イカの捌き方は意外と簡単!手順に沿えば初心者でもきれいにさばくことができます。今回は、特に身近なスルメイカ、ヤリイカ、アオリイカのさばき方を種類ごとに解説。食べ尽くすためのレシピも紹介します。
こんにちは。イカを愛するライターの佐野まいけるです。「日本いか連合」という団体に所属して、イカの同人誌を作ったりイカの記事を書いたりしています。
私はイカを解剖するのが趣味なので、生イカ(この記事内では「丸ごとそのままのイカ」のことを生イカと呼ぶことにします)をスーパーで買って調理することも多いのですが、最近はちょっとマンネリ。というのも、近所のスーパーに置いているのはスルメイカだけなのです。
特にこの頃はコロナ禍で、イカを釣るための釣行(ちょうこう)や他県への遠征もままならず、他の種類のイカを手に入れる機会が減ってしまいました。またイカ釣りができる日を夢見て、釣り具を通販で購入する日々……。
いや待てよ。釣り具じゃなくて、イカそのものを通販してしまえばいいのでは?
通販でイカを取り寄せた経験はなかったですが、釣りに出かけなくても各地のイカたちが手に入るのはめちゃくちゃありがたい。イカマニアの私から見ても、楽天市場には新鮮そうな生イカが目白押しです。画面をスクロールするだけでほくほくに……。
というわけで、今回はメジャーどころな3種の生イカ(スルメイカ・ヤリイカ・アオリイカ)を一からさばいて食べ尽くす様子をお届けします。
イカは好きだけど、家でさばいて調理するまではちょっとハードルが高くて手が出せない……と考える人も多いのではないでしょうか。
難しそうと思いがちですが、ポイントを押さえれば、初心者でも簡単に生イカをさばくことができます。自分でさばくと楽しさもおいしさも倍! ぜひ一度取り寄せてみてほしいです。
さばいたイカは塩辛や唐揚げなどさまざまな料理にできるので、家でちょっとしたイカパーティーもできますよ! これがまた楽しいのです……!
イカをさばいたことがない人でも分かりやすいよう、さばき方はイカの種類ごとに紹介します。また、おいしく食べられる簡単でおいしいレシピも部位ごとに載せましたので、ぜひ生イカを取り寄せて記事を読みながら調理を試してみてください。
「スルメイカ」を詳しく見る
「ヤリイカ」を詳しく見る
「アオリイカ」を詳しく見る
- 生イカを家でさばいて食べる魅力
- 生イカをさばいてみよう
- 基本のさばき方を学べる「スルメイカ」
- さばき方はほとんどスルメイカと同じ「ヤリイカ」
- 薄皮をむくコツを押さえよう!「アオリイカ」
- さばいた生イカを食べ尽くすレシピ
- 〈スルメイカ〉塩辛
- 〈スルメイカ〉ゴロ焼き
- 〈スルメイカ〉イガメンチ
- 〈ヤリイカ〉ヤリイカ丼とヤリイカめんたい
- 〈ヤリイカ〉ゲソとヒレのエスニック風サラダ
- 〈アオリイカ〉皮ポン酢
- 〈アオリイカ〉お造り
- 〈アオリイカ〉墨汁
- 〈3種類共通〉イカの口の塩焼き
- 〈3種類共通〉イカの頭軟骨の唐揚げ
- イカの楽しみ方は無限大
自分でさばくからこそ“希少でおいしい部位”も食べられる。生イカを自宅でさばく魅力
生イカを丸ごと購入して自宅でさばく最大の魅力は、切り身を買ってくるのでは味わえないさまざまな部位を堪能できること。
肝臓、墨、口、軟骨、皮など、希少な部位が手に入るので、例えばオリジナルの塩辛を作るなんて楽しみ方もできます。塩辛は自家製なら自分好みに味付けできますし、寝かせてから日を追うごとに変化していく味わいを確かめて、ベストの熟成具合を見極めるというのもオツなものです。
早速生イカを注文しましょう、と言いたいところですが、それでもイカを自分でさばくのは抵抗があるという人もいますよね。
また「さばき方がよく分からない」「生臭いゴミが出て嫌だ」「ナマモノだから賞味期限が短い」「切り身を買ってきた方が早い」とも思いがちですが……そんなあなたにぜひ知っていただきたいことがあります!
