「それどこ」では、2016年1月から全9回にわたりお取り寄せマンガ「ゆかいなお取り寄せで日本一周」をお届けしてきました。今回は完結記念! ということで、執筆を担当したマンガ家・イラストレーターのくらふと(id:craft_kim)さんと、商品のセレクトを担当した“お取り寄せグルメの達人”こと楽天スタッフの前田真さんの対談をお届けします。
これまでに食べた全27品の中から、くらふとさんが選んだBEST3商品を楽しみつつ、連載の振り返りやお取り寄せの楽しさ・コツなどをお二人に語っていただきました。
肉を超えたハンバーグ、27cmの焼き鳥、社長がアツい牛タン
――「ゆかいなお取り寄せで日本一周」を読んでいた方も、毎回、商品を選んでくれていた前田さんの存在は知らないかと思います。まずは“お取り寄せグルメの達人”と呼ばれている理由を教えていただけますか?前田:僕は普段「楽天市場うまいもの大会」など、楽天のグルメショップが出店するイベントなどを企画しています。イベントのたびにだいたい100品ほど試食していて、年間だと……どれくらいだろう。ちょっと数え切れないですね(笑) 個人的にもお取り寄せが好きで、いつの間にか“達人”と呼ばれるようになりました。
――今回の連載では、全国9エリアの名物グルメ27品を、すべて前田さんに選んでいただきました。くらふとさん、連載を振り返ってみていかがですか?
くらふと:どれもおいしくて、さすが達人だなと……! 選ぶのが難しいんですが、一番おいしかったのはやっぱり、第8回「東海編」で食べた松良の「松阪牛100% 黄金のハンバーグ」ですね。
【楽天市場】 【松阪牛 100% 黄金の ハンバーグ 6個入】:松阪牛 三重松良
前田:間違いない! ではさっそく……(もぐもぐ……)いやもう、普通のハンバーグとは全く違う。何回食べてもおいしい!
くらふと:何も付けなくても、肉のうま味だけで充分おいしいんですよね。
前田:松坂牛100%、おいしくないわけがない。わざわざハンバーグにしなくてもいいくらい、高品質のお肉を使ってますからね。
――そういえば、くらふとさん、毎回「おいしかったです」と感想メールを送ってくださってましたが、ハンバーグのときはちょっとテンションが違いましたよね。
くらふと:本当においしかったんです(笑)
前田:「肉」を超えてますよ、このおいしさ。東海編と聞いたときに「この商品は必ず入れないと!」と思いました。楽天市場の中でもかなりの人気商品です。
くらふと:次は、第5回の「関東編」で食べた、水郷のとりやさん「水郷どりまるごと一本焼き」。いやあ、何回みてもやっぱり大きいですねこの焼き鳥は……!
【楽天市場】 焼き鳥 水郷どりまるごと一本(2本入):水郷のとりやさん
前田:全部で27cmありますからね。(ぱくっ)う〜ん、ジューシー。
くらふと:全部で12種の部位がささっていて、1本で居酒屋気分が楽しめる。どれもおいしいけど、僕は皮やナンコツが好きです。
前田:これ、上の「そり(ももと腰骨をつなぐ貴重な部位)」から一番下の「もも肉」まで、食べる順番にささっているんですよ。あとは、均等に火が通るように、部位によって大きさを変えていたりと、計算され尽くした1本なんです。ぜひ、上から順番にかぶりついて、味の違いを楽しんでほしい!
かぶりつきがいのある大きさ
くらふと:連載で取り寄せたのは「塩」でしたが、「タレ」もあるんですね。
前田:「タレ」もおいしいですよ。両方おすすめです!
くらふと:塩を選んだ理由は特にないんですね(笑)
前田:「水郷のとりやさん」は、精肉店の3代目だったお父さまが「このままでは店がダメになる」ということでネット通販を始められた、楽天市場の老舗店なんです。4代目の息子さんは、もともとミシュランの星を獲得した焼き鳥店で修行されていて、この焼き鳥にはそのノウハウが詰まっているんです。
くらふと:焼き鳥のプロが作ってるんですね! それは、おいしいわけです。
前田:こんなに本格的な焼き鳥が、湯せんで温めるだけで食べられるなんて、本当に素晴らしいですよ。
くらふと:最後は、第3回「東北編」に登場した牛タンです。「塩味」「味噌味」の厚切り牛タンと、ゆでたんの計3種がセットになっています。肉がしっかり厚くて、食べごたえがあるんですよ。
【楽天市場】 東山名物 仙台厚切り牛たんお試しセット(牛タン塩味・ゆでたん・仙台味噌牛たん福袋):炭焼牛たん東山 楽天市場店
前田:この商品も、焼き鳥と同じく調理がとても楽ですよね。
くらふと:そうなんです。お肉に切れ目が入っているのですぐ焼き上がりますし、ゆでたんは湯せんするだけ。どれもおいしかったですが、僕は、お肉の味をしっかり感じられる塩味が好みです。
くらふとさんおすすめ、塩味の厚切り牛タン
前田:「炭焼牛たん東山」は仙台を中心に展開していて、通販の商品であっても一切妥協せず、最大限お店で出している味に近づけています。社長はもともとアルバイトで「おいしいものを喜んで食べてもらいたい」というアツい情熱で社長まで上り詰めた方なんです。楽天のイベントにもよく出店してくださっています。
くらふと:イベントでも人気のお店なんですか。
前田:毎回行列ができるほどの人気店ですよ。最近はお忙しくて機会が減りましたが、社長自らイベントで肉を焼くこともあるんです。先日話したときは「食べ物にスポットライトが当たっていると、おいしそうに見えるでしょう。食に対する情熱はスポットライトみたいなもので、どんなときもおいしいものを売りたいという“情熱”で肉を焼かなくてはいけない」とおっしゃっていて、感動しましたね。
くらふと:ものすごい情熱ですね……!
