初めまして、megayaと申します。
プログラマをやりつつ、たまにWebのポータルサイトなどに記事を書いている26歳です。
さて僕はいま、千葉県の小見川(おみがわ)にいます。見てもらうとわかるのですが、
うん……
駅前、なにもない……。
そんな小見川まで、今日は水郷のとりやさんというお店の取材にやってきました。
機械を使わずに手作業で鶏をさばくという、鶏肉にこだわりがあるお店です。
ネット通販にもかなり力を入れていて、お取り寄せグルメが有名。特に、水郷どりまるごと一本焼きという27cmもある超巨大な焼き鳥は大人気。
あと手羽先餃子もすごく売れているらしい。
ちなみに小見川は、香取神宮や「水郷おみがわ花火大会」で有名な香取市にあり
渋谷から電車で約3時間とちょっとした旅行気分ですが、
こだわりの鶏肉をさばくところから見せてもらい、その美味しい鶏肉をごちそうになれるということで、お腹を空かせてやってきました!
さっそく「水郷のとりやさん」に行ってみよう
水郷のとりやさんには、駅から10分も歩かないで到着します。
頭の上に焼き鳥を乗せたヒヨコがイメージキャラクターの看板が見えたら、そこが水郷のとりやさんです。つい「頭の焼き鳥は親なのかな……?」と悲しいバックグラウンドを想像してしまいますが……
店内はこの通り!(取材は昨年末に行いました)
「ネット通販がすごい」と聞いていたので、お店にはあまり力を入れてないのかな? と勝手に予想していましたが……まったく逆で、店内はとても充実していました。
お買物ができるだけでなく、食事できるようにイートイン席も用意されているほど。というか、めちゃくちゃキレイだな!
それにしても、美味しそうだなぁ……
店内を見て周るだけでもお腹が空いてくる。売り場の商品もかなり豊富。
焼き鳥などの商品は、店内で作っているため、良い匂いが漂ってくる。早く何か食べたい……お腹が空きすぎて背中とくっつきそう。
機械は一切使わない! 手作業で鶏をさばくこだわり!
鶏肉をさばく作業を、水郷のとりやさんの4代目店長である須田健久さんに案内してもらえることになった。
工場内に入るということで、衛生面を考慮してマリオのキノピオになれる帽子をかぶっていざ出発! どうでもいいけど、初めてこの帽子かぶったからテンションあがった。
須田店長について作業場に入ると、さっそく鶏を一羽まるまる解体しているところを見せてもらえた。
鮮やかな手つきで、鶏は1分ほどでバラバラの肉になってしまう。速い、職人技だ。
- おお……いきなり衝撃的ですね! 本当に鶏をまるまる一羽さばいてるんですね。
- はい。機械を使わず、手作業で行っています。うちのこだわりのひとつです。
- 手作業でさばくのは時間かかりそうですが、どんなメリットがあるんですか?
- 一番は、鶏肉の希少部位などもすべて取れるということですね! お尻付近のボンボチやペタなど、機械だと取るのが難しい部位があるんですよ。
- ボンボチの焼き鳥、最高に美味しいですよね! お腹空いてきたなぁ……。
こちらがボンボチで
こっちがペタ。
- 傷もつきにくいので、新鮮な鶏肉を提供できるメリットもあります。それから、ほとんどの部位を取ることができるので、ほぼゴミになる部分がなくなりますね。
- そんなに全部食べれるものなんですか? ゴミになりそうな部位もありそうですけど……?
- それが本当にほとんどないんですよ。頭も食べることができますし、うちの場合は骨もすべてスープを取るために使っているので、ゴミに出す部分は限りなく少ないです。
骨から取ったスープは店内でも食べることができる。見ただけで食欲がそそられる。
- ちなみに、店長のオススメの部位ってあるんですか?
- そうですね……ほとんどがオススメですけど、強いて挙げるならそりですね。もも肉と腰骨をつなぐ筋肉の部分。あっさりとしつつ、歯ごたえもあって美味しいですよ。
- 初めて聞きました! 食べてみたいなー。
- そりは、解体するときにまったく傷つけずに取ることができるので、良い状態で食べることができるんですよ。
そりを指差し確認してもらった。
- こうやって解体するところを見ていて思ったんですけど、一羽から取れる肉の量って意外と少ないんですね。
- そうですね。一羽から2つしか取れない部位もけっこう多いです。居酒屋でもよく軟骨のからあげってあるじゃないですか? あの軟骨も1羽から2つしか取れないんですよ。
- ええ! 少ない!! いつもあんなにバクバク食べてたのに、2つしか取れないんですね。んー……でもそれだと軟骨のためにかなりの鶏が必要じゃないですか?
- それだけ日本中でもも肉やムネ肉が出荷されて、鶏肉が毎日消費されている証拠なんですよ。
上の写真で、だいたい3羽分の量になる(内蔵などは含まれていないのですべての部位ではない)。スーパーに毎日のように安く並んでいる鶏肉を考えると、かなり少ないように感じる。
当たり前だけど、手羽先やささみといった部位も一羽から2つずつしか取れないということを、今日来てみて初めて実感した。
- 一羽からこれだけしか取れないとすると、やっぱり手作業では効率が悪そうですよね……機械化とかは考えないんですか?
