こんにちは。ライターの井口エリです。
リモートワークが進み、オンラインミーティングが当たり前の世の中になっていますよね。筆者はライターという仕事柄、オンラインで取材し、初対面の相手と話すことも多いです。
私自身は今まで「聞こえにくい」と言われたことはないのですが、逆に自分が相手に対して「ちょっと聞き取りづらいかも」と気になったことがあります(相手の声が遠い、ノイズで聞き取れないなど)。もしかして、言われていないだけで自分も「聞こえづらい」と思われているのかも……?
そういえば、声が聞き取りやすいと感じた方はみんなきちんとしたマイクを使っていました。外付けマイクがあればこの問題を解決してくれるのでしょうか……!
しかしいざマイクを買おう! と調べてみても、素人にはなかなか難しい。初めて聞く用語ばかりでメゲてしまいそう……マイク選びって何を基準にどう選んだらいいの??
こんなときは、先人たちの話を聞かせてもらおう! オンラインでの伝え方を試行錯誤してきた3名に登場していただきます。助けて~!!
A-T LOG(エーティーログ)さん
ガジェット好きブロガー。医療機関向けの営業職で、コロナ禍でオンラインMTGの機会が増えたため必然的にマイク沼に……! ブログではピンマイクの比較など、マイクのレビュー記事多数。
おすすめマイク:Shure「MV7」
ブログ:A-T LOG
Twitter:@atlog_com
※順不同
お話を伺ったのは、職業もマイクを使用する環境も三者三様の頼もしい先人たち……!
マイク沼の住民たちによる「おすすめマイク座談会」のスタートです。
▲座談会はZoomで実施しました
今日はよろしくお願いします。
都内の大学で教員をしているアニです、よろしくお願いします。
ブロガーのA-T LOGです。医療機関向けの営業職をしています。よろしくお願いします。
ミュージシャンのBUBBLE-Bと申します。座談会、楽しみにしていました!
皆さん本当にめちゃくちゃ聞き取りやすい! いい音ですね……
※実際にどんな音なのかを確認できる動画もこの後紹介しています
マイクを導入してみてどうだった? 「聞きやすい」と大好評に!
皆さんはマイクにこだわってみて、何か変わりましたか?
あった方がいいというのは理解しているのですが、まだ、本当にマイクって必要? と思っているところもあるんですよね……。
僕の場合、90分という長い時間、オンライン授業で話を聞かせるというのはすごく大変なんですよね。相手の耳をずっと占有するわけですから。
聞く側のストレスをどれだけ減らせるかと考えたときに、やっぱり音が悪いよりは良い方がいいだろうと。
模索し始めてマイクをいろいろ試しました。いい音質になって学生から好評価です。
僕は営業なので、ガサガサとノイズが入る中、「気持ちを込めて売ってます」と言うよりも、クリアな音で商談をした方が心が伝わりやすいんじゃないかと思ったんですよね。
マイクを替えたら社内から「聞きやすい」と好評ですよ。営業先のお客さんからも「すごく音が良かったんだけど、画面に映ってるのはマイクですか?」と聞かれたこともあります。
周りからいい評価が返ってくるのは、選んだかいがありますね!
もう一つメリットを挙げるなら、有線マイクだとつながっている安心感があります。
もともとはワイヤレスイヤホンに付属しているマイクなどを使いながらミーティングに参加していたのですが、ある日、Bluetoothの接続ができない事件があって……。
うわあ、ヒヤッとするやつ……!
めちゃくちゃ焦りました。そのときにちゃんと環境を整えた方がいいと思い、有線マイクも含めていろいろ試して、現在まで「沼」にハマっているような状況ですね(笑)。
私はミュージシャンなので、もともとマイクは録音機材としてなじみ深いです。
視聴者の立場になって考えると、良い音質で残っていた方がいいですよね。後からでも聞きやすい。
用途に応じて複数のマイクを使い分けていますが、リモートでの簡単な打ち合わせの際には、ウェブカメラについてる付属マイクで済ませることもあります。
マイクにこだわりがあるのに、普段はウェブカメラの付属マイク! どうしてですか?