まず、イカは魚と違って骨がないので、さばくのはとても簡単です。同様の理由から、イカは捨てるところが少なくゴミがコンパクト。夏場など少しでも生臭さが気になる場合は、ゴミをポリ袋で密閉してゴミ回収の直前まで冷凍しておけば問題ありません。
ゴミだけでなく、食べる部分も冷凍できるのがイカの良いところ。イカは冷凍保存で味が損なわれることがない、大変優秀な食材なのです。イカの種類によっては冷凍した方がむしろおいしいこともあります。
新鮮なイカを手に入れたら、丸ごと冷凍庫に放り込んでもよし、食べるサイズに切り分けてから冷凍するもよし。さらには、再冷凍も可能という稀有な存在。食べきれなくても安心ですね。
スルメイカ・ヤリイカ・アオリイカのさばき方を種類ごとに解説
それでは、今回はスルメイカ・ヤリイカ・アオリイカをさばいていきたいと思います。実力派ぞろいの3種類、どうやって料理してやろうかと腕が鳴ります。
種類によって細かな手順は異なりますが、「つぼ抜き」と「開き」という2つのさばき方を覚えておけば、大体のイカに応用できます。
- つぼ抜き:イカ飯やイカリングなど、袋状の胴を生かしたり輪切りで使ったりしたいときに使うさばき方
- 開き:刺身や炒め物など、胴の原型を留めなくても良い料理のときに使うさばき方
私はいつも開いて解剖してしまうので、つぼ抜きをするのは実はひさしぶりです。
イカは下処理だけなら、包丁はほとんど使いません。素手と先が尖った小さめのハサミがあれば、大体のことが出来てしまいます。
【1】まずは基本から! 「スルメイカ」のさばき方
まずは、スルメイカを使ってイカの基本的なさばき方を紹介します。日本で最も漁獲されているイカなので、イカといえばスルメイカをイメージする人も多いでしょう。他のイカと比べて肝が立派でおいしいので、塩辛やゴロ焼きにも向いています。
今回購入したのは八戸産の船凍スルメイカ。その名のとおり、船で冷凍したイカです。
冷凍は質が落ちるようなイメージがあるかもしれませんが、船凍イカはその逆! 釣りたてのイカを船上で急速冷凍しているので、冷蔵で長時間輸送されたものより鮮度が保たれているのです。鮮度が命の肝臓も食べられます。
業務用の冷凍設備でしっかり冷凍されているので、アニサキス症の心配も少ないです(寄生虫の一種であるアニサキスの幼虫は、-20°Cで24時間以上冷凍すると死滅すると言われています)。
丁寧に解説したのでちょっと工程が多いように見えるかもしれませんが、慣れれば15分もかからないくらいです。つぼ抜きと開きの順番にさばいていきます。
- 解凍する(冷凍されたイカを買った場合)
- 胴から内臓を引き抜く
- 墨袋を取る
- 食べない内臓を取りのぞく
- 肝臓、頭、ゲソを分ける
- 頭から目を取りはずす
- 口とゲソの処理をする
- 胴から軟甲と残った内臓を抜きとる
- ヒレを外す
- 胴の皮をむく
- 身を開いてきれいにする
- バット
- ジップロックなどの袋
- まな板
- ゴム手袋
- 包丁
- 小さめのハサミ
- キッチンペーパー
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2.胴から内臓を引き抜く
まずは「つぼ抜き」から始めます。
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3.墨袋を取る
4.食べない内臓を取りのぞく
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5.肝臓、頭、ゲソを分ける
6.頭から目を取りはずす
7.口とゲソの処理をする
8.胴から軟甲と残った内臓を抜きとる
そんな進化の過程に思いを馳せながら軟甲を抜き取ります。背中側に張り付いているので、手で剥がしながらズルッと引っ張りましょう。
ここまでで「つぼ抜き」は完了です。お疲れさまでした!
9.ヒレを外す
ここから先は「開き」の手順になります。
10.胴の皮をむく
11.身を開いてきれいにする
ちなみに「開き」をせずに「つぼ抜き」だけでさばく場合、身を開かないので、内蔵が先端の方に残ってしまうこともあります。イカリングなど輪切りにする場合は切る段階で内臓を取り除きますが、イカ飯の場合はそうもいきません。
そういう時は神経質にならず、内臓ごと食べてしまって大丈夫です!(残るのはとがった部分に入っている卵巣か精巣がほとんどなのですが、結構おいしかったりします)
「キッチンペーパー」を詳しく見る
これで一通りイカをさばき終えました。ここまでで疲れてしまったら一旦全て冷凍しておいてもいいですし、元気が残っていればそのまま調理に移りましょう!
