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「快適度」を上げてインドア派な家族もキャンプ沼へ……妻と2人の息子が沼にハマるまでの経緯と「あって良かった」アイテム【キャンプと家族】

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家族とキャンプに行ったときの一枚

こんにちは、ソレドコ編集部です。
キャンプは家族と一緒にハマれる「沼」の一つ。一人の自由時間をとことん堪能できるソロキャンプも良いですが、ファミリーキャンプには誰かと一緒に過ごす楽しさがありますよね。

しかし「あんまりキャンプに興味がない」家族と同居しているキャンパーは、自分がキャンプ沼にハマるあまり、家族と衝突してしまった経験があるのではないでしょうか? ギアにかけるお金、収納場所、休日の過ごし方などなど……。

なんとか説得し続けるのも一案ですが、楽しいキャンプ沼へ家族も引きずり込んでしまえばみんながハッピーになれるのでは……?

というわけで、家族を「キャンプ沼」へ引きずり込んだ先輩たちが、どんな形で家族とキャンプを楽しむようになったかを見ていく連載をスタート! 第1弾はみーこパパさん。家族のために、ひたすら「快適さ」を追求したそうです。

各家庭によって方針はさまざまですし、無理強いは禁物ですが、家族とキャンプを楽しみたい人にとってのヒントがあるはずです。
<目次>

キャンプブログ「ファミリーキャンピング」を運営している、東京在住のみーこパパと申します。趣味の延長で始めたブログでしたが、現在ではWebメディアや雑誌などのライターとしても活動しています。

うちの家族は4人と1匹。私と妻、高校生の長男、中学生の次男、ネコのみーこ。ファミリーキャンプにはネコ以外の4人で行きます。

実はうちの家族、子どもの頃からキャンプが好きだった私以外は、アウトドア好きというわけではありませんでした。特に妻は家が大好き、アウトドアは苦手なインドア派。私の仕事の忙しさもあって、結婚後はキャンプに行くことも全くありませんでした。

みーこは毎回お留守番です
みーこは毎回お留守番です


家族全員が快適なキャンプを目指す

でも私は家族と一緒にキャンプがしたかったのです。

都会で育った子どもたちに自然に触れて学んでほしいという純粋な思いがありましたし、単純に私が楽しみたいという不純な動機もありました(笑)。

今では、家族それぞれがキャンプの楽しみ方を見つけ、私がソロキャンプに行こうとすると「ずるい」と言われるまでになりました。

キャンプに乗り気じゃなかった家族を、私がどうやって「キャンプ沼」に引きずり込んでいったのかを紹介していきましょう。

1. いきなりテント泊はダメ、「キャンプは不便を楽しむ」も無視

インドア派の家族にいきなりテント泊というのは大変です。まずはバンガローやレンタルキャンピングカーを利用し、自然の中で長時間過ごす行為に慣れることから始めました。

キャンピングカーの前での一枚

テーブルやランタンは昔使っていたものがあったので、家族分の寝袋やイスといったテント以外の道具を新たに購入。テントはファミリー向けのものを何度かレンタルして使用し、必要な広さや機能が分かってから購入しました。

「寝袋」を詳しく見る
「キャンプ イス」を詳しく見る
「ファミリー テント」を詳しく見る

いつでもキャンプに行きたい私に対して、家族はそこまで行きたいというわけではありません。

まず「キャンプは不便を楽しむもの」という既成概念を無視して、家族全員が快適なキャンプができることを目指しました。

車は荷物がたくさん載せられるミニバンに乗り換え、便利なキャンプ道具もどんどん購入。配送のお兄さんは毎日来るので顔見知りになり、キャンプ道具は家に収納しきれないほどに増えました。妻に文句を言われることも日常茶飯事に……そのたびに「このアイテムにはどんな機能があって、いかに素晴らしいか」を力説していました。全ては快適なキャンプのためです。

私がフリーランスに転職したことを機に、自由な時間が取れるようになり、家族でキャンプに行ける回数も増えました。この時期にキャンプブログを始め、広告の収益やライターとしての活動で、さらにキャンプへ投資できるように。便利な道具が増えることで、キャンプの快適度は上がります。インドア派の妻と次男も過ごしやすくなり、あまり不満を言わなくなりました。

2. トイレは清潔? お風呂はある? キャンプ場選びのポイント

家族と行くキャンプ場を決める際も、快適度を最も重視して選びます。

キャンプ場の炊事場

  • トイレはきれいか
  • お風呂はあるか
  • 炊事場でお湯が出るか
  • アスレチックはあるか(我が家は次男が遊びます)

といった設備の話に加えて、

  • 景観の良さ
  • キャンプサイト(テントを張る場所、一区画のこと)の広さ

そういった部分の加点で総合的に決定します。朝食サービスがあるキャンプ場もうれしいですね。

秋のキャンプ場

関東圏ですと北軽井沢スウィートグラス、大子広域公園オートキャンプ場グリンヴィラの2カ所が、いろいろな家族向け条件をほぼ満たしていて、家族全員から高評価です。人気があるので、週末や連休の予約がとても取りにくいのが難点ですね。

「キャンプ場 ガイド」を詳しく見る

北軽井沢スウィートグラス:群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢1990-579
大子広域公園オートキャンプ場グリンヴィラ:茨城県久慈郡大子町矢田15-1


3. 挑戦してもらう→褒める→できることが増えると楽しくなる!