机が狭いのでできるだけコンパクトな構成にしたくて、「言ってることがとりあえず伝わればいい」というミーティングでは、正直ウェブカメラ付属のマイクを使ってしまうことがほとんどです。
ただもちろん、こういうオンライン対談とか、配信されるもので音質にこだわりたい場面では良いマイクを使うようにしています。
手軽に音を良くしたい人はこれ。コスパのいい初心者向けマイクを3名が推薦
相手に対しての「おもてなし」という意味でも、マイクはやっぱり何かしら買おうという気持ちになりました。
これまでずっとスマホに付属していたイヤホンで対応してきたのですが……。私のような初心者におすすめのマイクはありますか? 価格やコスパも気になっています。
この企画をいただいたときから初心者におすすめのマイクを考えてまして、僕がいいと思うのはMAONO(マオノ)の「AU-GM10」というマイクです。
- 値段:6,300円前後
- 接続:USB接続
- マイクの種類:コンデンサーマイク
- 特長:周囲のノイズの混入を抑制し、クリアな音声入力を実現。マイク入力を一時停止できるミュートボタン付き。
マイクは大きく分けるとコンデンサーマイクとダイナミックマイクというものがあるんですが、そのうちのコンデンサーマイクに分類されますね。
- コンデンサーマイク……マイクへの電源供給が必要。感度が高く、繊細で細かい表現が可能。振動に特に弱いのでノイズを拾いやすい。価格は比較的高い。
- ダイナミックマイク……マイクへの電源供給は不必要。感度が低いためマイクを近づけないと音を拾えないが、使いやすい。価格は比較的安い。
変わった形!
グースネックと呼ばれるもので、机の上に置いて使います。
▲なんとアニさんはこの座談会のためにグースネックマイクをわざわざ購入してくれました!
USB接続ができるので、初心者でも使いやすいんじゃないかと。
手元のスイッチでミュートもできます。普通に聞ける音ですし、実売6,000円台でこれならいいなという見解です。
- グースネック……ガチョウの首のように湾曲したもの。
実売で6,000円台~というのはうれしいですね。
僕の好みと合わない点を一つ挙げるなら、「モニタリング」といってリアルタイムで自分の声を聞く手段がないこと。僕にとってはすごく大事なポイントなので。
そこを重要視しない人なら、グースネックは見え方もあまり大げさにならないし、お値段的にもお手軽でいいのかなと思います。
マイク選びでは口とマイクの距離間が大事ですが、グースネックは一定に保ちやすいんです。
口とマイクの距離間! 意識したことがなかったです。
それでいうと、井口さんが今使われているイヤホンマイクも、ある程度一定の位置を保てるので実はいいんですよ。
そう、実は悪くない。例えばパソコンの内蔵マイクだと、どうしてもマイクと口元が離れてしまうので。それと比べるとずっといいです。
スマホ付属のイヤホンマイクも意外と悪くない……?
僕も最初はスマホ付属のイヤホンマイクでしたね。
僕が5,000円前後で考えたマイクは、市場でかなり増えているゲーミング用のマイク。
ごついヘッドセットだと抵抗がある人もいるかもしれないので、カナル型でブームマイクがついてるものをセレクトしました。
その中でも音質がいいSteelSeries(スティールシリーズ)の「Tusq(タスク)」。マイク着脱式のゲーミングイヤホンですね。
- 値段:5,200円前後
- 接続:3.5mm接続
- 特長:イヤホンに備え付けられたビルトインマイクと着脱式ブームマイクのデュアルマイクシステムを採用。ブームマイクでクリアな音声入力が可能。耳かけデザインで安定した装着感がある。
- ゲーミングイヤホン……ゲームプレイに特化したイヤホン。
- カナル型イヤホン……耳栓型のイヤースピースを耳の中に入れるようにして装着するイヤホン。
- ブームマイク……長い棒の先端にマイクを取り付けたもの。
ゲーミングイヤホン!