なお、皮、頭軟骨、口など1匹から少ししかとれない部位は、それぞれ分けてジップロックなどに入れて冷凍しておくのがおすすめです。イカをさばくたびにそこにパーツを足していき、ある程度量が溜まってから料理するのです。
【2】さばき方はほとんどスルメイカと同じ! 「ヤリイカ」のさばき方
スルメイカで自信がついたところで、次はヤリイカに挑戦してみましょう。さばき方はスルメイカとほとんど同じです。
繊細な甘みをもつヤリイカは、イカの女王様とも呼ばれる冬の高級イカ。火を通しても固くなりづらいので、刺身だけでなく煮つけなどにしてもおいしいイカです。
- スルメイカと同じ手順で「つぼ抜き」まで処理する
- ヒレの皮をむく
- まな板
- ゴム手袋
- 包丁
また、身を開く工程、内臓処理などはすべてスルメイカと同じです。
2.ヒレの皮をむく
もちろんこの皮も食べられるので取っておいてくださいね。
ヤリイカは、食べられる部位・ついている部位もスルメイカと全て同じです。
【3】薄皮をむくコツを押さえよう! 「アオリイカ」のさばき方
ヤリイカが女王様なら、こちらは王様です。王様だけあってちょっと買うには勇気のいるお値段ですが、味は間違いないと私が保証します。飲み会を2回我慢すれば1kg超えの立派なものが買えますね。
高級料亭でも使われるだけあって、舌に絡みつく甘みと旨みの虜になること間違いなし。生きている姿が特に美しいので、イカファンの間では大人気のイカでもあります。ちなみに今回買ったアオリイカは石川県蛸島産でした。イカなのにタコとはこれイカに。
アオリイカはヒレの付き方がほかのイカと違うのと、厚い薄皮(矛盾してますが)がむきづらいので、コツを紹介します。
なお、今回紹介しているのは「開き」のみです。「つぼ抜き」もできなくはないのですが、今回紹介しているサイズのアオリイカ(一般に出回るサイズ)だと、内臓が大きくて抜きづらく、またスルメイカやヤリイカと違って墨袋が大きいので、墨でどろどろになりがちです。
また、胴を筒状のままさばくメリットもあまりありません(アオリイカは、イカリングやイカ飯にすることは少ないので)。
- 背開きにして軟甲を取りだす
- ヒレを取り外す
- ヒレの皮をむく
- 身の薄皮をむく
- バット
- まな板
- ゴム手袋
- 包丁
アオリイカは、イカ墨でキッチンが汚れないように、最初はバットの上でさばきます。
ここでも墨袋を取っておきましょう。取り方はスルメイカと同じです。
2.ヒレを取り外す
3.ヒレの皮をむく
4.身の薄皮をむく
2/3がむけたら、残った方の薄皮は、魚の皮をひく要領で皮を引っ張りながら削ぎましょう。これをしておくことで旨味が舌にダイレクトに届くようになるので、苦労しても皮をむくのをおすすめします。この薄皮も捨てずに取っておきましょう。
アオリイカにもスルメイカと同じ部位が付いていて、同じ部位が食べられます。
さばいたイカを食べ尽くす! 11種類のレシピ
イカはさばくまでが一番手間がかかるので、ここまでできたなら調理は楽勝です!