キャンプの快適さが上がると、家族のキャンプへのハードルが下がります。そして家族でキャンプへ行く頻度が上がるのです。
キャンプに行く回数が月に1回ほどに増えると、覚えたことを忘れる前に次のキャンプに行けるので、家族それぞれのキャンプスキルが向上します。

私が家族のキャンプスキルを上げるために気をつけていた点があります。それは、子どもには親が口や手を出し過ぎずにひとまず挑戦してもらうことです。もちろん刃物や火など、扱いを誤るとけがをするものは安全な使い方を説明してから、本人にやってみてもらいます。

火の扱いも挑戦してもらう

長男はこのやり方で、自発的にいろいろできるようになりました。撤収日のテント内の片付けと掃除、焚き火など完全に任せられます。次男はもともとの控えめな性格とサボり癖もあって、まだまだ教育が必要です。

大人である妻が一番の強敵で、「連れて来られている客」という意識を改革するところから始めました。ファミリーキャンプは家族全員で協力することが大切と事あるごとに説明して、簡単な仕事から割り振り、うまくできたときは神をあがめるほど大げさに褒めました。

料理をする妻の様子

プライドを刺激することで、今では全く動かずに座っているだけということはなくなりました。料理や食器洗い、テント設営と撤収の手伝いにも能動的に動いてくれます。焚き火も気に入っているようで、薪割りから灰処理まで一人でできるようになりました。

個々のスキルが向上し、設営や火起こし、後片付けなどのスピードが上がって自由に遊べる時間が増えました。できることが増えると楽しくなる、好循環になったと言えます。

4. インドア派の次男には「ゆるキャン△」でアプローチ

さらに、インドア派の次男にはマンガやアニメでもアプローチ。「ゆるキャン△」を一緒に見ています。「ゆるキャン△」に登場する場所や、作品内で語られるキャンプ知識、キャンプ料理などが現実のキャンプとつながったときには楽しそうにしています。

ホットサンドメーカーで肉まんを焼く

松ぼっくりを焚き付け(薪に火をつけるために使う燃えやすいもの)にして焚き火をしたり、ホットサンドメーカーで肉まんを挟んで焼いたり、マンガから得られる知識も決してばかにできません。

「ゆるキャン△」を詳しく見る

家族キャンプを快適に! 「あって良かった」アイテム4選

こんなふうに家族をキャンプに連れていくようになって、「あって良かった!」 と思うアイテムがあります。いろいろ模索しましたが、特に役立ったものを紹介します。

1. ハンマーで薪割り「キンドリングクラッカー」

ハンマーで薪が割れる道具です。薪割りが安全かつ簡単になるので、妻や子どもにも任せられます。ストレス解消にも良いようです。

キンドリングクラッカー

キンドリングクラッカー
刃に薪を置いて、上からハンマーで叩きます。斧で薪割りをすると刃の付いた道具を振ることになりますが、こちらは刃が動かないので、誤って怪我をする可能性が低いです

「キンドリングクラッカー」を詳しく見る

2. 電源のないサイトで大活躍「大容量ポータブル電源」

冬キャンプでは電源が使えるサイトの人気が高くなっていて、予約も取りにくいです。

大容量のポータブル電源

ポータブル電源があると電気毛布を使えるようになるので、電源のないサイトでも問題なし。キャンプ場の予約が格段に取りやすくなりました。外でも電気毛布や扇風機といった家電が使えて、快適度も上がります。

1泊キャンプが多いわが家では、SUAOKIのPS5B容量120,000mAh /400Whを使っています。電気毛布が使えて、スマホやゲーム機を充電しても余裕がある容量です。この機種は終売のようですが、より大容量な商品が多数販売されていますよ。

「ポータブル電源 大容量」を詳しく見る
「電気毛布」を詳しく見る

3. 設営が簡単で室内が広い「DODのタケノコテント」

妻や子どもだけでも簡単に設営できます。室内が広く、なるべく引きこもりたい寒がりの妻と次男は特にお気に入りのテントです。
中心に長い柱を立てるワンポールテントですが、壁際にもポールを入れることですみずみまで天井が高くなっています。

