イラスト:小島アジコ
はじめまして、こんにちは。
『となりの801ちゃん』という作品内で好き勝手に跳ね回っている毛玉の方、801ちゃんといいます。
ここ5年ほどは、5歳と3歳の男児2人の育児をしています。
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子育ては自分の時間がなくなるとは聞いていましたが、実際5年目にもなると毎日毎日、やれフタが開かないだの、弟がぶっただの、テレビのリモコンが見つからないだの、アニメのデータ放送のゲームがクリアできないだの、一日に200回は何かを訴えられている状態が続いています。
しかも最近は、わたしがとうとうソシャゲにハマり、限定クエストをクリアする時間すら足りなくてヒーヒー言っています……。
今回は、そんな慌ただしい毎日の中で「買ってよかった!!」と思った時短調理グッズ「関孫六 カーブキッチン鋏」をご紹介したいと思います。
意外と「お肉」が苦手な子どもたち
5歳と3歳のやんちゃ盛りを育てていて気付いたんですが、うちの兄弟は「お肉」があまり得意じゃありません。他の家庭に話を聞いても、意外とお肉を食べない子どもって多いらしいです。
噛んでいるうちに飲み込むタイミングが分からなくなったり、だんだん繊維だけになってしまって上手に飲み込めなかったりするようです。繊維がほとんど気にならないくらいに小さくカットしても、ちょっとした筋が気になるらしい。
さらにうちの場合、上の子は牛肉が上手に飲み込めず、下の子は豚肉が上手に飲み込めないという、面倒な違いまである始末……。
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そんな兄弟が唯一、よく食べるのが鶏もも肉で作る唐揚げや照り焼きです。しかし、最近になって急に上の子が「お肉の裏側が怖い」と言い出しました。
どうやら、ツルンとした面は平気だけれど、その裏の複雑な部位(伝わりますか……?)が怖くなってきた様子。
だからといって、すべてがツルンとしたむね肉やささみを使うと、飲み込むタイミングが分からず繊維だけが残ってしまい、嫌がります。
親としては、たんぱく質などの栄養を効率よく摂取できるお肉を食べてほしいとは思いつつも、もも肉を丁寧に解体する時間も、生肉を使ったまな板を消毒する手間も惜しい……!
救世主は「ハサミ」だった
そんなとき見つけたのが包丁代わりになる調理用のハサミ「関孫六 カーブキッチン鋏」です。刃物メーカーの貝印による「関孫六」シリーズのハサミということもあり、切れ味は抜群。
このハサミの何が素晴らしいって、刃先がカーブしているので、包丁だと切っ先でえぐるように切りとるしかない固い筋や、こそぐように取り除かないといけない脂が、簡単にすばやく処理できるところ。厚みがあるお肉も、脂がのって滑りやすいお肉も、サクサク切れます。
個人的に助かるのが、ハサミを使う利き手が汚れづらいことと、まな板を使わないでいいこと。
大人しく遊んでいたはずの子どもたちが、調理中、急に叫び声を上げたかと思うと揉み合いに発展しており……ということは兄弟ゲンカあるあるだと思います。
包丁だと、まな板に置いた柄に食材が触れ、利き手が汚れることがあります。しかしこのハサミだと、とりあえずハサミを置き、片手だけでも綺麗な状態で現場に駆け付けられます。大人の登場で、喧嘩するよりも訴える方に切り替わるのも、兄弟ゲンカあるあるです。
いつ何時も一瞬のスキをついて子どもが台所に入り込むか分からない状況で、むき身の刃物を使うことへの不安も軽減されました。
なおハサミは食洗器OKで、まな板を使わないのでお肉を調理しても消毒の手間が省けます。最高。
子どもの面倒を見ながら作る簡単唐揚げレシピ
それではここで、「関孫六 カーブキッチン鋏」で下処理&カットした鶏もも肉で作る、おいしくて簡単な唐揚げレシピを紹介します。
揚げるのは大体土曜の午後。週末特売の国産鶏もも肉を大量に揚げてさえおけば、日曜のお昼ごはんまで保証されます。最高。
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【1】鶏もも肉をハサミでカット!
まずは、鶏もも肉を用意します。味の濃い地鶏を選んで……と言いたいところですが、プリプリと身がシッカリした地鶏は、子どもには飲み込みづらい場合があります。「そんな馬鹿な」という感じですが、子どもメインの食事を用意するときはもう諦めます。特売の鶏もも肉を使いましょう。
鶏もも肉は、ハサミを使って余計な脂や筋を切り落とします。唐揚げのときは、適当な処理でもOK。ただし、照り焼きなどお肉の形状が目視できる場合は、頑張って処理します。
【2】お酒で鶏肉を柔らかく
ボウルにカットした鶏肉、お酒を入れ軽く揉みます。お酒で揉み込むことでお肉が柔らかくなり、子どもでも噛みやすく&飲み込みやすくなります。
我が家では、
この大容量の焼酎「極上宝焼酎【寶】」を使っています。
火を入れるとアルコール分は飛ぶので、子どもが食べても安心。揚げる前に、霧吹きでお肉に焼酎を吹きかけるとカラッと揚がるというレシピもあるようなので、何かそういう素敵な作用があるかもしれないというおまじない程度の気持ちが込もっています。
ほか、重曹などを使ってお肉を柔らかくする方法もありますが、あんまり時間をかけないでいい&後始末が楽という点で考えるとアルコールが一番なんですよね。
洗い物を増やしたくない場合は、ボウルではなくビニール袋やジップ付きの保存袋などに入れて揉み込むと楽です。ただでさえ揚げ物は手間がかかるので、労力は極力減らしましょう。
【3】味付けはフンドーキンの「からあげの素」で!