そこまで難しくなさそうなイメージのせいか、導入のハードルが精神的にかなり下がります。
SteelSeriesというメーカーはゲーミングデバイスを作っていて、マイクの音質がいいなと思ったんですよね。
ブームマイクは着脱もでき、5,000円程度のゲーミングイヤホンの中ではかなり高性能です。ゲームの配信者からも好評のイヤホンですね。
USBではないですが3.5mm接続なので、初心者でも使いやすいんじゃないかと思います。
- 3.5mm……イヤホン端子などと呼ばれることもある。一般的なパソコンにはだいたいこの差込口がある。
普段イヤホンマイクに親しんでいるので、デザイン的にもすんなり移行できそうな気がします。自分にもできそう感!
私も考えてきたんですが、明確な答えが出たわけではないです。アニさんのグースネックが自分も気になるなぁと(笑)。
紹介するのは、マランツプロの「888M」というモデルです。
- 値段:8,500円前後
- 接続:USB接続
- マイクの種類:コンデンサーマイク
- 特長:広い周波数特性と低ノイズ設計。高速でアナログ信号からデジタル信号に変換可能。堅牢なデザイン。
皆さん、この座談会のために選んできてくれたんですね(感謝)。
マランツプロの「888M」は、この後に紹介するマイク「PC-Me」のOEM(※メーカーが他社ブランドの製品を製造すること)であり、USB接続のモデルなんです。
USB接続はありがたいですね。
おそらくマイクの中身自体は私が普段使っているものと同じだと思うので、音質も間違いないんじゃないかと。
もう一つ、マイクではないのですが別の切り口を。録音機器などを出しているZOOM(ズーム、※オンラインミーティングツールのZoomとは異なる)というメーカーが日本にあります。
小型のICレコーダーを出してまして、一番最下位のモデルがZOOMの「H1」という機種で、7,000円台から。
- 値段:8,000円前後
- 接続:USB接続
- 特長:ポケットに入るサイズのハンディレコーダー。コンパクトなボディに本格的なXYステレオマイクを搭載している。「H1」は生産完了、現行品は「H1n」。
ICレコーダー?! 職業柄すごく使いますし気になります。
マイクじゃないのにおすすめできるポイントとは……?
私はZOOMのこのシリーズが結構好きで「H2」「H4N」を持っているのですが、何が良いかというとUSB接続ができてオーディオインターフェイスになるんです。
- オーディオインターフェイス……マイクや楽器とパソコンをつなぐための機器。アナログ音声信号をパソコンで取り扱うことのできるデジタルデータにする。
つまり、「H1」に付いているコンデンサーマイクはそのままUSBマイクになるんです。もちろんICレコーダーなので、インタビューを録音するときにもSDカードを入れて使えます。
プラスワンの用途で使いたいときにおすすめですね。
私が制作しているポッドキャストの相方もZOOMのレコーダーを使っています。お互いに手元で録音した音の調整を後から行うのですが、しっかり録れているなあと。いいですよねこれ。
井口さんはインタビューを録音する機会があると思いますけど、そのときにも使えますね。
マイクとしてもレコーダーとしても使えるのは便利ですね。
どのマイクもそれぞれ違って魅力的で、逆にどれを選べばいいか分からなくなってきました……!
初心者もやっぱり固定できるマイクから入った方がいいんでしょうか?