デザート〜おいしいお店のものは、おいしい〜
――さて、BEST3商品を食べたわけですが……。見事に全部お肉でした(笑)
前田:くらふとさん、めちゃくちゃお肉好きですね。
くらふと:はい(笑)。第9回「関西編」のバームクーヘン豚もめちゃくちゃおいしくいただきました。実は、第1回「北海道編」の特大ホタテもおいしくてインパクトがあるから候補に挙げていたんですが、まだ水揚げされていなくて……残念。
前田:あのホタテは本当に大きいですよね! 食べたかったなあ。さてさて、お肉をたらふく食べてお腹いっぱいになったところで、お口直しにそろそろデザートはいかがですか?
【楽天市場】 リコッタと洋ナシのアイスをはさんだ柔らかいビスコッティーのサンド
くらふと:おおお! おいしそうです! これはなんですか?
前田:リコッタチーズと洋ナシのアイスを、柔らかいビスコッティーではさんだ、ハイ食材室の「リコッタ・エ・ペーラ」です。僕もまだ食べたことがないんですが、せっかくなので新しいものを試してみたいなと!
くらふと:ありがとうございます、いただきます!……洋梨の風味がしっかり感じられますね。ビスコッティーもサクサク。これまでお取り寄せした商品の中でも、かなり上位のおいしさです。
前田:あっ……。これ、おいしい……! いや……おいしい!
くらふと:2回言いましたね(笑) なんでこのデザートに惹かれたんですか?
前田:ハイ食材室さんは生ハムやチーズなどを販売している輸入食材店で、取り扱っている商品がどれもいいものばっかりなんです。「おいしい食材をそろえているお店がわざわざ販売しているデザートなんだから、もしかしてすごくおいしいものなのでは?」と思い、ずっと気になってたんですよ。
くらふと:なるほど「おいしいお店のものはおいしい」ということですね。デザートまでいただけて、お腹いっぱいです!
お取り寄せは、お店とお客の「真剣勝負」
――お腹がいっぱいになったところで、“お取り寄せグルメの達人”前田さんにお取り寄せに関するアレコレを聞いてみたいと思います。そもそもお取り寄せって、どういった方々が利用されているんですか?
前田:楽天市場では、40代以上の方が多いですね。「日常の中のちょっとした楽しみ」として買ってくださっているようです。ちなみに、お取り寄せって、水曜にグッと購入が増えるんですよ。みなさん、週末の楽しみにされているみたいですね。
くらふと:ほほう。今回の連載では、全国の商品を9エリア別に紹介しましたが、実際、人気の「エリア」はどこになるんでしょうか?
前田:正確なデータではなくて個人の体感ですが、北海道や九州だと思います。北海道は「食」の宝庫で、ネット通販をけん引してきた存在ですし、九州もうまいものがいっぱいありますし。
くらふと:どちらも日本の“端っこ”ですが、通販だと「なかなか行けない場所のおいしいもの」を気軽に食べられますもんね。しかし、北海道や九州のものが発送から1〜2日で届いてすぐ食べられるって、よくよく考えてみるとすごいことです。
前田:いや、本当にそうですよ。配送業者さんありきの、ありがたい話です。
くらふと:そういえば僕、普段は簡単な料理しかしないので、商品とともに送られてくる「調理方法やコツ」をまとめた説明書にとても助けられました。実は全部取っていて、今日持ってきたんですが……(ごそごそ)
前田:すごい!