今回、この記事では「関孫六 カーブキッチン鋏」をおすすめしていますが、同じくらい推したいのが、このフンドーキンの「からあげの素」。
大多数の人が「唐揚げが食べたいな」と思ったときに思い浮かべる唐揚げの味がします。いや本当に誇張なしで。
というわけで、鶏肉を揉み込んだ酒を袋から捨てて、「からあげの素」を注ぎ、再び軽く揉みこんでから冷蔵庫で寝かせます。パッケージには10分〜15分とありますが、その10分の間に何が起こるか分からないのが育児なので、多少前後しても大丈夫です。
我が家は、漬け込んだ直後に救急病院へ駆け込む事態になったことがありましたが、6時間経ったあとでも辛くならずおいしかったです。
「もうちょっと優しい味のからあげが食べたい」という気分のときは、富士甚醤油の「とり天の素」としょう油を2:1で割った調味料で漬け込むのもおすすめです。
【4】鶏肉に片栗粉をまぶす
寝かし終わった鶏肉に、片栗粉を丁寧に薄くまぶします。
正直この「薄くまぶす」工程が一番面倒くさいんですが、衣が厚いと子どもの機嫌によっては「お口が痛いんだけど!」というクレームが発生する可能性があります。
疲れていたり、休みの日でテンションが高かったりすると、子どもはクレーマーになりやすいので、心安らかな週末を過ごすためには必要な工程です。
ちなみに高校生の兄弟(運動部)がいるママ友は「とにかく衣は小麦粉も混ぜてガッツリ厚めに揚げて黙らせる」とアサシンみたいな目で言っていました。明日は我が身です。
【5】米油&ごま油でカラッと揚げる
いよいよ揚げの行程。我が家が参考にしているのは、「一汁一菜」というありがたすぎる提唱をしてくださっている土井善晴先生のレシピです。
フライパンに、米油と香り付けのごま油を注ぎ、火を入れる前に鶏肉を並べて、強火にかけます。表面が揚げ色になり始めたらひっくり返し、お玉で油を回しかけて表面をパリッとさせます。
このレシピだと、油が少量で済むので経済的&後片付けも楽です。
最近は疲れからか胃が弱っていることもあり、軽い米油に変えてみたんですが、揚げ物がびっくりするくらい軽く揚がります。調子に乗って食べ過ぎても全然胃もたれしなくなり、オイル系パスタも食べやすくなりました。
また、高温に強く劣化しづらい油なので、揚げ油として使ったあとでも、濾(こ)せばチャーハンや野菜炒めなどに使えます。
【6】食べます
「ヤッター!からあげだ!」と週に一度にもかかわらず毎回小躍りで歓迎する5歳と、そんな兄を尻目に熱々の唐揚げをほおばる3歳を見て、「毎週揚げ物をしてエラいぞ」と自分を褒め称えます。
ここでもまた、熱々をかじりたいけれどもかじれなくて、でも早く食べたいとうるさい子どものため、ハサミを使って食べやすいサイズにカットします。過保護なようですが、ここでへそを曲げられるとめちゃくちゃ面倒くさいので、親のための過保護です。よくあることです。
その他にも、包丁でカットしづらい海苔巻きや、箸ではきれいに切り分けられないフライ類など、子どもの一口サイズに合わせてカットするのに非常に便利です。
前述の通り我が家では、土曜に大量に揚げておいて、日曜のお昼も唐揚げを食べます。冷めた唐揚げはレンジでチンするよりも、魚焼きグリルやトースターで温める方がカリッと仕上がる感じがしますが、それでも2日目の唐揚げはちょっと油っぽいなと感じたら、大根おろしとポン酢で食べるとさっぱりします。
万が一、土曜に食べ尽くしてしまうと、日曜のお昼も食べられると思っていた子どもたちから大ブーイングを浴びることになります……。
「憂鬱」な料理を「気楽」にしてくれたハサミ
とはいえ、食材、特に肉類をハサミで切ることに抵抗がある人は多いと思います。わたしも最初は抵抗があり、しいたけを切るくらいにしか使えませんでした。
しかし、日に日に激化する兄弟の「ギャー!」に対応するには、子どもを変えるのではなく自分のやり方を変えるほかありません。
以前は、お肉をあまり食べてくれないことにピリピリしたり、飲み込めないと言って吐き出すことにがっかりしたりすることも多かったのです。しかしそれは、「こんなに手間がかかったのに」という気持ちが強いからなのだと気付いてからは、とにかく手間を省くことを考えるようになりました。
以前は週末に「唐揚げ作って」とリクエストされるのが憂鬱だったんですが、それもこのハサミでずいぶん気楽に作れるようになって本当に助かっています。
5歳と3歳の時点で毎週700グラムの鶏もも肉を揚げているとなると、10年後には何キロ揚げているのかと想像してゾッとするのも事実なんですけどね……!
著者:801ちゃん
小島アジコ( id:orangestar )の嫁です。どこにでもいる腐女子がどこにでもいるお母さんになりました。最近はFGOばかりしています。