どうも、はじめまして。あいなも( @ainamo )と申します。よろしくお願いします。
わたしは全国各地の地サイダーをレビューし、『全日本地サイダー名鑑』という同人誌を作成しています。この活動は、なんだかんだ12年ほど継続していまして、これまでに600本ほど飲んできました。毎年平均50本は飲んできたことになりますね……。我ながらビックリです。
制作した同人誌『全日本地サイダー名鑑2020』。本誌では26種の地サイダーをレビューしています
今回、日本各地の素晴らしい地サイダーをご紹介しにやってまいりました。みなさんも観光地などで地サイダーを見かけたことがあるかもしれませんが「サイダーなんてどれも同じだろう」なんて思っている人も多いのではないでしょうか。ところが実際に飲んでみると一本一本かなりの違いがあります。味はもちろんのこと、材料、コンセプトなど本当に多種多様です。
昨今では「クラフトビール」というジャンルはすっかり定着しましたね。加えて「クラフトコーラ」や「クラフトジン」なども近年では流行しています(ちなみに「クラフトコーラ」はわたしもつくったことがあります)。
▼「ソレドコ」にはこんな記事もあります(編集部より)
クラフトコーラって何? おいしいの? マニアにおすすめクラフトコーラ聞いてみた
そんななかで、「地サイダー」は100年以上前から日本全国各地で楽しまれており、今なお毎年夏頃になると新作が次々と発表されているという、ある意味この「クラフトドリンクブーム」の元祖とも言える存在なのです。
「クラフトドリンク」が盛り上がっている現在だからこそ、是非歴史の長いクラフトドリンクである「地サイダー」の魅力を、皆様に少しでもお伝えできればと思います。
さて、さっそく地サイダーを紹介していくわけですが、地サイダーの世界はあまりにも多様です。そこで、今回はそれぞれの特徴を分かりやすくするために
- スタンダードなサイダー
- 名産品を使ったサイダー ~おもしろ~
- 名産品を使ったサイダー ~王道~
- 地サイダーで有名な2大有力メーカーのサイダー
と、大まかに4つのジャンルにわけさせていただきました。計20種の地サイダーです。好きなところから読んでいただければと思います。
「スタンダードなサイダー」
- 鎌倉サイダー
- 龍泉洞地サイダー
- 郡上八幡天然水サイダー
- さんてつサイダー
- 津堅島にんじんサイダー
- 富山ブラックサイダー
- 牛たんサイダー
- 鹿サイダー
- 播州福崎 河童サイダー ゆず味
- 長州地サイダー夏みかん
- 桑の実サイダー
- のだ塩サイダー
- 司菊酒造 すだちサイダー
- 金沢湯湧サイダー 柚子乙女
- 赤富士サイダー
- ローズサイダー
- 完熟トマトサイダー
友桝飲料
- 謹製サイダア 清酒風
- 夕張メロンサイダー
- カステラサイダー
- 素材度……素材そのものを感じられるか。あるいは特別な素材を使っているか。
- 地元度……地元に密着した素材や製法を使っているか。
- マニア度……一般的な感覚におもねらない独自性があるか。
スタンダードなサイダー
まずはスタンダードな地サイダーから紹介します。スタンダードでプレーンなサイダーなんて、どれもこれも味が一緒だと思いますよね? それがまたいろいろ違いがあるものなんですよ……。鎌倉サイダー(神奈川)
最初に紹介するのは、わたしが地サイダー沼にハマる原因となった「はじまりの地サイダー」のうちの1本「鎌倉サイダー」です。