全体的に火を通し過ぎないこと、皮をむいた後の胴の身はなるべく水に触れさせないことさえ守れば、どう料理してもイカはおいしいです。
胴の身は甘さや旨みを、ゲソやヒレは食感を生かした料理にすると良さを引き出せますよ。
ちなみに、スルメイカレシピ、ヤリイカレシピと区別はしていますが、スルメイカの部位で他のイカレシピを作ることも可能なので、いろいろとアレンジしてみてくださいね。
- 【1】スルメイカ
- 【1-1】スルメイカの塩辛
- 【1-2】スルメイカのゴロ焼き
- 【1-3】スルメイカのイガメンチ
- 【2】ヤリイカ
- 【2-1】ヤリイカ丼とヤリイカめんたい
- 【2-2】ヤリイカのゲソとヒレのエスニック風サラダ
- 【3】アオリイカ
- 【3-1】アオリイカの皮ポン酢
- 【3-2】アオリイカのお造り
- 【3-3】アオリイカの墨汁
- 【4】スルメイカ・ヤリイカ・アオリイカ共通の部位を使ったレシピ
- 【4-1】イカの口の塩焼き
- 【4-2】イカの頭軟骨の唐揚げ
【1】新鮮な肝臓が絶品な「スルメイカ」を使ったレシピ
【1-1】スルメイカの塩辛(使う部位:身、肝臓)
スルメイカの醍醐味はなんといってもその大きな肝臓。自分でさばいたからこそ手に入る新鮮な肝臓で、塩辛を作ってみましょう。余分な水分を抜いてから身と肝を合わせるのが生臭くならないコツです。
【材料】
- スルメイカの身……1/2杯分
- スルメイカの肝臓……1杯分
- 塩……適量
- しょうゆ……お好み量
- みりん……お好み量
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【作り方】
2.塩を振りかけて一晩以上置く
3.身を細切りにする
4.肝臓に振りかけた塩を洗い流す
5.細切りにした身と肝臓の中身を混ぜ合わせる
もし冷凍されていないイカを使った場合は、アニサキスを死滅させるために、この時点でさらに丸1日以上冷凍してから食べることをおすすめします。
調味料に漬けて寝かせることで塩気の角が取れ、旨みたっぷりの塩辛になります。
市販品より肝の風味が濃くて、お酒もご飯も進みます。冷蔵なら5日くらいで食べきりましょう。たくさん作って小分けにして冷凍しておけば、いつでも自家製塩辛が食べられるという心の余裕が生まれます。
【1-2】スルメイカのゴロ焼き(使う部位:身、肝臓)
もう一品、肝臓を生かした料理を作りましょう。塩辛が苦手という人は、ぜひこちらを試してみてください。
今度はつぼ抜きにした身を使います。身は輪切りにして、肝は軽く塩をして15分ほど置いておきます。
【材料】
- スルメイカの身……1/2杯分
- スルメイカの肝臓……1杯分
- バター……5g
- すりおろしにんにく……少々
- しょうゆ……お好み量(数滴)
- 長ネギ……お好み量
【作り方】
2.調味料で身と肝臓を炒める
器に取った後、カットした長ネギを散らして完成です。
スルメイカは火を通しすぎると固くなるので、手早く炒めるのがコツ。ゴロ焼きはにんにくの風味が食欲をそそり、日本酒だけでなくビールにも合います。
【1-3】スルメイカのイガメンチ(使う部位:ゲソ)
今度はゲソを使って、青森県弘前市の郷土料理「イガメンチ」(青森だとこう呼ばれています)を作ってみます。
イカのゲソを包丁でたたき、野菜と一緒に小麦粉を混ぜて揚げ焼きにしたイガメンチは、家庭によって入れる野菜やゲソの叩き具合が違うそうです。私は試しにキャベツと玉ねぎを入れてみました。
【材料】
- スルメイカのゲソ……お好み量
- キャベツ……ゲソの重さの1/3量くらい
- 玉ねぎ……ゲソの重さの1/4量くらい
- 卵……ゲソ200~400gに対して1個くらい
- 塩こしょう……お好み量
「キャベツ」を詳しく見る
「玉ねぎ」を詳しく見る
「卵」を詳しく見る
【作り方】
面倒だという方は半分ほどをフードプロセッサーに任せるとお手軽です。もう半分は食感を残すために包丁でみじん切りにしましょう。
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2.ゲソと野菜、調味料を混ぜ合わせる
3.フライパンで揚げ焼きにする
揚げている間からイカの香ばしい匂いが漂って、もうたまりません。熱々のうちにいただきましょう。
外はサクサク、中はぷりぷりでいくつでも食べられますね。翌日用に取っておく予定だったのに、夫と2人で11個全て食べきってしまいました。七味を振ったマヨネーズで味変しても楽しめるとのこと(私はマヨネーズが食べられないので、夫談です)。
【2】繊細な甘みを堪能できる「ヤリイカ」を使ったレシピ
【2-1】ヤリイカ丼とヤリイカめんたい(使う部位:身、ヒレ、皮)
まずは、ヤリイカ丼とヤリイカめんたいです。ヤリイカ丼では、タレと卵黄が絡んだヤリイカの繊細な甘みを堪能できて、思わずうっとりしちゃいますよ。
【材料】
- ヤリイカの身……お好み量
- ヤリイカのヒレ……お好み量
- ヤリイカの皮……1杯分
- ご飯……お好み量
- 卵黄……1人分に対して1つ
- しょうゆ……大さじ3
- みりん……大さじ3
