それどこ

ミニマリストだけど、ものが好き。あえて買った持ち物で、自分がわかる

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推し活をしている人が「これ良い!」と思ったものを紹介しています

ものが好きなミニマリスト、おふみと申します。
2DK、44平米の賃貸に夫婦2人で暮らしています。

ミニマリストの夫婦2人の部屋

以前は、ものが大好きでどんどん収集し、汚部屋と化した部屋で過ごしていました。

2014年秋に、ふと「もっと暮らしをコンパクトにしたい。身軽になりたい」と思い、一念発起して断捨離を開始。
その思いはミニマリストのブログを読んで加速し、一軒家から2DKのアパートに引っ越して、その際に130kgのものを手放しました。
それ以来、自分が管理しきれない量のものは持たないように心がけています。

ものの量が少ないと、何を持つのか持たないのか、持ち物や、持たないことにしているものに人となりが表れます。
持たない暮らしを始めてからあえて買ったものを振り返ってみることで、自分の興味がどこに向いているのかを探ってみました。

朝と光を楽しむ「サンキャッチャー」

今年の1月に、木のフレームにクリスタルがぶら下がっているサンキャッチャーを買いました。

買い足したもの サンキャッチャー(イラスト)

朝日が当たるとキラキラと反射して、部屋中に虹を作ってくれます。

サンキャッチャー(写真)

ゆらゆらと流れる虹を見ていると心地よい。

この虹を見たいがために温かい布団から抜け出せているようなもので、朝起きるきっかけになっています。

サンキャッチャーの虹が見たい(イラスト)

このアイテムは、「朝と光を楽しむため」に活躍しています。

季節と諸行無常を感じる「花と花瓶」

春の初めに花瓶を買いました。D-BROSのもので、金沢の21世紀美術館に立ち寄ったときにミュージアムショップで購入しました。

ビニールでできているので、使わないときにはコンパクトに収納できます。

フラワーベース(イラスト)

汚部屋時代は、モノが多すぎていろんなものの管理ができず、せっかくもらったお花も枯らしていました。
自分には花なんて持てない……と花は買わないようにしていました。

ものを減らしてからは、持ち物の管理が行き届くようになって、家事も苦痛でなくなり、
「今の自分なら花のある暮らしができるかも」
と、花を買ってみることにしました。

フラワーベース(写真)
背の低い花を生けるのはジャムやトマトペーストの空き瓶や食器など、そのときにあるものを利用しています。

今は、スーパーで食材を買うついでに、半月に1回のペースで花屋にも立ち寄るようになりました。
そこで200円くらいの「季節の花束」をひと束だけ買って帰ります。

リビングの一角を、現代風「床の間」のようにしたいと考えています。
額に入れた手ぬぐいを壁にかけ、その下にスツールを置いて季節の花を飾り、季節の変化を楽しみたいと思っています。

花のある部屋の風景(写真)

花を飾ると、買ってしばらくはあんなに綺麗で生き生きしていた花びらが、半月も経つとはらはらと散っていきます。
透き通るような花びらが儚く散っていくのは淋しいけれど、美しいなと思います。

美しいという気持ちには、何もかも移り変わっていってそのままではいてくれないという変化を惜しむ気持ちが内包されています。
いつまでも見ていたいけれど、夕陽は沈むし、桜は散ってしまう。
美しいものは一瞬しか見られなくて儚い。
そういう惜しむような美しいものがあるって、淋しいけれど美しい。諸行無常を感じます。

日々同じように会社に通って、同じような仕事をして、忙しく暮らしていると、同じ日常をリピートしている気持ちになってくるけど、気がつけば1ヶ月が経っていて、1年過ぎ、5年過ぎていたりする。
花が移り変わっていくのを見ていると、1日1日変化していて、すべてのものは同じままではいないのだということを思い出します。

「季節と、移り変わっていくこと」を感じさせてくれるアイテムが、花と花瓶です。

風を感じる「モビール」

モビールは以前持っていたのですが、壊れてしまい手放しました。
風を受けてゆらゆらと揺れるのをぼーっと眺める時間が好きでした。

窓を開けて風にゆれるモビールを眺める時間をまた持ちたいなと思い、購入しました。

5羽の白鳥のモビール(イラスト)

何のモチーフにするかは、夫婦2人でずいぶん悩みました。
夫のこだわりは「素材は木ではなく紙がいい」。
わたしのこだわりは「黒以外の色がいい」「浮遊している動物のモチーフがいい」ということでした。
なぜか黒以外かというと、視界に入ったときに黒くてツヤツヤしたあの虫かと思ってビクっとするので。

季節を問わず使えて、落ち着いた色のものがいいと思い、最終的には5羽の白鳥のモチーフにしました。

5羽の白鳥のモビール(写真)