- 鶏肉は確かに一羽から取れる量が少ないですし、手作業は時間もかかるのでかなり大変ですが、やはりお客さんに喜んでもらえるのが一番なので、良いものを提供するために手作業は続けていきたいですね。
- ……鶏肉への情熱がすごい!!
27cmもある「水郷どりまるごと一本焼き」を焼きたてで!
鶏をさばく行程を見せてもらったあと、なんとこの場で水郷どりまるごと一本焼きを店長自ら焼いてくれることになった。
鮮度がすごく良いので、鶏肉の色が明るい。特にレバーの色が鮮やかで、新鮮なものだということが一目でわかる。
鶏肉の旨味を感じるよう、初めはぜひ塩で食べてほしいとのこと。お店では、沖縄の海の塩を取り寄せて自分たちの手で焼き塩にしているらしい。
そんな塩選びにも手を抜かない須田店長の話はまだまだあったのですが……
鳥の焼ける音と匂いが強烈に僕の心を惹きつけて、途中から正直あんまり聞いてませんでした……すいません。
そして……待ちに待った……
ドン!!
うううう美味そう!!! これだけでビール3杯はいけそうなくらいの迫力がある。
この水郷どりまるごと一本焼きは「お客さんに一本で満足できる焼き鳥を食べてほしい」という店長の思いが詰まっていて、一本でほとんどの部位が食べられるという、大人の夢を体現したかのような焼き鳥なのである。
並び順にもこだわりがあり、脂っこい部位のあとにはさっぱりした部位がくるなど、きちんと計算されている。
そしてなんといっても全長27cmは、かなり大きい!
僕は昔から「顔が長い」と言われている。高校生のとき、他校の文化祭で知らない女の子が「ナナフシだ!!」と叫んで走って逃げたことがあるほどだ*1。そんな面長な僕と比べてみれば、水郷どりまるごと一本焼きの大きさが伝わるだろう。伝わらなかったとしたら、ナナフシ事件の嫌な気持ちを自らえぐった僕がただツラいだけなので、ぜひ伝わってほしい。
そんな話はさておき、味はもちろん……
美味ぁぁぁぁぁぁい!!
食べた瞬間に笑顔になる美味さ。本当たまらない。
思わず小さくガッツポーズするほどの美味しい。鶏肉が新鮮で臭みやクセがまったくなく、次々と口に入れたくなる。最高かよ。鶏肉の天国かよ。
いろんな鶏肉が一本になっているから、全部食べても飽きることがない。さっき説明してもらった、そりやボンボチ、ペタもすべて入っている。
これ一本でもうすごい充実感がある。ああ、僕の幸せの黄色いハンカチはここにありましたよ……。
店舗にも力を入れる理由には、深イイ話が隠されていた
こういった鶏へのこだわりからネット通販が軌道に乗り、クリスマス前には1週間ほど店舗をお休みにして「鶏の丸焼き」などの注文に全員で対応しているそう。すごい。
一方で、鶏料理以外に卵なども扱っている。なんと水郷のとりやさんが育てている鶏が生んだものらしい。
- お店に入ってきたときから疑問だったんですけど、ネット通販で売上が出ているのに、店舗にこれだけ力を入れる理由ってあるんですか?
- ネット通販は10年以上前からやっていますが、店舗はさらに古く、もうすぐ100年目になります。その時代の中で、スーパーマーケットに近い形態でやっていた時期もあるんですよ。そのころは、どこでも手に入る大手メーカーの普通のソースなどもたくさん置いていました。
現在は、厳選した調味料しか置いていない。これは近くで作られている下総醤油。
【楽天市場】 下総醤油~伝承木桶仕込~:水郷のとりやさんの検索結果
先ほどの卵とあわせて「卵かけご飯」にすると最高とのこと。
- ネット通販で売上が上がるにつれて、お店に遠くからから来てくれるお客様も増えたんです。
- それでイートインを充実させようと思ったんですか。
- そうですね! 中でも大きかったのが、いつも通販で買ってくれる沖縄のお客様が店舗に来てくれたときです。
- 沖縄!?
- 東京旅行の機会に、レンタカーを借りてわざわざ小見川まで来てくれたんです。そのとき、お客さんは楽しそうにされてたんですが、鶏肉専門店としての良さをしっかり伝えられずに悔しい思いをしました。それで「ネット通販で知ってお店に来てくれた人たちも喜ばせたい!」と思い、商品やイートインを充実させることにしたんです。
沖縄のお客さんもすごいけど、そこに問題を感じてすぐに対応するお店の気遣いもすごい!
この親子丼のように店舗のイートインでしか食べることができない商品もあり、まさに「お店に来ても楽しめる」という公約通り。とても美味しかったです。
「鶏肉だけのスペシャルお重」を作ろう!!
ここまで水郷のとりやさんの良さをたくさん紹介してきたけど、まだまだ魅力的な商品が山ほどある。できる限り紹介したい!!!