本当にどこで使うかですよね。ご自宅で仕事場があるなら固定できるマイクがいいでしょう。
職業柄、移動が多くて決まった場所で仕事できないなら固定したマイクは使いづらい。接続が簡単なUSBや3.5mmで、その中で音のいいものを選ぶ感じですかね。
いろいろ試してみればいいのではないでしょうか。なんぼあってもいいですからね、マイクは(笑)。
一つ言えるのは、いい音質だなと思わせたいなら、めっちゃ小さいサイズのマイクは厳しいかなと。ある程度の大きさがあるマイクだと豊かな音域を拾えるんです。
- 接続が簡単なもの(USB接続 or 3.5mm接続)を選ぶ
- 口とマイクの距離間が一定になるか確認する
- 自分の仕事のスタイル(自宅の仕事場 or 外での作業や移動が多い)に合っているか確認する
- 良い音質だと思わせたいなら、ある程度の大きさがあるマイクを選ぶ
- MAONO「AU-GM10」(6,300円前後):USB接続、口とマイクの距離を一定にしやすい
- SteelSeries「Tusq」(5,200円前後):3.5mm接続、マイク着脱式のゲーミングイヤホン
- マランツプロ「888M」(8,500円前後):USB接続、「PC-Me」のOEMで音質が良い
- ZOOM「H1」(8,000円前後):USB接続のマイクとしても使えるICレコーダー
3名がたどり着いた「ベストマイク」はこれ! 推しポイントを語り合う
今度は皆さんが使っているマイクについて教えてください。リモートワークの環境に課題があって、それを解決したのが現在のマイクなわけですよね。
参加者3名が使っているマイクの「聞こえ方」と推しポイントを動画で確認できます!
座談会に使ったWeb会議ツールはZoomです。
僕が使っているのは、Shure(シュア)の「MV7」というモデルです。
- 値段:3万5,200円前後
- 接続:USB接続、XLRケーブル接続
- マイクの種類:ダイナミックマイク
- 特長:環境音を拾いにくい。USB出力とXLR出力の両方を装備し、パソコンにもオーディオインターフェイスにも接続可能。本体タッチパネルで音量などをコントロールできる。
Shureはイヤホンなどで非常に有名なメーカーで、個人的に好きな音響メーカーです。
▲左:タッチパネルで操作、右:モニタリング音量の調整ができる
- タッチパネルでボリュームを調整できる
- 3.5mmのイヤホンジャックが付いている
- 自分の声のモニタリング(リアルタイムで自分の声を確認すること)もできる、さらに他の方の会話もそこから聞ける
などお気に入りポイントはたくさんあります。
一番のポイントは「ダイナミックマイク」だということです。
ダイナミックマイクはどんな特徴があるんでしょう?
今、自宅の書斎から話していますが、ドアの先には家族がいて、6歳と3歳の男の子が走り回っているんです。
ですけど、その音はほとんど聞こえなかったんじゃないかなと思います。
物音は全く聞こえませんでした(これは本当に。ちなみにA-T LOGさん以外の方も物音は全く聞こえなかったです)。
ノイズをあまり拾わないのが、ダイナミックマイクの一つの特徴。
今回、アニさん・BUBBLE-Bさんはコンデンサーマイクを使用されていますけど、コンデンサーマイクって非常に繊細なんです。子どもの走り回る音も拾ってしまう。
「環境音をできるだけ入れたくない」という点にこだわって、ダイナミックマイクを探し始めました。
ダイナミックマイクというのに加えてもう一つポイントがあって、それがパソコンとUSB接続できるという点です。
USB接続で使えるというのは便利ですよね。
オーディオインターフェイスをかませるマイクはパソコンに何かしらのソフトウエアをインストールしなければいけません。
でも会社支給のパソコンで、セキュリティが厳しい場合、「外部のソフトウエアを入れてはいけない」という問題があるんですよね。
▲A-T LOGさんの「MV7」の設置方法
USB接続の「MV7」はパソコンにマイクだけで接続可能なので、自宅のパソコンでも社用パソコンでも使う自分には合っていると思います。
僕のやりたいことが全てできている。これに出会ってからマイクを探さなくなりました。
僕も研究室ではA-T LOGさんと同じShureの「MV7」を使っています。
このマイクは特別、背景ノイズを拾いにくいというポイントがあります。
研究室の机の真上には換気扇があって、結構激しい音を立てているんですが、それでも全然大丈夫。他のマイクではなかなか味わえないくらいすごいですね。
皆さん、おすすめマイク以外にも複数使い分けしてるるんですね。さすがマイク沼の住人だ!