くらふと:一番丁寧で分かりやすかったのは、先ほども話題になった「特大ホタテ」の説明書です。殻付きのホタテを自分で処理するなんてこと、今までしたことがなかったので、すごく参考になりました。
前田:そうですよね。“注文を受けて商品を発送する”という意味では、この説明書は必須ではないんです。でも、この紙が1枚入っているだけで「次」の注文につながることがある。通販の商品は「自分」で調理しなくてはいけないから、おいしく食べてもらうために、作り方や食べ方をちゃんと伝えることが重要なんです。人気の店舗さまは、こういった丁寧な説明書を添えているところが多いですね。
くらふと:なるほど。商品ページに作り方の動画を載せているお店も分かりやすかったです。
前田:動画を使う店舗さま、最近増えてきていますね。みなさん、自分たちで撮影したり、外注したりして作成しているんです。本当に「努力」の一言だと思います。楽天の担当者はかなりの頻度で店舗さまと会話し、いろんなノウハウを伝えているんですが、逆に効果があった施策を教えてもらうこともありますよ。
くらふと:この対談の中で何度か話にあがっていますが、お店の方の情熱って本当にすごいんですね。
前田:「食」の分野は、本当にアツくて面白いんです。地元で頑張っているお店がもっとたくさんの人に味わってほしかったり、小売店にしか卸していなかったお店が直接お客さまに販売したかったり、みなさんいろんな理由でネット通販を始められていて。商品に対して「並々ならぬ思い」があるんです。
くらふと:どのお店にも、ストーリーがあるんですね。
前田:通販の商品はだいたいが冷凍で長期保存もできますが、生ものなど「届いたらすぐ食べてください」というものがあって、実際とっても売れているんです。僕、そういう商品を販売することってすごい情熱だなって思うんです。新鮮だったり、保存料を何も入れてないからこそ賞味(消費)期限が短いわけで、決して悪いことではない。そんなこだわりの品をネットで売る情熱も、商品の到着に合わせて予定を組んでいるお客さまもすごい。「真剣勝負」だなって思います。
お取り寄せする前に「レビューの熱量」を見るべし
――前田さんが考える「お取り寄せ生活がもっと楽しくなる方法」があれば教えてください。
前田:お取り寄せの楽しさって「選ぶこと」だと思うんです。ネットには、全国各地のたくさんの商品がそろっているから「これ、おいしいかな」「こっちも気になる」なんて考えながらいろいろ探せる。そして探すときにはぜひ「レビュー」を参考にしてほしいです。すでに買ったことがある人たちの意見がレビューで読めるのも、ネット通販のいいところですから。
くらふと:レビューでは、どういったところをチェックするといいですか。
前田:件数の多さや点数などももちろん重要ですが、個人的には内容の「熱量」で比べてみてほしいです。
くらふと:熱量!
前田:本当においしいものは、熱量のあるレビューが連なっています。喜んで食べたんだろうなというのが伝わってくる。先ほど食べた松良さんのハンバーグのレビューなどもすごいですね。
――「すでに食べた人の意見」という点では、今回の連載もそうですよね。前田さんが厳選した商品を、さらにくらふとさんが食べて「レビュー」している。
くらふと:そうですね。この連載が、まだお取り寄せの楽しさを知らない人の入り口になればうれしいです。最近、お取り寄せではやってるジャンルや商品はありますか?
前田:最近だと、ふるさと納税はお取り寄せ業界的にビッグトピックでした。
――「それどこ」でも、ヨッピーさんのふるさと納税記事がとても人気でした。いろんな商品があって、消費者的にも狙い目ということでしょうか。
前田:狙い目ですよ。ふるさと納税の商品は自治体が選定していて、名産品だけど楽天市場に今まで出品されていなかったものがけっこう含まれてるんです。
――それではくらふとさん、まだまだお取り寄せをしたことがない方に向けて、「先輩」アドバイスはありますか?
くらふと:そうですね、日常的なお取り寄せはハードルが高い方も多いと思うので、まずは、ちょっと贅沢をしたいときや、誰かへのプレゼントとして注文してみてはどうでしょうか。おすすめは旬のもの、季節のスイーツなどです。
前田:スイーツもたくさん品揃えがありますからね。
くらふと:この連載でいろんなお取り寄せを楽しんでみて、いくつか学んだことがあるんです。まずは、調理方法や必要な調理器具は、事前に商品ページで調べておくこと。薬味などが付いているかどうかも要チェックです。あとは「量」ですね。ひとつの商品をいろんな個数入りで販売しているお店が多いので、1人暮らしの方やどんな味か試してみたいという方は、まずは少量のものを注文するといいと思います。
――なるほど。くらふとさんが今後「取り寄せてみたい」と思う品はありますか?
くらふと:お酒が気になっています。
前田:楽天市場ではお酒もいっぱいありますよ~! 特にワインは、世間一般の販売シェアのうち楽天がかなりの数を占めているんです。ワインってとっても種類が多いから実店舗ではなかなか置き切れなくて、ピンポイントで欲しいものがあってもなかなか手に入らないんです。ワイン好きの方はネット通販を駆使されているし、ワインにあまり詳しくない方に向けて「◯本セット」などの商品を販売しているお店も多いから、いろんな層の方が重宝してくださっていますね。
くらふと:今度はぜひ、お酒に挑戦してみたいと思います!