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あのマンガの再現料理が食べたい! 作中に登場するご飯を作ってみる「マンガ食堂」まとめ

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マンガ(漫画)に登場する“マンガ飯”を実際に作って食べてみる……マンガ好きなら、一度は夢見たことがあるのではないでしょうか?

人気作に出てくる料理のレシピを忠実に再現するブログ「マンガ食堂」運営の梅本ゆうこさんが作る、再現レシピが盛りだくさん!

ここでは、『3月のライオン』『銀の匙 Silver Spoon』『ゴールデンカムイ』『ワカコ酒』など、人気作品のおいしそうなごはんが続々登場。ぜひ再現レシピを参考にチャレンジしてみてください。

『3月のライオン』(羽海野チカ)の「サンダル錦玉羹」

梅本さんが最初に作ってくれたのは、『3月のライオン』(羽海野チカ)に登場する「サンダル錦玉羹(きんぎょくかん)」。金魚や鮎をあしらった、夏に出回る涼しげな寒天の和菓子です。

和菓子屋の祖父に新作和菓子のアイデアを求められた登場人物の一人「モモ」。彼女が考案したアバンギャルドな錦玉羹は「サンダルが入っている」ものでした。

漫画のコマを参考に、いったん紙に書き出して必要な材料やレシピを整理。イメージ図を見る限り寒天は2層になっているので、上部は透明な錦玉羹、下部(水底)は小豆羹に。サンダルと水泡は、色を付けた練り切りで再現します。設計が終わると道具や材料を買いそろえ……。

『3月のライオン』(羽海野チカ)の「サンダル錦玉羹」

できあがったのがこちら! サンダルは「リカちゃん人形のサンダル」を参考に、食紅で色を付けています。仕上げに水草(お弁当用のバラン)、葦(素麺をオーブンで焼いたもの)があしらわれています。

👉 『3月のライオン』(羽海野チカ)モモちゃん考案の「サンダル錦玉羹」を再現してみた

『山と食欲と私』(信濃川日出雄)の「炊きたてご飯のオイルサーディン丼」

『山と食欲と私』の主人公・日々野鮎美は、会社員として働きながら「単独登山女子」を自称し、週末になるとひとりで山に出かけ、ひとりで調理をして「山メシ」を食べます。アウトドアグッズ、山という限られた環境下でアイデアを駆使する調理シーン、そして自然の中でおいしそうに食べる描写が魅力的。

この作品の中から再現するのは、11話に登場する「炊きたてご飯のオイルサーディン丼」です。梅本さんは主人公同様、登山前日に4話で登場する「カーボローディング弁当」を再現し、漫画と同じ場所である「仙元山」(神奈川・葉山、標高118メートル)に登ります。

『山と食欲と私』(信濃川日出雄)の「炊きたてご飯のオイルサーディン丼」

メスティン、スノーピークのシングルバーナーと、生米(1合分)・オイルサーディン缶・レタス・しょうゆ・水を出し、主人公の鮎美が編み出した「メスティン炊きの歌」にあわせて、火にかけて米を炊き、レタスを敷いて……あっという間に出来上がり!

👉 『山と食欲と私』(信濃川日出雄)の「炊きたてご飯のオイルサーディン丼」を山で再現してみた【マンガ食堂それどこ店 1品目】

『新米姉妹のふたりごはん』(柊ゆたか)の「ネギソーセージ」

ソーセージといえば、羊や豚の腸に肉を詰めたもの。ただ、この回で再現されるのは通常の作り方とは全く異なる、斬新なソーセージ「ネギソーセージ」です。『新米姉妹のふたりごはん』に登場するこのソーセージ、腸の代わりにネギに肉を詰めていきます。

ミンチ肉からソーセージの中身を作って、珍しいアイテム「ソーセージメーカー」を使い、口金にネギの皮を装着し、空気が入らないように、皮が破れないように注意しながら、肉を押し出していきます。肉を詰め終わったら、ラップで1本ずつキャンディー状にくるみ、沸騰させないよう注意しながらゆでます。出来上がったネギソーセージはこんな感じ!

