こんにちは。ライターの斎藤充博です。
突然ですが、話題の“IoT”という言葉をご存じでしょうか。“IoT”とは「Internet of Things」。日本語にすると「物のインターネット」になります。物?
IoTって何だ
調べつつ思ったんですが、そもそも「物」という言い方、これってなんなんですかね。抽象的すぎる。ますますIoTが何なのかわからなくなってきたぞ……。
さて、今日来ているところは「&AND HOSTEL UENO」です。IoTを体験できるホステルらしい。
案内してくれるのは「&AND HOSTEL UENO」の茶置貴秀さん。
茶置 確かに、IoTって言葉が一人歩きしている感じはしますね。
斎藤 でしょう。みんな絶対わかっていないと思います。
茶置 「&AND HOSTEL UENO」に来てもらえれば、すぐにわかると思いますよ。
チェックインしたら、部屋番号が書かれたスマートフォンを貸してもらいます。ここに部屋を制御するアプリが入っているそう。
スマートフォンで勝手に開くドア
茶置 ここでは全ての部屋の鍵がスマートロックになっています。スマートフォンで操作すると……。
カチャッ
ドアの奥でひとりでに鍵が開く音が。
茶置 鍵が開きます。
斎藤 ウワー! かっこいい!
斎藤 でも、これって便利なんですか?
茶置 鍵を開けただけでなく、部屋の明かりも同時に点くようになっているんです。部屋に入る人は必ず電気も点けるので。
斎藤 ハー。それはすごいや……。
茶置 今までのIoTって、一つの機器に対して、一つのアプリがあるのが普通だったんです。それって、機器が増えるとアプリも増えて面倒くさいですよね。そこでうちの会社が複数の機器を操作できるアプリを開発しました。
斎藤 それいいですね。
茶置 さらに、機器同士の連携もできるようになりました。だからドアの鍵と明かりが連動するんです。
部屋の中はこんな感じ。なんの変哲もないように見えるのですが、IoTの技術が詰め込まれているらしいです。
1,600万色の明かりがギラギラに変化する
茶置 ここで色々なことができるのですが……。まずスマホで明かりを変えてみますか。
斎藤 何これ。いきなり色が変わった!
茶置 「Hue」というWi-Fiにつながる電球です。スマホの操作で点けたり消したりするのはもちろん、明るさも変えられますし、色も1,600万色に変えられます。
斎藤 1,600万色って多すぎませんか。
茶置 多すぎますよね(笑)。なので、「春の陽気」や「リラックス」などいくつかの色をセットにして選択できるようにしています。
斎藤 一瞬で部屋の雰囲気がガラッと変わりますね。特にピンクがヤバいなあ。
ちなみに上のGIFアニメではポルターガイスト現象みたいな素早さで切り替わっていますが、これはぼくのGIFアニメ作成能力の問題で速くなってしまっているだけで、現実はもっとマイルドな切り替わり方をします。
パッパと明かりを切り替えると(普通そういう使い方はしませんが)、めっちゃカッコ良くないですか。さっきの鍵と同様、これも超能力者っぽい。IoT、だんだんおもしろくなってきましたね……。
今まで見たことのないスピードで動くカーテン
茶置 カーテンもスマホで開閉します。
ジジジジジ……という音を立てながら、赤ちゃんがハイハイするくらいの速度でものすごくゆっくりと開いてゆくカーテン。ちなみに上の画像ではそこそこ速く見えますが、こちらもGIFアニメを作ったら速くなってしまったパターンです(なんで……)。
斎藤 なんだろう……。ゆっくり動いているカーテン、ものすごく見ちゃいますね。
普段の生活だったらカーテンはシャッと一瞬で開いちゃうじゃないですか。こういう速度で動いているのを見たことがなくて、まるでカーテンが生きているみたいです……。
エアコンに洗濯機、生活家電もアプリで操作
茶置 一つのアプリに既存の家電のリモコンもまとめているんですよ。例えばスマホでエアコンを選ぶと、こういう画面になって、操作できます。
斎藤 画面かっこいいなー。観光に来ている外国人にもわかりやすそうな気がしますね。
スマホを操作すると……。
斎藤 おおー。動いた……!