アニさんが現在使用されているのはどんなマイクですか?
僕が使っているのは、Audio-Technica(オーディオテクニカ)の「AT875R」。
ショットガンマイクというもので、これもコンデンサーマイクに分類されますね。
- 値段:2万4,000円前後
- 接続:XLRケーブル接続
- マイクの種類:コンデンサーマイク
- 特長:不要な音を効果的に抑え、目的音源を捉える鋭い指向性。コンテンツ制作や放送などの収音に最適な音響デザインとなっている。
三脚でテーブルに乗せ、XLRケーブルでオーディオインターフェイスにつないで音を出しています。
これを使っている理由の一つは指向性の鋭さですね。
- XLRケーブル……音響機器同士を接続するケーブル。直接パソコンに接続できないのでオーディオインターフェイスに接続する必要がある。
- 指向性……マイクがどの方向から音を拾うかという特性のこと。マイクには全方向の音を拾う「全指向性」、正面の音をよく拾う「単一指向性」がある。
「指向性の鋭さ」って、具体的にはどういうことですか?
僕はオンライン授業を自宅の机の上で行い、iPadの画面を見せたり、画面を切り替えたり、キーボードを叩いたりを頻繁に行います。
普通のマイクだとキーボードの打鍵音を拾ってしまいますが、指向性の鋭い「AT875R」は一定範囲の音しか拾わないので、打鍵音は入らないんです。
▲アニさんの「AT875R」の設置方法
大きさもそこまで大きくない。音も素直で全般的に使いやすい。自分の環境にはこのマイクが一番良いという結論になりました。
良いマイクであることはもちろんですが、自分の部屋の環境とマイクの相性という視点もあるんですね。
そうですね。使用環境によって良いマイクは変わると思います。
例えば、僕はごついマイクを画面に映したくない場面では、RODE(ロード)の「NT5」という別のマイクを上から吊って対応しています。
メインのマイク以外にもサブを用意して、用途に合わせて変えていますね。
僕もショットガンマイクを試したんですけど、自分の環境にはイマイチ合わなかったんですよね。
アニさんが褒めている「指向性の鋭さ」があるので、口の位置をある程度一定にしておかないといけない。僕はマイクの位置を途中で変えながら商談することがあるので、口の位置を一定にする必要があるショットガンマイクは使いづらく、フィットしませんでした。
どういう環境で使うかがはっきりしないとマイク選びは難儀するんだろうなと。
BUBBLE-Bさんが使用されているのは?
私はSEIDE(ザイド)の「PC-Me」を15年使っています。
音質が重要な仕事のときにセッティングするコンデンサーマイクです。
- 値段:1万4,200円前後
- 接続:XLRケーブル接続
- マイクの種類:コンデンサーマイク
- 特長:キュートなデザインと本格的なサウンドで手軽に使える実力派。コンパクトなボディは取り回しがいい。
15年も! コスパ良過ぎでは!!
コンデンサーマイクは感度が鋭いので、ちょっとの振動でもノイズが入り、繊細で面倒くさいんですよ。
▲BUBBLE-Bさんの「PC-Me」の設置方法
でも、音楽向け・レコーディング用だと、ボーカリストの細かいニュアンスまで伝えてくれるコンデンサーマイク一択。
音質がより重要になる場面ではコンデンサーマイクがピッタリなんですね。
……だったのですが、ライブとかで使われるすごい頑丈なマイクでShureの「SM58」という定番のダイナミックマイクがあって。通称「ゴッパチ」と呼ばれてるんですけど。
配信で使ってみたらめちゃくちゃいい感じの音になりました。
これなら家でも良い感じの音になるんだなと思いました。
おお、またもやShure!