『新米姉妹のふたりごはん』(柊ゆたか)の「ネギソーセージ」

ミンチ肉作りやゆでる際の温度管理、脂肪分や塩分の配合の厳密さなどについて、梅本さんは「料理というより実験っぽさがありますね」と評しています。

👉 『新米姉妹のふたりごはん』(柊ゆたか)の「ネギソーセージ」を再現してみた【マンガ食堂それどこ店 2品目】

『きのこくーちか』(新國みなみ)の「天然なめこのホットサンド」

「きのこ」の奥深い世界をテーマにしたグルメ漫画『きのこくーちか』には、シメジやエノキといった定番きのこはほとんど出てきません。あまりなじみがないきのこが登場する漫画の中から、梅本さんが再現したのは、ベーシックな「なめこ」を使った「なめこのホットサンド」です。

たっぷりのなめこ、チーズ、炒り卵を食パンではさみ、長い柄(え)のついた、直火タイプのホットサンドイッチメーカー「バウルー」で焼いていきます。下準備の仕方や調理方法まで全部しっかり再現しているので、ぜひレシピまで全部ご覧ください。

『きのこくーちか』(新國みなみ)の「天然なめこのホットサンド」

シメはこれも再現料理の「なめこと鮭の炊き込みおにぎり 野沢菜入り」。飯盒(はんごう)に米と塩鮭、なめこ、刻んだ野沢菜を入れて炊き、おまけで定番のなめこ汁もつけています。なめこづくしのメニュー、とってもおいしそうです。

👉 『きのこくーちか』(新國みなみ)天然なめこのホットサンドを再現してみた【マンガ食堂それどこ店 3品目】

『銀の匙 Silver Spoon』(荒川弘)のラクレットチーズ

青春マンガ『銀の匙 Silver Spoon』に登場する食べ物の数々にずっと憧れていたという梅本さんは、10巻に登場する「自作ラクレットオーブン」を見て、レンタルのラクレットオーブンを使用。牛乳から作られるスイスのハードチーズ「ラクレットチーズ」をのせて上から熱源であぶり、溶けた部分を削りつつ、食材にかけて食べるます。

この「ラクレットチーズを溶かして食べる料理」自体も「ラクレット」といい、スイスやフランスでは一般家庭でもおなじみの伝統料理で、日本でいえば鍋料理に近い存在なのだそうです。

『銀の匙 Silver Spoon』(荒川弘)のラクレットチーズ

ラクレットチーズは、外側にカマンベールチーズのような香りがありますが、あぶって食べるとクセがなくなり、かつ市販のとろけるチーズより数倍濃厚で、その塩気だけでジャガイモがいくらでもいけるとのことです。グリルしたサーモン&野菜やドイツパンにも。本格チーズの写真は迫力がありますね。

👉 『銀の匙 Silver Spoon』(荒川弘)憧れのラクレットオーブンでラクレットチーズを焼いてみた【マンガ食堂それどこ店 4品目】

『ホクサイと飯さえあれば』(鈴木小波)の「聖なるパフェー」

『ホクサイと飯さえあれば』では、東京・北千住で一人暮らしを始めた主人公の大学生・人見知りで妄想癖が激しいブンちゃんが自炊を楽しむ姿が描かれています。かっぱ橋道具街に出掛けたブンちゃんは、発見したパフェグラスが「聖杯」だと啓示を受け、さまざまな困難を乗り越え、「聖なるパフェー」を完成させます。

そのパフェを再現すべく、同じくかっぱ橋道具街に行った梅本さんは、洋食器店でそっくりなパフェグラスを発見。そしてパフェを彩るコーンフレーク、ジャム、ヨーグルト、生クリーム、アイスクリームをそろえ、主役となる「旬の果物」いちごを入手し、聖なるパフェーを構築していきます。

『ホクサイと飯さえあれば』(鈴木小波)の「聖なるパフェー」

「自宅でパフェ」は一般的ではないと書いた梅本さんでしたが、コーンフレーク、ヨーグルト、アイスクリーム、ジャムなど基本の材料は、どれも普段家にあったり、コンビニなどでもすぐに手に入ったりするもので、パフェグラスひとつあれば「簡単に非日常の扉が開く」と感想をまとめています。

👉 『ホクサイと飯さえあれば』(鈴木小波)の聖なるパフェーを再現してみた【マンガ食堂それどこ店 5品目】

『ゴールデンカムイ』(野田サトル)の「カネ餅」

『ゴールデンカムイ』に登場する「カネ餅」をご存じの方も多いかと思います。この「カネ餅」、マタギの非常用携帯食なのですが、今回の調理方法は「囲炉裏の灰の下で蒸し焼きにする」。灰で焼けるのかどうか、取り掛かる前に、梅本さんはマタギに関する本を読んで「カネ餅」にまつわる情報を集め、囲炉裏が使える都内のレンタルスペースで、いざ再現へ!