ちなみにエアコンにスマホを向けなくてもアプリで操作すれば動くんですが、つい向けちゃいますね……。
茶置 「共用の洗濯機が今使用中かどうか」がわかる機能もあります。
茶置 洗濯機に「MESH」という機器が付いていまして、振動を感知するようになっています。
斎藤 便利なのは理解できるんですが、それよりも部屋の中で洗濯機の様子がわかるのって、なんかおもしろいですね……。
これも超能力者っぽいですね。しかも、超能力が生活に密着しすぎていると、なんか笑えてくるんです。超能力は便利すぎるとおもしろい、ということがわかりました。
朝になれば部屋にある機器が一気に目覚める
茶置 そうそう。朝起きる時間をセットしておくと、部屋にある機器がその時間に起動するようにできるんですよ。ライトとテレビが点いて、カーテンが開いて、エアコンも動き出す。
斎藤 超すごいっすね。やってみたいな。
というわけでやらせてもらいました。起きる時間を10分後にセットして……
寝る。
余談ですが、ぼくはいつでも寝るのが好きなので、取材中に寝られて超ラッキー!
…
……
………
……………(10分後)
いきなり、電気が点いて、テレビがしゃべり始めて、エアコンはうなり、カーテンが動き出した。今までに味わったことのない騒々しさ。一気に目が覚めますよ!
それでですね、理由がわからないんですが、めちゃくちゃ笑ってしまうんですよ、これ。
「唐突すぎるから」「やっぱり超能力っぽいから」「寝坊の防止というわりとしょうもない目的だから」「それを実現しているのがIoTという最先端技術だから」……色々考えたんですが、なんでおもしろいのかよくわからない。これは一回体験してほしいです!
どうしてこんなホステルを作ったのか
斎藤 どうしてこういうホステルを作ろうと思ったんですか。
茶置 うちはスマートフォンのアプリを作る会社なのですが、なぜか不動産事業部もありまして。ITと不動産を掛け合わせたらおもしろいんじゃないかって話になったんです。
斎藤 泊まった人はなんて言いますか?
茶置 「便利だね」って言ってくれる人がほとんどです。ただ、逆にこうしたIoT機器は面倒くさいって声も一部あります。それってすごく貴重な意見なんですよね。メーカーさんに伝えると、とても喜んでもらえます。
斎藤 ちなみに茶置さんが好きなIoT機器ってありますか?
茶置 「Hue」ですね。これは取り付けが簡単なので実際に家でも使っています。うちに10ヶ月の赤ちゃんがいまして、夜中におむつを替えるときに、便利なんですよ。手元のスマホで明かりを点けて、枕元に準備してあるおむつを替えれば、いちいちスイッチの所まで行かなくても済むので。
斎藤 あの電球、そんな実用的な一面があったんですね……。(おもしろいだけのやつかと思っていた)
茶置 斎藤さんは、どんなIoT機器があったらいいなって思いますか?
斎藤 あえて便利じゃない物があったらいいな、とは思いますね。技術を全力で実用的じゃない方向に使っているような。
茶置 なるほど……。ちょうどいい物がありますね。IoTで光る靴「Orphe-オルフェ-」です。
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モーションセンサーを搭載。靴底が地面に触れた瞬間に、設定した色に変わったり、歩き出した瞬間に点滅したりすることができるそう。
斎藤 うわー。おもしろい。そうそう、こういうのです。靴が光るなんて今まで考えたことないし、最高じゃないですか!
というわけで、全然わかっていなかったIoTのことを完全に理解できたのではないでしょうか。かっこいい。かわいい。笑っちゃうくらいおもしろい。それがIoTだ! 多分。
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「&AND HOSTEL」は今回紹介した「&AND HOSTEL UENO」で3店舗目。これからもどんどん増やしてゆく予定とのこと。最新技術が詰まりまくった部屋、泊まってみたらおもしろいと思いますよ!
著者:斎藤充博
1982年生まれの指圧師(国家資格)。指圧だけやってればいいようなものを、インターネットで記事を書くことをどうしてもやめられない。
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