製造は鎌倉ビール醸造株式会社さんでして、その名の通り、有名なクラフトビール「鎌倉ビール」を醸造されている会社が製造されている地サイダーです。
原料にシチリア産レモンの果汁を使用しているため、甘みとともにすっきりとしたレモンの風味が感じられます。コロナ禍では難しいかもしれませんが、鎌倉を散策しながら飲みたくなるおいしい地サイダーです。
「鎌倉ビール」を詳しく見る
龍泉洞地サイダー(岩手)
日本三大鍾乳洞の一つで、国の天然記念物にも指定されている岩手県の「龍泉洞」の水は、その環境から世界でも有数の透明度を誇ってます。
その天然水を使用してつくられたのが「龍泉洞地サイダー」です。サイダーらしい甘い香りと、抑え目な味付けと、控えめの炭酸から、一息にゴクゴク飲めてしまうサイダーに仕上がっています。
郡上八幡天然水サイダー(岐阜)
「水の城下町」として名高い岐阜県郡上八幡の地サイダー「郡上八幡天然水サイダー」です。
郡上八幡の天然水は石灰岩質の地形で磨かれているためにミネラルが豊富。そんな天然水で仕込んだ地サイダーはまろやかな喉越しでありながら甘みは強めとなっています。
この地サイダーのキャッチフレーズは「踊る炭酸」。ここから強めの炭酸をイメージされる方も多いと思いますが、実際は微炭酸になっています。踊りは踊りでも激しいよさこいではなくしめやかな盆踊り。そんな感じです。
さんてつサイダー(岩手)
岩手県の三陸海岸沿いを走る三陸鉄道。朝ドラ「あまちゃん」のモデルになったこともあり有名な鉄道ですが、地サイダーともコラボしていました。それがこちらの「さんてつサイダー」です。
鮮やかなブルーのガラスを使ったボトルは地サイダーのなかでは珍しいですね。ラベルに描かれたイラストは岩手県を代表するイラストレーター「オガサワラユウダイ」さんのデザイン(岩手県の公式PRキャラクター「わんこきょうだい」をデザインされている方です)。
地サイダーとしては、ボトルから受ける印象通りのさわやかな風味。ほどよい甘さと炭酸のキリリとした刺激が心地よい仕上がりです。
名産品を使ったサイダー ~おもしろ~
各地域の名産品を使ったサイダーです。ただし紹介するのは、なんでそれとサイダーを合わせようと思ったの!? とびっくりするような組み合わせのもの。タイトルに付けた ~おもしろ~は伊達ではありません。
なお、前半の3つは「サイダーにこの素材を使うか!」というおもしろ。後半の2つは「なんでこんなネーミングに?」というおもしろとなっております。
どんなジャンルにも突飛な商品は少なからず生まれるものですが、地サイダーはそんな商品が多い気がします。正直なところ、なかには飲むのに勇気が必要なものも……。今回はせっかくの機会ですから、地サイダーのそんな側面も知っていただければと思います。
津堅島にんじんサイダー(沖縄)
沖縄県の「津堅にんじんサイダー」です。実は、にんじんを使った地サイダーは全国に割とあるのですが、なかでもこだわりの強いこちらを紹介です。
沖縄県の津堅島は別名「キャロットアイランド」と呼ばれるほどのにんじんの産地だそうです。この津堅にんじんは通常のにんじんよりもぐっと甘く、高級食材としても知られています。
そんな津堅にんじんですが、高級食材として流通するため規格が厳しく、多くの規格外品が出てしまうそう。それを有効活用したのがこのサイダーです。
にんじんの根菜っぽさに加えて、使われているシークヮーサー果汁の酸味が感じられる後味となっています。クセが少ないので、にんじんジュースが苦手な方もこっちはイケるかも?