ただ、コンデンサーマイクに比べるとダイナミックマイクはずっと感度が低いので、マイクを常に口に近づけていなければならないという弱点があるんです。
なので、A-T LOGさんのように決まった仕事場があって、マイクを固定できる環境を作れる人にはダイナミックマイクはいいと思いますね。
- Shure「MV7」(3万5,200円前後):USB接続できるダイナミックマイク
- Audio-Technica「AT875R」(2万4,000円前後):指向性の鋭いショットガンマイク
- SEIDE「PC-Me」(1万4,200円前後):手軽に使える実力派コンデンサーマイク
- RODE「NT5」(2万9,700円前後):ペンシル型のコンデンサーマイク
- Shure「SM58」(1万6,800円前後):通称「ゴッパチ」、定番のダイナミックマイク
マイクのその先へ。音質をさらに極める周辺ツールも教えて!
マイク以外に音質を高めるために購入したツールはありますか?
去年YouTubeのトーク番組を全100回放送したんですよ。
良い音質で残したいので、ボーカル録音用のマイクと音楽用のオーディオインターフェイスを使いました。
マイクの前にはポップガードを置いていましたね。
破裂音がマイクに当たると音が一瞬割れてしまいますが、ポップガードはそれを防ぐためのもの。準備したことで、かなりきれいに録音できたのではないかと思います。
本当に音にこだわるときは、がっつりこだわっている感じですね!
今さらなんですが、皆さんが口にしている「オーディオインターフェイス」ってそもそも何をするもので、あると何がいいんでしょう?
マイクや楽器をPCにつなぐための機器で、音量や音質を調整できます。
マイクだと、手元で音量調節できたり、自分の声をリアルタイムでモニタリングできたりします。
初心者でも使えるものでしょうか……?
マイクをつないで、USBに差し込むだけなので機械としてはそんなにややこしくないです。モノによっては電源を入れるだけですね。
ややこしくはないけど、マイクの感度をちょうどいいところに調整するために、何回かテストする必要があります。
USB接続の場合、マイクの感度はUSBに差した状態で決まるので、調整できないことが多いんですね。
オーディオインターフェイスを通すことで、自分で感度をコントロールできるのですごく便利です。
初心者におすすめできるオーディオインターフェイスは、YAMAHA(ヤマハ)の「AG03」というモデル。
音楽にも配信にも使えて、ミキサーとしても有名です。
これすごくいいです。初心者にもいいと思います。
テレワークが増えたときにバカ売れして、一時期品薄になっていました。これ一台あれば大抵のことはできるんじゃないかと。
ゲーム配信される方もよく使っているオーディオインターフェイスで、使い方を紹介する動画もYouTubeにたくさん上がっています。
モノだけ見るとすごく難しそうに思っちゃうんですけど、初心者にも使いやすいんですね…!
今日からすぐ使える! オンラインミーティングのためのTips
マイクと周辺ツールについてはここまででよく分かりました。
そのほかにオンラインミーティングで使えるノウハウ・ハウツーがあれば教えてください! 「これだけはした方がいい」豆知識があるとうれしいです。
自分の声を自分で聞いてみるというのは大事ですね。
Zoomなら一人でミーティングを立ち上げて録画できるので、ちょっとずつ条件を変えてテストしていました。
意外とやってない人多いんですよね。
Zoom自体にノイズリダクションが強くかけられているので、自分の声がどれくらいの音で聞こえているかを確認した方がいいと思います。調整するとかなり音が変わりますね。
- ノイズリダクション……音声や映像などといった信号に含まれるノイズを抑圧・軽減すること。
僕の場合は自分の授業やポッドキャストを聞き直しましたね。
最初は自分の声を聞くのに抵抗がありましたが、次第にどこを工夫したらどう聞こえ方が変わるか、ということが分かってくるようになりました。
私はZoomの事前チェックを必ずしています。
Zoomの「設定」 > 「オーディオ」から「マイクのテスト」を押すと、自分の話した声でレベルメーターが動いて、その後自分の声が返ってくる機能があるんです。
自分の声がどういう状態で録音されているか分かるのですが、大事なのは「音量」なんです。たまにZoomで音量が小さい方っているじゃないですか?