窓を開けていなくても、ちょっとした空気の動きをキャッチして、いつ見ても何かしら動いています。
空を浮遊する鳥を窓からぼうっと眺めることがよくありますが、モビールの白鳥も同じように眺めていることに気づきます。
ときに本当に浮遊しているように見えるときもあって、見ていて癒されます。

このモビールは、「風を楽しむこと」「ぼうっとする時間を楽しむこと」を与えてくれます。

光や風を感じて

ここまでに挙げたものの用途を書き出してみると、こんな共通点があります。

  • 朝や光や風や季節を感じて、ぼうっと過ごすためのもの
  • 一言で言えば「自然を感じてのんびりする」ためのもの

光、風、季節を感じてのんびりする。
それってまるでピクニックみたいだ。
わたしは、暮らしにピクニックの要素を取り入れたいのかもしれません。

自分にとって「ピクニック」は、「幸せ」という言葉から連想されるキーワードです。
小学1年生の初めての遠足は植物園で、芝生にシートを敷いてクラス全員で輪になってお弁当を食べました。

このとき「ピクニックは楽しい。幸せ。」という印象が強く焼きついたようで、「幸せ」のイメージ=ピクニック、と結びつくようになりました。

外はいい天気なのに朝から晩まで仕事のときはいつも
「ああ、こんな日にこのお天気を楽しむこともできないのか。ピクニックしたい。日向ぼっこしたい」
と思っていました。

今は故郷から遠く離れた土地に暮らしていますが、帰省するたびに欠かさず植物園や河原でピクニックしています。

ピクニック(写真)

ピクニックの何が好きなのか。

自分の場合は「風や光や季節の変化など、自然を楽しみながらのんびりすること」だと感じています。

晴れた日に芝生の上を歩くと、足裏でさくさくさくと芝の音がする。
木陰で座ってぼーっとする。
風が吹いてきて、春の匂いがする。
ああ、季節が変わってきている……。何も考えずに家族連れを眺める。

そういう時を過ごしているときに「ああ、幸せだなあ……」と思います。

ミニマリストの考え方とダイエット

テレビでも耳にするようになった「ミニマリスト」という言葉。最近は、言葉がひとり歩きしているようにも感じます。

ミニマリストというと「テレビも何もない独房のような部屋で、床に座ってポツーンと過ごしている」というイメージをする人もいるかもしれません。

しかし、ミニマリストを名乗る人たちのものの所持量は、人それぞれ。

例えば、極限までものを減らして食事をアウトソーシングする人もいれば、手作りの食事を楽しみたいから調理器具は揃えておく人もいる。バックパックひとつで旅しながら暮らしたい人もいれば、定住する家は持ちたくてその中でものを減らす人もいる。ずぼらだから管理できる量まで減らしたい人もいる。

……というように、自分の興味のある分野×管理できるキャパシティ×どのくらいの量で暮らしたいかという理想、によって物量は異なります。

最近、ミニマリスト(持たない暮らし)の考え方は、ダイエットで例えるとしっくりくるなと気づきました。

  • ダイエット …… 飽食の時代に、食べ過ぎないようにコントロールする
  • ミニマリスト …… ものが溢れる時代に、ものの所持量をコントロールする

太ってなければいい(収納技術を駆使してある程度の量を持つ)のか、もっと細くなりたい(収納しなくていいくらいに減らして、少ない量だけ持つ)のか、目指す細さ(物量)が違います。

ミニマリストは、ダイエットに例えると「太ってなければいい」というよりは「できるだけ細くありたい」という人、つまり少ない物量に惹かれ、目標にしている人たちなのかなと思っています。

買い足したものが揃った部屋(写真)

生み出した時間を何に使いたいのだろう?

ものを減らすと、メンテナンスや家事の労働も軽くなり、スペースだけでなく時間も生み出すことができます。
その時間を、自分の好きなこと・集中してやりたいことに使うことができます。
人生の中で好きなことにフォーカスするために、それ以外のものを減らしているミニマリストは多いように感じます。

生み出した時間を自分は何に使いたいのだろう? と考えたとき、わたしの場合は「ああ、幸せだな」と感じる時間を増やしたいと思いました。

自分が幸せを感じる要素が「自然を楽しみながらのんびりすること」だとわかれば、その時間を暮らしに取り入れて、人生の中で幸せだなと感じる時間を増やしていきたい。
持たない暮らしをするようになってから買い足したアイテムは、その用途を満たすためのものでした。

人それぞれ、幸せを感じるポイントは違うでしょう。
自分の持ち物を振り返ることで、それを見つけることができるかもしれません。

著者:おふみ (id:mount-hayashi)

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会社員。夫婦2人暮らし。著書に、ブログで公開した断捨離ライブ日記をまとめた『ミニマリスト日和』(ワニブックス)、少数精鋭の服で制服化してみることについて考えた『服を減らせば、おしゃれになる』(KADOKAWA)がある。

ミニマリスト日和 / @ofumi_3 / @ofumi_3