富山ブラックサイダー(富山)
富山県の有名なラーメンである「富山ブラックラーメン」をイメージした「富山ブラックサイダー」です。サイダーつくるのになんでラーメンをイメージしちゃったんですか……。
「富山ブラックラーメン」とは、醤油ベースの真っ黒いスープが売りのご当地ラーメンでして、それをイメージしてつくったサイダーは当然真っ黒なサイダーなのです。なんだってこんなことを。
香りはまあ普通のサイダーかな……? と思いつつ、どちらかというとコーラに近い気もします。味はサイダーの甘さが3割、残り7割が醤油の風味に占められています。いや冗談でなく。そして襲いくるコショウの後味。何これ辛い。ピリピリします……。
公式サイトによると、「10人飲めば“3人”はハマります!」とのことですが、確かにそのぐらい人を選びそうなサイダーです。
牛たんサイダー(宮城)
宮城県の地サイダー「牛たんサイダー」です。ラーメンでもう攻めてるなぁって感じだったのに、牛タンって。牛タンは大好きなわたしですが、サイダーになってしまうとちょっとこれは……率直にいって飲むのに勇気が必要でした。
まず、香りがすごいです。レモンの香りに隠れるように、ほのかに肉の焦げたような香りがします……。この香りで甘いの? 本当に? 味は、うん、確かにレモンの風味とともに牛タンの味がします。
サイダーなのに肉の味がするってすごいインパクトですね。こんな体験ができるのも、地サイダーの楽しみの一つであることは間違いありません。
鹿サイダー(奈良)
奈良県の「鹿サイダー」です。ここまでの流れだとこのサイダーに鹿が使われているやも! と戦慄するわけですが、当然そんなわけはありません。
実際は、柿を発酵させて作る調味料「柿酢」風の味わい。柿の甘さがふわぁっと広がるなかに、確かにお酢の気配がほんのり感じられます。全体的にフルーティな仕上がりのおいしいサイダーです。ビタミンCも豊富に含まれているのがうれしいですね。
ちなみに、なんで柿酢味なのかというと、奈良は全国2位の柿生産量を誇るのだとか。ちゃんと地元の名産品だったんですね。
播州福崎 河童サイダーゆず味(兵庫)
ラベルの河童が問答無用で尻子玉狙ってきそうで、夢に出てきそうなほど怖いこちらの地サイダーは、兵庫県の「河童サイダー」です。
ラベルの河童はイラストではなくて、写真です。兵庫県福崎町の辻川山公園の池には、モデルの河童の人形が存在しています。この河童が1時間に4回、定期的に池から現れるそうです。知らずに出くわせばトラウマ間違いなしですね。一度見に行きたいですが、たそがれ時は避けたいところ。
さて、なんで兵庫で河童なんだ……? と疑問を持ったので調べてみました。この福崎町は民俗学者・柳田國男の出生の地とのこと。回顧録『故郷七十年』に「ここに河童がいる!(意訳)」というように書かれていたことから「河童がいる池」が名所になっております。
肝心の味ですが、兵庫県産のゆずのしっかりとした酸っぱさが刺激的で、さっぱりとした味わいのサイダーです。
名産品を使ったサイダー ~王道~
おもしろを先に紹介してしまいまいしたが、王道ももちろん存在します。「その組み合わせなら確かにうまい」と納得するサイダーばかりです。
柑橘類を使ったサイダーが多い傾向にあります。日本各地に名産品となる柑橘類が多く存在するのに加えて、地サイダーとして考えたときに相性がいいからなんでしょうね。
長州 地サイダー 夏みかん(山口)
こちらは山口県産の夏みかん果汁を使用した「長州地サイダー 夏みかん」です。
夏みかんが使われているということで、さっぱりとしたキレのある仕上がりになっています。容器が瓶ではなくアルミボトル缶というのも、地サイダーにしては珍しいですね。
なお、ボトルに描かれているのは、山口県を代表とする幕末の志士、吉田松陰と高杉晋作です。スタイリッシュにデザインされていて、なかなかおしゃれ。
ただ、昔のデザインは某スナイパーマンガの主人公みたいな顔した「長州藩士」が描かれていました。現在とは方向性がかなり違っていますが、あれはあれでいいものでした。
桑の実サイダー(島根)
桑の実って知っていますか? 桑の木になる赤や濃い紫をした果実です。英語では「マルベリー」とも言われていますね。島根県江津市には広大な桑畑があり、その桑の実をふんだんに使用したのが「桑の実サイダー」です。