ヤリイカめんたい
- ヤリイカの身……ヤリイカ丼で余った分
- 明太子……適量
【作り方】
2.余った身を明太子と混ぜ合わせる
ヤリイカ丼は、柔らかい身とコリコリ食感のヒレ、対照的な食感が楽しいです。イカの最高の部位はヒレだと言って譲らない友人がいるのですが、確かに頷けます。
ヤリイカめんたいも、市販のものよりイカも明太子もお互い存在感があって、贅沢な気分が味わえます。
【2-2】ヤリイカのゲソとヒレのエスニック風サラダ(使う部位:ゲソ、ヒレ)
今度はゲソとヒレを使った、火を通した料理をひとつ。エスニック風サラダを楽しめます。
【材料】
- ヤリイカのゲソ……1杯分
- ヤリイカのヒレ……お好み量
- ミョウガ……1つ
- セロリ……お好み量
- レモン汁……お好み量
- ナンプラー……大さじ1
- ごま油……大さじ1/2
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「レモン汁」を詳しく見る
「ナンプラー」を詳しく見る
「ごま油」を詳しく見る
【作り方】
2.材料をすべて和える
ゲソとヒレに、薄切りにしたミョウガ、セロリを合わせ、レモン汁、ナンプラー、ごま油で和えたら完成です。
レモンの酸味とナンプラー&ごま油の香りで食欲増進。甘さ控えめでコリっとしたゲソとヒレによくマッチしています。
【3】ねっとりした旨みがおいしい「アオリイカ」を使ったレシピ
【3-1】アオリイカの皮ポン酢(使う部位:外皮、薄皮)
こちらは、捨てがちな皮を使ったおつまみ向けのレシピです。
【材料】
- アオリイカの外皮……1杯分
- アオリイカの薄皮……1杯分
- ポン酢……お好み量
【作り方】
意外と分厚い皮のくにゅくにゅした食感が面白く、ちゃんと甘みもあります。この味を知ったら、皮を捨てるなんて考えられなくなりますよ。
【3-2】アオリイカのお造り(使う部位:身)
アオリイカについては、とれたてよりも一度冷凍して寝かせた方がねっとりした旨みが出て私は好みなのですが、コリコリ食感が好きという人もいるので、自分の好みに合わせた状態でお刺身にしてみてください。
今回は焼霜作り、鳴門巻き、糸造りと3種の造り方で味の違いを楽しむことにしました。
【材料】
- アオリイカの身……お好み量
- 海苔……適量
【作り方】
「ガスバーナー」を詳しく見る
2.身に縦の切れ目を入れ、海苔を巻き込む
3.身を細く切る
寝かせたアオリイカのねっとりした旨味は別格です
しょうゆや塩で食べてもおいしいのですが、カボスを絞って細かく切った塩昆布を付けて食べるのが絶品です。この食べ方は料理のプロの方に教えていただきました。
【3-3】アオリイカの墨汁(使う部位:墨袋、身、ゲソ)
続いて、アオリイカの大きな墨袋を使って、沖縄料理の墨汁を作りましょう。煮込む時間が長い(40分ほど)ので、余裕があるときに作るのがいいですよ。
【材料】
- アオリイカの墨袋……1個
- アオリイカの身……お好み量
- アオリイカのゲソ……お好み量
- 島豆腐……1/3丁
- ニガナ(ほうれん草)……1/3束
- 豚バラ肉……150g
- かつお出汁……600cc
- 味噌……お好み量
- しょうゆ……お好み量
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「島豆腐」を詳しく見る
「かつお出汁」を詳しく見る
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【作り方】
2.ニガナ(ほうれん草でも可)と島豆腐を加えて煮立てる
島豆腐は品ぞろえが良いスーパーなどで手に入ります。用意できない場合は、木綿豆腐に重しをして、しっかり水切りしたものを使ってもおいしくできます。
3.墨袋を入れる
実は本物の墨汁を食べた事がないので、いつか沖縄で本物を味わいたいです
イカの出汁と墨の風味がしっかり溶け込んだ汁のおいしいこと。見た目のインパクトからは想像できない、体にしみるような優しい味わいです。
イカは簡単に噛みきれる柔らかさ。イカは中途半端に火を通すと固くなりますが、それを超えて更に煮込むとまた柔らかくなります。ほうれん草との相性も悪くなかったです。
【4】スルメイカ・ヤリイカ・アオリイカ共通の部位を使ったレシピ
最後に、イカ1匹から1つしか取れない希少部位のレシピを紹介します。たくさんイカをさばいて、希少部位を貯蓄していく楽しみを味わってください。
【4-1】イカの口の塩焼き(使う部位:口)
一番大きいのがアオリイカ、次がスルメイカ、小さいのがヤリイカの口です。ゴリゴリくにゃくにゃしていて旨味もかなり強く、これぞ珍味という感じ。量を溜めるのが大変なので、さばいた人の特権としてこっそり全部食べちゃいましょう。
【材料】
- イカの口……お好み量
- 塩こしょう……適量
【作り方】
【4-2】イカの頭軟骨の唐揚げ(使う部位:頭軟骨)
最後は私いちおしのメニューです。これを食べたくてイカをどんどん解剖してしまうほど。ゴリゴリの部分と少しトロリとした旨み部分の連携攻撃で、ビールを飲まずにはいられない!