材料は、上新粉(秋田産うるち米)クルミ、味噌(秋田・阿仁町のもの)、朴葉、イグサ。上新粉とクルミ、味噌を混ぜて練ったものをフライパンで焼き、朴葉に包んで、イグサでしっかり結んでほどけないようにします。囲炉裏の灰をかきわけて穴を掘り、餅を入れて灰をかぶせると、こんな感じに。

『ゴールデンカムイ』(野田サトル)の「カネ餅」

火加減に難儀していた梅本さんですが、灰を掘って餅を入れる際に「炭火に近いところにある、熱々の灰をかける」コツを会得し、灰と格闘しながら「カネ餅」をなんとか焼き上げました。その後「なぜこんなややこしい焼き方をせねばいかんのだろう」という疑問が湧いて、

  • A.直火で焼く
  • B.葉に包んで直火で焼く
  • C.アルミホイルに包んで灰の中で焼く

の3種類の方法を試しています。さて、結果は……?

👉 『ゴールデンカムイ』(野田サトル)のカネ餅を囲炉裏で再現してみた【マンガ食堂それどこ店 6品目】

『ワカコ酒』(新久千映)の”自宅で居酒屋”ごっこ

「かろやかに、ひとり呑みができる人になりたい」そんな憧れを持つ梅本さんにとって、『ワカコ酒』の主人公・ワカコは、まさにヒーロー。ワカコはひとり酒を楽しめるスキルの持ち主で、お酒と肴のあるひとりの時間を楽しんだら、さっと店を出ます。

そんなワカコ酒の気分になれたら……と思いついたのが、「自宅で居酒屋気分を味わう」。登場する居酒屋メニューを再現して、ひとり居酒屋ごっこをしたら楽しいかもしれない……と考え、「あまり家では作らないもの」「好物」などを基準にチョイスした料理は、下記の3品です。

  • 炙り〆さばと冷酒
  • 手作りざる豆腐と熱燗
  • お好み焼き(府中焼き)とビール

この「自宅で居酒屋」を実現するにあたってそろえたのは、数々の業務用食器、そして料理が格段に映える、笹の葉や紅葉などの「つまもの」など。特に「ワカコ酒」の舞台・広島のご当地フード、広島県内ローカルの「府中焼き」を再現するために、厚さ6ミリの極厚卓上鉄板が用意されました。お好み焼きの完成後、せっかくなのでコンロの上で、ジョッキビール片手にそのまま宴に突入!

『ワカコ酒』(新久千映)の”自宅で居酒屋”ごっこ

ジョッキビールを飲みながら、鉄板で焼き立てのお好み焼きを食べる。一番の「買い」はこの鉄板だったかもしれないと梅本さんは振り返ります。自宅で焼きそばや炒めものを作るのにも活躍しているそうです。

👉 自宅で居酒屋気分! 『ワカコ酒』(新久千映)ごっこをしてみた【マンガ食堂それどこ店 7品目】

『そのへんのアクタ』(稲井カオル)の「ピッツァトースト」

「縁もゆかりも、それまで訪れたこともなかったけど、その作品を読んでその地域へ訪れたくなった作品」をセレクトしてもらう企画で、梅本さんが挙げたのは、鳥取県を舞台にした『そのへんのアクタ』。実はまだ訪れたことはないそうですが、『そのへんのアクタ』をきっかけに、行ってみたいという熱い思いを抱くようになったとのこと。

主人公・芥(あくた)は、戦闘マシーンとして生きてきた代償の対人スキルの低さが原因で、鳥取支部に左遷されることに。戦いに明け暮れた頃と異なり、鳥取での仕事は「犬の散歩」「ラクダの世話」「夜食のピッツァトースト作り」と、ゆるっゆるなものばかり。個性的なメンバーや住民との交流の中で、かつての英雄は新しい日常での新しい戦い方を模索していきます。作中によく登場する隊員たちの夜食「ピッツァトースト」がおいしそうで、ピッツァソースから手作りで再現してしまったそうです。

『そのへんのアクタ』(稲井カオル)の「ピッツァトースト」

このピッツァトースト、残念ながら「鳥取名物」との関連性はなさそう。ですが、『そのへんのアクタ』をきっかけにご当地メニューの一つに加わる可能性があるかもしれません。

👉 『そのへんのアクタ』を読むと「何もない」と自虐されがちな鳥取に行きたくなる(梅本ゆうこ) - ソレドコ

一見再現が難しそうな漫画の中の食べ物について、軽やかに再現を試みる梅本ゆうこさん。もし気になる漫画でおいしそうなものがあったら、少し実験する気持ちで作ってみてもいいかもしれません。

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