個人的には、通学路沿いに生えてる桑の木からもいでモグモグしながら帰った小学生時代が思い出されます。基本的に甘酸っぱくておいしいんですが、たまにハズレを引くとものすごく酸っぱいんですよね、あれ。
香料・着色料を使用していないこちらは、後に残らないさっぱりした甘さがおいしいサイダーです。
のだ塩サイダー(岩手)
岩手県からは先ほどの「さんてつサイダー」に加えてもう1本「のだ塩サイダー」を紹介します。
岩手県野田村の名産品である「のだ塩」は、汲み上げた海水を薪窯でじっくり煮詰める「直煮法」で作られるため、ミネラルが多くまろやかな口あたりが特徴です。そんな「のだ塩」を使ったこの地サイダーはマイルドに仕上がっていて、塩サイダー特有のまろやかな甘みが身体に染みこんでいくのを感じます。
「道の駅のだ」では、この地サイダーを使った「のだ塩サイダーフロート」が売られているそうです。絶対おいしいやつなのでいつか食べてみたいですね。
司菊酒造 すだちサイダー(徳島)
徳島県の地サイダー「すだちサイダー」です。
四国山系と吉野川に囲まれた徳島県西部・美馬地方で、古くから水にこだわった酒づくりを継承してきた司菊酒造。その阿波杜氏が、一から手がけた清爽な味わいのサイダーです。
(公式サイトより)
こんな紹介文が期待を否が応にもあおってくる地サイダーです。
そして期待通り完成度は高め。甘さは控えめにしつつ、すだちの酸っぱさを嫌味にならない程度に強めの炭酸と絡めています。
すだちは地サイダーの材料としてはわりとポピュラーな素材なのですが、どの地サイダーも疲れに効きそうな風味がステキな仕上がりでおすすめです。クエン酸いいですよね。
金沢湯涌サイダー 柚子乙女(石川)
石川県の「金沢湯涌サイダー 柚子乙女」です。
ゆず果汁と湯涌温泉の天然水でつくられているこのサイダーは、ゆずの酸味がたまらない、全体的にやわらかな飲み口のサイダーです。
現在販売されているもののパッケージには、かの有名な竹久夢二が描いた美人画がデザインされています。
過去には隣の富山県にスタジオがある「P.A.WORKS」さんのアニメ『花咲くいろは』や『グラスリップ』などコラボされており、アキバの一角でも販売されていたこともありました。
『花咲くいろは』コラボパッケージ
地サイダーで有名な2大有力メーカーのサイダー
地サイダーは、全国各地の飲料水メーカーが小規模で製造して、その地域だけで流通させている、というのが初期の構図でした。
しかし、近年になって地サイダーブームが起こります。すると自然と「自分たちの名産品で地サイダーをつくりたいけど、サイダーをつくる術がない」というような状況が生じてきます。
そんなときに頼りになるのがこれから紹介する「木村飲料」さんと「友枡飲料」さんの2社です。どちらも大量の地サイダーをつくっています。
木村飲料
静岡県にある木村飲料さんは、主に静岡の名産品やモチーフを使って地サイダーを製造されている会社です。これまでわたしが飲んできた地サイダー600本のうち1社で52本を占めているぐらい多種多様なサイダーを毎年リリースされています。そのサイダーは王道路線から、チャレンジングスピリットにあふれた逸品まで多種多様です
赤富士サイダー(山梨)
富士山の天然水「富士山萬年水」はモンドセレクションで最高金賞を受賞したミネラルウォーターです。そんな静岡が誇る高品質の水と、山梨県の良質なぶどう果汁を使用してつくられたのがこの「赤富士サイダー」です。
あっさりとした飲み口ですが、ぶどうの濃厚な風味がしっかりと感じられてとても飲み応えがあるサイダーです。普段は富士山の所有権を巡ってバチバチにアツい2県が、手を取り合うことでできた……と言えなくもない逸品です。
ローズサイダー(静岡)
国産のバラの花弁を一枚一枚ほどき抽出したエキスを使用している「ローズサイダー」です。ラベルがもう上品じゃないですか? さすがはバラを使用しているだけのことがあります。
口に含んだ瞬間、フワッと広がるバラの香りがステキなサイダーです。15年ぐらい前に「噛むと体臭がバラの香りになるガム」が売ってましたが(いま調べたら「オトコ香るガム」という商品名でした)、風味のイメージとしてはそれが1番近いです。覚えている方はいるでしょうかね……?