小さくて聞こえにくい方いますね……。
事前テストをすることでそれを防ぐことができます。
一対一で相手の声が小さい場合、自分のスピーカーの音量を上げればいいんですが、複数人で一人だけ小さい場合だとどうしようもないんです。
そうならないように、必ず設定から「マイクのテスト」をした方がいいですね。
▲「オーディオ」 > 「マイクのテスト」を!
不快感を与えないように自分の音をチェックすることは、相手への「おもてなし」にもつながりそうです。
もう一つ。Zoomのデフォルト画面の下にカーソルをオーバーさせると下からメニューバーが出てくるじゃないですか。
そのメニューバーの中にマイクのアイコンがあって、それで音がどのように入っているかリアルタイムで情報が見れるんです。これは常に見えている設定にした方がいいですよ。
「設定」 > 「一般」 > 「ミーティングコントロールを常に表示」でできますので。
▲下のバーが「ミーティングコントロール」。 常に表示させて、赤丸で囲ったマイクをチェック!
初めて知りました。ちゃんと設定しておきます!
以前、ちゃんとしたマイクにつないでいるのに、Zoomの設定で、実はパソコンの内部マイクになっていたんです。
一応パソコンの内部マイクも声は拾ってくれるので、やっている間は意外と分からない。後から録画を見て、音の悪さに気付くんですよね。
それ私もありました。去年2、3回それをやってしまって……。終わってからがくぜんとするんですよね。泣きたくなる。
対策ですが、原始的ですけど、使っているマイクを軽く「ポンッ」と弾いて、マイクアイコンのメーターが動いているか確認する。それを毎回必ずするようにしました。
自分の環境に合ったマイクと、マイクから口への距離間、それに事前準備とマイクのチェック。これでオンラインミーティングが得意になりそうです。
きょうはありがとうございました!
マイクは「なんぼあってもいい」、まずは気軽に1本買ってみよう
マイク、やはりうすうす感じていましたが「沼」でした。
下は数千円のものから上は数万円(プロ用だと数百万円)と幅のある中、皆さんが自分の環境や使用用途に合わせて見つけたぴったりのマイク。プレゼンされて物欲が刺激されました。
筆者にも、そんなぴったりのマイクとの出会いがあるのでしょうか……?
ただ一つ言えることは、座談会でアニさんがおっしゃった「マイクはなんぼあってもいいんですよ」という言葉が勇気を与えてくれました。別に、一つに絞らなくてもいいんだ……。
これからもリモートでの仕事の機会は完全になくならないでしょう。
そんなときに困らないよう、参加者の皆さんがおすすめしてくれたマイクを中心に、いろいろ試してみて、用途に合わせて複数使い分けてみてもいいのではないでしょうか。
なぜなら、マイクはなんぼあってもいいですからね。
ゲーム好きの私はゲーミングマイクから選んでみようかな。こうして人は「沼」にハマっていくんですね、きっと。
マイクを変えると聞こえ方がこんなに変わる! 実際の音質をチェックできる動画もぜひいっしょにどうぞ。
「マイクの指向性ってこういうことか!」「こだわりマイクとウェブカメラ付属マイクだとこんなに違うのか!」が分かって、あなたもマイク沼へ誘われてしまうかも……!
リモートワークの環境を整えよう
著者:井口エリ
オタク気味のサブカルフリーライター。街歩きと神社とフィギュアが好きで宝石鑑定士の資格を持っている。さまざまなWEB媒体で記事執筆中。ブログ:雑なにっき
Twitter:@chip_potekko
ソレドコでTwitterやってます!
今回紹介した商品
「MAONO AU-GM10」を詳しく見る
「SteelSeries Tusq」を詳しく見る
「ZOOM ICレコーダー」を詳しく見る
「Shure MV7」を詳しく見る
「Audio-technica AT875R」を詳しく見る
「SEIDE PC-Me」を詳しく見る