DODのタケノコテント

現行品は「タケノコテント2」にマイナーチェンジしています。

「タケノコテント」を詳しく見る

4. 火の扱い方を学ぶ「焚き火台」

調理に火遊びに、なくてはならないキャンプ道具です。わが家では主にユニフレームの焚き火台ファイアグリルを使っています。

焚き火台ファイアグリル

薪を割り、火を起こし、薪をくべ、拾った木を燃やし、食べ物を焼く。どんな薪をどう積むと長く燃えるか、逆にあまり燃えないのはどういった薪か――など学習にもなると思っています。もちろん大人の監視の下で、子どもにも体験させています。

私が家族全員で使う焚き火台に求める機能は、

  • 寒い時に全員で囲んで暖を取れるだけの大きさがあること
  • 組み立てと後片付けが簡単なこと
  • 多少雑に扱っても良い耐久性があること
  • 炭を使ってBBQも楽しめること

です。ユニフレームのファイアグリルは上記に加えて、価格も安価なので初心者から上級者までおすすめできます。

「ユニフレーム ファイアグリル」を詳しく見る

沼に片足を突っ込んだ家族、「ソロキャンプはずるい」と言うように

振り返ってみると、子ども2人が小学生になって、夏休みの思い出づくりに行ったファミリーキャンプが転機でした。

都会ではあまり見ない虫に少し怖がりながらも、非日常を楽しんでいた子どもたちを見て、自然に触れて自然から学ぶ「自然学習」にキャンプはとても良いのではないか、と気付いたのです。

天候の知識、危ない場所、虫や動植物の種類、火の扱い。都会では知らなくても生きて行けますが、知っていても決して無駄にはなりませんし、災害時などには絶対に役立ちます。それを子どもたちに伝えながら、私自身も好きなキャンプを楽しむことができるチャンスだと考えました。

川で遊ぶ長男と次男

私にとっては「一石二鳥」の動機からスタートしたのですが、今では月1回、家族キャンプはお決まりのイベントになりました。子どもが中学生ぐらいに成長するとキャンプについてこなくなるという話はよく聞くのですが、わが家では全員参加です。

子どもが小さかった頃に比べると、家族全員で一つのイベントを楽しむというよりは、各々がそれぞれの楽しみを見つけていると思います。

妻は、行く先々の新鮮な食材をキャンプで料理して食べるのを楽しみにしています。地場野菜なら、ただ炭火で焼いて塩や醤油を振るだけでもおいしいですよ。

地場野菜売り場

長男は目的地が決まると、ガイドブックやインターネットでその地域の観光地やお土産などを調べています。土地の名物などには、家族で一番詳しいはずです。

次男は毎回「渋々」という感じでついてくるのですが、いざ現地に着くとアスレチックなどで誰よりも遊んで楽しんでいます。ゲームも家で長時間やると怒られますが、キャンプだとあまり怒られないので何本も持ち込んで楽しんでいます。

もちろんずっと勝手に過ごしているわけではなく、家族で料理や焚き火を囲んでのだんらんもあります。これが家族を「キャンプ沼」に引きずり込んで、一番良かったと思う点です。

家族で料理や焚き火を囲んでのだんらん

最近は子どもも成長して思春期を迎えました。家にいるとついインターネットやゲームなどをしてしまい、家族での会話も減ってしまいがちです。私自身もそうだったのでよく分かりますが、年頃の男子は大事なことでも聞かれるまで喋らないケースが多々あります。でもキャンプでは親子の会話も増えます。普段話しにくいことも焚き火を囲むと自然と話せることが多いです。

こうして家族がキャンプを好きになってくれたおかげで(?)私がソロキャンプに行こうとすると「自分ばっかりずるい」と言われるようになってしまいました。前は「勝手に行けば」くらいだったのですが……。これはうれしい誤算でした。

型にハマらなくていい! 家族に合ったキャンプを模索しよう

ファミリーキャンプは家族の成長に合わせて、型にハマらないいろいろな楽しみ方があると考えます。

キャンプ場からの景色

キャンプでは絶対コレ! と毎回決まったことをするのではなく、スマホやゲームをする時間があってもいいし、自然の中で体を動かして遊んでもいい。いつもテントではなく、たまにはバンガローやグランピングで楽をするのもいいと思います。お金をかけなくても楽しめるし、お金をかければより快適に楽しめる、自由なレジャーです。

自分たちに合うキャンプというのは、家族によって全く異なってくるものです。家族みんながハマれるキャンプを模索するのも楽しいですよ!

著者:みーこパパ

北海道出身・東京在住で自営業を営む、アウトドア好きの2児の父。 日本オートキャンプ協会公認オートキャンプ指導者(インストラクター)。ブログ「ファミリーキャンピング」、メディア、雑誌などのライターとして活動中。

ブログ:ファミリーキャンピング
Twitter:@miiko_papa

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