だけど写真を載せるだけでも記事がいっぱいになってしまう……。
そこで僕はひとつの案を思いつきました。
水郷のとりやさんの商品を詰めた鶏肉だけのスペシャルお重を作ります。
これなら一枚の写真でいろんな商品を見せることができるし、いろんな鶏肉が食べ放題になる。お店にも僕にもメリットがある!!
ということを店長さんに事前にお願いしていたところ、「楽しそうですね! ぜひやりましょう!!」と言ってもらえた上に、
食材の準備をほとんどやってくれていた。良い人すぎるだろ、店長。
このお重のために、水郷どりまるごと一本焼きを含めて9種類もの鶏料理を用意してもらった。全部美味そうだな〜!
手羽先の中に餃子の餡が入ってる手羽先餃子。ぜひ食べたい。取材前から調べてて、めちゃくちゃ楽しみだった。
鶏のごぼう巻きも肉厚で美味しそう。こんなチャーシューみたいに調理した鶏肉は見たことがない。
お重作らないで食べるだけに専念したくなってきた。ビール飲みながらつまみたい。
とにもかくにも準備できたので、さっそく作ってこー!! いってみよーやってみよー!
そもそもお弁当つくりなんてしたことがほとんどないので、かなり試行錯誤。
店長さんと協力して「これは横に置いた方が色味が〜」とか「これはナナメに切ったほうが綺麗じゃないですか?」と必死に作りました。
とはいえ水郷のとりやさんの商品は最初から完成されているので、置くだけで形になる。普段のお弁当作りのときにあればかなり楽ができそう。主婦の味方!!
そんなこんなで、水郷のとりやさんの商品と僕の多大なる愛情が詰まった鶏だけのスペシャルお重が完成しました!
思わず「なんということでしょう!!」と言いたくなるような、豪華なお重を演出できたと思う。
からあげに、卵焼きに、ソーセージとか最高すぎる。運動会でお母さんが持ってきたら、子どもは泣いて喜ぶレベルでうれしい。焼き鳥や西京焼きもあるから大人にもうれしい。
からの試食!! そしてお土産の「卵かけご飯」が……!!!
せっかく作ったので、同行した編集部の方々に「鶏肉だけのスペシャルお重」を食べてもらうことにした。
編集部といえば僕の記事をチェックしている人たちなので、いわば神のような存在。そう思うと異常に緊張してきて、エヴァンゲリオンの碇ゲンドウのような重苦しい雰囲気を出してしまった。
- うわ〜! すごい豪華ですね!
- 取材しながら盛り付けもやってくれて……! ありがとうございます!
見た目への印象は悪くなさそうで一安心。
あとは食べてみての感想だが、水郷のとりやさんの商品なので、どれを食べても美味しいに決まっている!!
さぁ、喜びたまえ!!
- この卵焼き、中に鶏のひき肉が入っていて、すごく美味しいです! 甘すぎなくて、何個でも食べられそうです!
- 手羽先餃子って初めて食べたんですけど、すごく気に入りました! 手羽先なので外はパリパリで、中は餃子の餡がたくさん入っていて美味しいです! 家で食べられるんであれば、買って帰りたいです!
味はもちろん大絶賛だった。卵焼きと手羽先餃子以外には、鶏肉のソーセージも人気があった。
豚肉より油っぽくないのに味がしっかりしていて、ビールと一緒だったら一生食べられそう。今思えば、鶏肉のソーセージって初めて食べたかもしれない。
終わってみれば店長もニッコリ笑顔だったし、編集部の人たちも満足そうで、帰りにお土産を買っていくほど水郷のとりやさんを気に入ったようだ。
Amazonレビューで言えば☆5.0を超えて☆7.0。遊戯王で言えばブラック・マジシャン級だ。
そして僕も卵、下総醤油、焼き鳥を買って帰ってきた。店長に
- うちの卵とかつお節と下総醤油で作る卵かけご飯は本当に絶品です!ぜひ家で食べてみてください!
と勧められたからである。
言われたように用意してみたが、正直言って「卵かけご飯」なんて毎日のように食べてますからね。そんなに簡単には感動しませんよ。
取材先のお店ではめちゃくちゃに褒めてきましたけど、家に帰ってきてまで簡単に「うまい!!」なんて言いませんからね?
モグモグモグモグ……うめぇ……!
モグモグモグモグ……うますぎる……!
水郷のとりやさんの
卵かけご飯最高!! !!!!!!!!!!!!!!!!!!
(※鶏肉だけのスペシャルお重は今回の記事で特別に作らせていただいたもので、通常の商品・メニューとして提供されているものではありません)
著者:megaya (id:megaya0403)
大学中退→ニート→ママチャリ日本一周→Webプログラマという経歴で、趣味でブログをやっていたら「おもしろ記事大賞」で賞をもらい、いろいろなところで記事を書かせてもらえるようになりました。嫌いな食べ物はプラスチック。
ブログ ジャーニーとモアイとめがね / Twitter:[twitter:@megaya0403]
*1:ナナフシは体が細長い昆虫で、植物の葉や枝に擬態した姿が特徴。