまま後方に伸ばす。肩の前側の筋肉と、胸の筋肉に効く。確かにタイピングでは疲れやすい筋肉なので、合理的です。

肘を大きく回すストレッチ

手を肩の辺りにあてて、肘を大きく回すストレッチ。肩甲骨周辺の筋肉に効いてきます。

聞き手・斎藤充博
2つともタイピングの疲れにはすごくよさそうですね。

miriさんの手首が柔軟すぎる!

miriさん
他にも、手の疲れだったらこんなふうに手を伸ばしたりとかしていますね。

聞き手・斎藤充博
えっ。これはすごくないですか?

miriさん
だいぶやわらかい方だと思います。

聞き手・斎藤充博
これがタイピングの女王の指か!!! 読者のみなさんはたぶんここまで曲がらないと思うので、注意して伸ばしてみてくださいね!

 

miriさんの本業はタイピング

miriさんの本業についてもお伺いします

聞き手・斎藤充博
miriさんの現在のお仕事は「テレビの映像に字幕をつける仕事」とおうかがいしました。本業もタイピングなんですね。

miriさん
そうですね。ただ、字幕と聞くとバラエティ番組などのテロップなどを連想しがちかもしれませんが、それとはちょっと違います。私が主にしているのは聴覚障害者向けの字幕作成です。テレビのリモコンなどで「字幕」と書いてあるボタンがあるので、そこを押すと出てきますよ。

聞き手・斎藤充博
見たことあります! あれを作っているんですね。

miriさん
ニュース番組など、生放送の番組では実際にオンエアを聞きながら3~4人で順番に聞こえたものの入力を行い、視聴者の方に字幕が届きます。こちらはリアルタイムで字幕の送出を行っています。

聞き手・斎藤充博
リアルタイムで字幕を作るの、かなりの集中力がいりそう……。

miriさん
リアルタイムではない仕事もあります。パッケージ字幕というのですが、主要な人物に色をつけたり、テロップが顔にかぶらないように位置を調整したり、表示時間の調整などをしています。

実はこの時にコントロールキーをよく使うんですよ。だから小指を使うキーが軽くなっている「変荷重」のキーボードが必要になるんです。

聞き手・斎藤充博
お仕事では1日に何文字くらいタイプするんでしょうか?

miriさん
恐らく2~3万打鍵くらいかなと思います。

聞き手・斎藤充博
すごいです……!(おれ、1日に1,000文字も書かないで「疲れた」なんて言っていることがあるんだよな……)

 

タイピングを好きになったきっかけは「音」と「感触」

miriさんがタイピングにハマったきっかけは音と感触

聞き手・斎藤充博
そもそも、どうしてタイピングにハマったんでしょうか?

miriさん
中学生の頃にハンゲームの「歌謡タイピング劇場」というオンラインタイピングゲームを始めて。単にその時期ヒマだったので、なんとなくやっていただけですね。

聞き手・斎藤充博
どんなところが楽しかったですか?

miriさん
すごく単純な話なんですが、音が好きで……。

聞き手・斎藤充博
音?

miriさん
キーをタッチするときの音が好きになったんです。それからタッチしたときの感覚がクセになる、といいますか。キーをタッチすること自体が楽しくなったんです。するとタイピングの速度も上がるので、楽しくてどんどんとハマっていきましたね。

 

1日に20時間練習していることも

1日に20時間練習していることもあるとか

聞き手・斎藤充博
そういう身体的な感覚からハマっていったんですね。どのくらいプレイしていたんですか?

miriさん
最初は1時間くらいだったんですが、だんだんとプレイ時間が延びていって。1日中やっていたようなこともありました。

聞き手・斎藤充博
1日中……。7~8時間くらいですかね。タイピングソフトをそのくらいやっていたらかなり疲れそう。そうやって集中力をつけていったんですね。

miriさん
いや……。そのときは、なんというか、1日に20時間くらいやってしまっていました……。

聞き手・斎藤充博
20時間?????????????????????????(すごすぎて「?」がいくつあっても足りない)体がガタガタになりませんか?

miriさん
当時は中学生だったからなんとかなってたんですが、いまやったらガタガタになりますね(笑)。

聞き手・斎藤充博
そうですよね。いまはしない、ですよね……?

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miriさん
実はそんなこともなくて(笑)。いまでも大会の前になるとかなり練習します。競技タイピングの大会では、事前にどんなワードを打つかが予め教えてもらえるんですよ。それが来たら、1週間くらい会社から有給をもらって、1日20時間くらいは毎日練習しますね。

聞き手・斎藤充博
おおお……。本当にすごいです。それって、他の出場者の方もそうなんですかね?

miriさん
多分そうなんだと思います。仲のいい出場者が一人いるので聞いてみたんですが、その人もそのくらいやっていたみたいです。

聞き手・斎藤充博
競技タイピングってそういう世界なんですね。でも、プロのスポーツ選手でも、1日に20時間は練習しないですよね、きっと。相当すごいことだと思いますが……。

miriさん
言われてみるとそうなのかもしれません(笑)。ただ、20時間ずっと打ってるわけじゃなくて、リラックスした体勢で脳内で打鍵のイメージもするんです。それも含めての20時間ですね。

聞き手・斎藤充博
打鍵のイメージ……。「運指の最適化」という言葉を聞いたことがあるんですが、それですか?

運指の最適化

一般的なタッチタイピングではどの指でどのキーを押すかが決まっている(ホームポジション)。高速タイピングをする人はより効率的にキーを押すためにどの指でキーを押すかを独自の方法であらかじめ決めておく。

miriさん
まさにそうです。キーボードの真ん中辺りにある「Y」「H」「B」を左右どちらの手でとるか。もっと突き詰めていって、「R」を人差し指で取るか中指でとるか、とか。そういうことを考えます。

どの指でとりやすくなるかはワードによって異なってきます。すべてのワードを打ちやすい運指にするように脳内イメージするんです。それができたら実際にタイピングをして実践します。その繰り返しです。

聞き手・斎藤充博
うーん……(よくわからない神業の世界をがんばって想像している)。それは、例えば暗記をするようなイメージですかね?

miriさん
暗記というよりは、手に感覚をしみこませる感じです。脳内で考えて、実際に打って、また脳内で考えて、実際に打って……っていうことを、20時間くらいやってますね。

聞き手・斎藤充博
想像をはるかに超えた努力で、もうなんと言ったらいか、わかりません。それにしてもそんな状況だと「疲れにくいキーボード」を選ぶことは最重要事項ですね……。

 

miriさんありがとうございました!

miriさん、ありがとうございました!

 

キーボードを探すという楽しみ

単純に「疲れないキーボード」の話を聞こうと思っていたのですが、想像以上でした。毎日使うキーボードをいいものに変えたら、疲れにくくなるどころか、タイピングそのものが楽しくなるのかも……?

 

そして、この記事を書いている最中に、僕のキーボードが壊れてしまいました……。困ったような、それともキーボードを今すぐ買いに行く必要性ができて、ちょっとうれしいような。

 

いいキーボードを買って疲れ知らずになりたい

やっぱり静電容量無接点方式の「REALFORCE」? それとも1万円を超えるくらいのメカニカルキーボード? この際5,000円くらいのメンブレンも悪くない? 

 

これってmiriさんが言っていた「キーボードを探す楽しみ」なのかもしれません。自分にピッタリのキーボードを買って、疲れずバリバリ仕事するぞ~。

著者:斎藤充博

指圧師・ライター・マンガ家などをしています。昼寝とビールが好きです。
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撮影:関口佳代

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