【材料】
- 頭軟骨……お好み量
- しょうゆ……大さじ1
- 料理酒……大さじ1
- おろしニンニク……適量
- おろしショウガ……適量
- 片栗粉……適量
- 油……適量(たっぷりめに)
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「ショウガ」を詳しく見る
「片栗粉」を詳しく見る
【作り方】
ひと口大に切った頭軟骨に、しょうゆ、料理酒、おろしニンニク、おろしショウガを加えて揉みこみ、そのまま1時間ほど味を染み込ませます。
2.片栗粉をまぶして揚げる
レモンをきゅっと絞って召し上がれ。軟骨ってどうせ食感だけだろうとナメてかかると、(うれしい)返り討ちに合います。
イカの楽しみ方は無限大。各地域のイカを注文してみよう
いつもは解剖ばかりしていて「さばく」方はそこまで経験がなかったのですが、3杯もさばいたらあっという間にコツを掴めました。
また、自宅でさばく場合、私のように生き物の体に興味がある人なら、イカの体の構造を触りながら理解できるという嬉しい特典もあります。内臓が怖いという人も、どれがどの内臓か意識しながら見ると生き物のつくりの精巧さに心打たれる……かもしれません。
最初はさばくだけで手いっぱいかもしれませんが、イカはただ切るだけ、焼くだけでも十分おいしいから大丈夫。凝った料理でなくても、あっという間に食べ尽くしちゃいますよ。
また、通販を利用して感じたお取り寄せのいいところは、自分の地域では手に入りづらい種類のイカを手軽に入手できるところ。珍しいイカが入荷していないか、チェックするだけでも楽しいです。
ただし天候不順や不漁などで指定日に配送できないこともあるので、どうしても指定の日にイカを使いたい場合は早めに注文して、届きしだい冷凍しておくのがよいでしょう。
イカの旬というのは諸説あり難しいのですが、これからイカを購入しようと思っている人に向けて、季節ごとによく漁獲されるイカをまとめてみました。これらを参考に好きなイカを選んでみてくださいね。
- 春のイカ
- アオリイカ:春から夏に成体が漁獲される
- ホタルイカ:早春から初夏
- 夏のイカ
- スルメイカ:通年漁獲されるが、漁獲量が増えるのが夏
- ケンサキイカ:夏から秋
- コウイカ:夏から秋にかけて「新イカ」と呼ばれる若い個体が漁獲される
- 秋のイカ
- アオリイカ:秋に若い個体が漁獲される
- 冬のイカ
- ヤリイカ:冬から初春
- コウイカ:秋から初春に成体が漁獲される
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イカをさばくのに慣れてきたら、送られてきたイカの産地のイカ料理を調べて作ってみて、いつかはそこへ旅行して現地の料理と答え合わせをするのも楽しいかもしれませんね。
生イカの楽しみ方は無限大。今こそ一歩を踏み出してみてください!
著者:佐野まいける
イカを愛する会社員。イカの生き物としての魅力に憑りつかれ、イカの同人誌「いか生活」をvol. 2まで発行。日本いか連合のメンバーとしてイカの魅力を発信している。イカの解剖が趣味。ブログ:キリンはハマグリのなかま
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