完熟トマトサイダー(神奈川)
先ほどにんじんを使ったサイダーを紹介しました。「にんじんがいけるならトマトもいけるな!」と思ったかどうかは分かりませんが、トマトを原料にしたサイダーも存在します。それがこの「完熟トマトサイダー」です。
トマト汁を5%使用しています。公式サイトの「完熟トマトの甘味と酸味に炭酸飲料の刺激が心地よいサイダー」という解説の通り、濃厚なトマトジュースに炭酸を加えたものというのが1番イメージしていただきやすいでしょう。トマト好きにはたまらないと思います。
友桝飲料
佐賀県にある活発にOEM( 製造メーカーが他社ブランドの製品を製造すること)を行っていている飲料会社です。
普段サイダーとあまり関係ない会社が記念品としてサイダーを配布・販売しているな……と思ったら、友桝飲料さんが製造されているというケースはとても多いです。
もちろん全国各地の名産品を生かした地サイダーも製造されています。地サイダーに困ったら友桝飲料さんに相談してみるのがいいんじゃないでしょうか。なお、これまでわたしが飲んできた地サイダー600本のうち1社で45本を占めています。
謹製サイダア 清酒風(佐賀)
友桝飲料さんのある佐賀県は、昔から清酒王国と呼ばれるぐらい清酒が有名なそうですが、そんな地元にちなんでつくられたのがこちらの「謹製サイダア 清酒風」です。
「清酒風」とはいえアルコールは含まれておらず、なで肩のシルエットの薄く青みがかったワンウェイ瓶を使用することで清酒風のイメージに仕上げています。この瓶は2006年にグラスボトルデザイン審査員特別賞を受賞しています。
上質のグラニュー糖を使用して昔ながらの製法で丁寧につくられたこだわりのサイダーは、炭酸が強めなのもあいまって清らかな飲み心地です。
夕張メロンサイダー(北海道)
友桝飲料さんの手の広さを示す絶好の例として紹介するのはこちらの「夕張メロンサイダー」です。佐賀の会社である友枡飲料さんが、北海道の名産品でサイダーをつくるとは。
芳醇な香りとジューシーで柔らかいオレンジ色の果肉が特徴の高級フルーツとして知られている「夕張メロン」。その果汁は年間供給量が決まっていて、希少なもの。その果汁を贅沢に使用した地サイダーになります。
開封するとすぐに広がる夕張メロンの香りは芳醇で、もう香りからして甘い。そして、香りから期待できる通りのまろやかな甘みが飲むごとに口いっぱいに広がります。
カステラサイダー(長崎)
長崎の名物といえば、そう、カステラですね。というわけで、友桝飲料さんが長崎の名物とコラボして生まれた地サイダー「カステラサイダー」です。
ポルトガルから長崎の地に伝わったと言われているカステラは、鎖国の時代を経て長崎の地で独自の進化を遂げたそうですが、このサイダーがある意味その極北ですね。
サイダーとカステラのコラボだけにすっごく甘いサイダーです。ほんのり感じるタマゴっぽさはさすがカステラといったところでしょうか。
このサイダーのパッケージはカステラをイメージしたかわいいパッケージになっていますので、ぜひ実際に手にとって見てみてください。
普通のサイダーと地サイダーの違い
地サイダーの話をすると「あいなもさんが考える地サイダーの定義とは何か?」と問われることがあります。わたしの地サイダーに対するスタンスは、以下のようにゆるゆるなものです。
- 地方限定で販売されている
- メジャーな販路で継続的に扱われていない
- 他に地サイダーを作っているメーカーの商品
- 販売元が地サイダーと言っている
- なんとなく他で見かけない気がする
- ノリ(コーラやジンジャエールでも地サイダーとして扱われているものもあります)
ゆるゆるな理由は、わたしの性格的によるところが大ですが、意識してゆるゆるにやっているところもあります。だって、厳格にやり過ぎて面白いものを取りこぼしたら、もったいないじゃないですか。
今後の地サイダーはどうなるのか
さて、そんな地サイダーですが、今後はどのように発展していくのでしょうか。ネット通販などの発展で、買える場所としてのローカル色が薄くなっている状況があります。その一方で、原材料にその地方独自のものを用いることで地域色を出す商品が増えてきている傾向があります。
冒頭で地サイダーは「元祖クラフトドリンク」と言いましたが、今後はよりその傾向が高まり、今後はまさしく「クラフトサイダー」と呼んだ方がしっくりくるようなジャンルになっていくかもしれません。
また、今後は近年になって日本で栽培が行われるようになったものや、食文化の変化でこれまで顧みられなかったものを原材料にしたサイダーなどが販売されるかもしれない……と考えています。フリークとしても変化に遅れないようにしたいところですね。
地サイダーを集めるきっかけと苦労
ここからは、地サイダーを収集しているわたしの話を少しさせてください。地サイダーの収集を始めたきっかけは、近所のコンビニで神奈川県南部の地サイダーが4種類販売されているところに出くわしたことでした。
地サイダーについて何も知らなかったウブな頃のわたしでしたが、何気なく4種とも購入し順に飲んでみたところ、なんとその4種のサイダー(どれもプレーンなサイダーでした)でも全然味が違うじゃないですか。
サイダーのように一見手を加えて違いを出せるところがないようなものでも、こんなに違いを出せるんだ! と新鮮な驚きに打たれました。
ちなみに、その中の一つが最初に紹介した「鎌倉サイダー」でした。
そして、もともと学生時代に友人の同人サークルの手伝いを通じて同人活動の楽しみを知っていて「いつか自分もサークル参加したい!」という思いをくすぶらせていたところでした。ここでわたしは「そうだ!このサイダーで本を作ろう!」という天啓をゲット。今日に至ります。まさかこんなに深い沼だとは思わなかったですよ……。
「地サイダーを集めるのはそんなに大変なのか?」と聞かれることがあるのですが、やっぱり現地に行かないと購入できないものが多く存在していまして、そういったものを入手するのは苦労しますね。
一度、地サイダーを買いに行くためだけに神奈川から日帰りで京都の清水寺に行ったことがあります。秋頃だったのでタクシーの運転手さんに「何を観にきたんだ」と聞かれたのですが、「地サイダーを買うために来た」といったら「信じられない……」というような目で見られましたね……。今にして思うとわたしもちょっとどうかしていました。観光をしろ、と自分に言いたいです。
今回、駆け足で20品ほどを紹介させていただきましたが、これで少しでも地サイダー沼の底深さを感じていただけたでしょうか。
まだまだ入手できていない、現地に行かないと買えないような地サイダーも沢山あります。毎年新作もどんどんリリースされます。わたしとしては、これからもこの沼には肩まで浸かって同人誌を書いていくつもりです。当サークルの本をどこかで見かけましたら、地サイダー共々よろしくお願いします。
この記事が、あなたが地サイダーに興味を持つきっかけになれば幸いです。
ローカルドリンクの沼に沈んでみませんか
著者:あいなも
サークル「ピーターマン」で地サイダーを中心に、いちご大福、ベビーフード、介護食など、その時々で興味を持ったものをレビューした本を同人イベントで頒布することを趣味としています。
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今回紹介した商品
「鎌倉サイダー」を詳しく見る「牛タンサイダー」を詳しく見る
「桑の実サイダー」を詳しく見る
「完熟トマトサイダー」を詳しく見る
「夕張メロンサイダー」を詳しく見る