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走った後に飲む酒はうまい! マラソンの先にある大人の遠足「マラニック」のお誘い

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走った後は好きな物を好きなだけ食べて、飲んで、自分にご褒美をあげていいんです! こちらの写真は「走ってカロリーを消費すれば大好きなコロッケそばを1日に2杯食べてもいいのでは……?」という思い付きにより、実際に26km走って食べた2杯目、横浜駅「鈴一」のコロッケそばです。今回は終始このように美味しく頂いております。ではどうぞ!


こんにちは!
以前「市民マラソンは課金沼?」という記事を寄稿したくろいわと申します。その節は大変お世話になりました。

前回は「ジョギングは靴一足で気軽に始められるよ!」とSNSでそそのかされ、軽い気持ちで足を踏み入れたらうっかり100kmマラソンを走ることになるまでの経緯を、かいつまんでご紹介しました。

「わざわざお金を払ってまで苦しい思いをしたくない」とお思いの方でも、健康や美容を目的に、「走ること」自体に興味のある方は少なくないはず。

しかし一方で、2014年10月にデサントとタニタが公表したランニングの継続率に関する調査によると、ランニングを始めてからわずか1ヶ月未満で半数近くの方が、さらに半年以内に全体の7割弱の方が走ることを辞めてしまっていたそうです。

わかる……わかるよ……。

最初は新鮮で楽しいんだけど、疲れるし、思ったほど痩せないし、調子乗ってるとすぐ膝とか腿とか痛めるし……。あと飽きる……。モチベーションが維持できないよね……。
(私はもともと運動が苦手で体育の授業に恨みしかないので、いまだに体を動かすことにネガティブな感情が……)


でも、とりあえず、とりあえず、ですよ。

視点を変えて、健康や美容のためではなく、レースで自己ベストを狙うためでもなく、ジョギングを遊びのための「手段」として考えてみませんか?


歩きを交えるくらいゆっくりでいいから、まずは1時間ほど走れるようになってみてください。それくらい走れるようになれば、マラソンとピクニックを組み合わせた「マラニック」という、楽しい楽しい「大人の遠足」ができますから!


マラニック、走ってみませんか?

【マラニック】《〈和〉marathon(マラソン)+picnic(ピクニック)から》
順位やタイムを重視しない、娯楽性の高いマラソン。野山などの景色を楽しんだり、途中で食事をとったりしながら、決められたコースに沿って走る。

(デジタル大辞泉より)

上記では「決められたコースを走る」と定義されていますが、レースに限らず休憩や食事をとりつつ長距離を走る行為は一般的にマラニックと呼ばれているようです。

決めたルートのすべてを走ることにこだわらず、人の多い場所では歩いたり、疲れたら公共交通機関でショートカットしたり、柔軟に対応できるのもメリットの一つです。

ウォーキングとの違いは、「より長い距離を移動できること」と「走ったほうがお腹が空くのでよりたくさん食べられること」です!

1.【初級編-10km-】まずは“お散歩”の延長から

最初から張り切って長い距離を楽しもうとすると疲れて「もう二度とやらない……」ってげっそりするので、まずは10kmくらいのルートから挑戦することをお勧めします。目安は現地の滞在等を含めて2~3時間でしょうか。

自宅から少し離れた商店街まで行って買い食いして帰って来たり、電車やバスで10kmくらい離れた場所へ移動してパン屋さんをハシゴして買い食いしながら戻って来たり、何かテンションの上がるテーマを決めると下調べの段階から楽しいので、このテーマ選びが最も重要です。

ちなみにランニングウェアで電車やバスに乗るのが恥ずかしいのは最初の3~4回くらいです。どんなことでも慣れます。大丈夫。

そろえておきたい装備

普段のジョギングで使っているシューズとランニングウェアがあれば十分ですが、+αの装備で快適性が高まります。

<アームカバー>
走っている時は暑いし止まると汗冷えするので、脱ぎ着の必要がなく、上げ下げするだけで簡単に体温調節できるアームカバーが大活躍します。


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<ウィンドブレーカー>
アームカバーと同じ理由で体温調節に。脱いでいる間は腰に巻いておけばさほど邪魔になりません。

それに最近は技術開発が凄まじく、登山用品などを扱うモンベルが「EXライトウィンドジャケット」という「被膜のような薄さ」のウィンドブレーカーを出してまして、ほんと薄いのにちゃんとウィンドブレーカーだし、45gの超軽量だし、畳んだらこぶし大に収まるくらいコンパクトだし、「なにこれ超便利ーーー!!!」って買った時はめちゃくちゃ感動したんですが、あまりの便利さ・小ささゆえに持ち歩きすぎてどこかに落としました。泣きました(紛失から1年近くになりますが、いまだにショックから立ち直れていません、だってセールで6,000円もしたから……)。

というわけで写真はありません……。

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<ポーチ>
マラニックにはスマホが必須です。知らない商店街を見かけたら名物(お肉屋さんのメンチカツとか、から揚げとか)がないか速攻で検索できますね! Googleマップ等をナビに使うのはもちろん、付近のチェーン店が検索できる「ロケスマ」というアプリを使えばコンビニやスーパーの場所が分かるので、補給ポイント(あとはトイレスポット)探しに最適です。

あと、食べ歩きマラニックには水が必要なのでボトルも入れられるボトルポーチがお勧めです。


YURENIKUIという揺れにくさが売りのポーチです。

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私事ですが、夏に5.5kg太ったため、上記のようなウエストポーチを巻くと胴回りの太さが際立ってしまうので……最近は、現実逃避のためにもっぱらこのようなアームバンドを腕に巻き、手にボトルを持って走っています


ちなみにミネラルウォーターのボトルは薄くて柔らかいことが多いので、つぶして走るとボトル内で水が揺れなくていいですよ! (冬は手が冷たくなると思いますが……)

あとは現金やカード類。交通系ICカードは電車やバスに乗れるし、コンビニで買い物もできるので必ず持っていきます。以前はカードケースに収納して持って行っていましたが、汗で紙幣が濡れることがあったので最近は小さめのジップロックを愛用しています。

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準備はできましたか?
では実際に出掛けてみましょう!

自宅を起点にして近場で遊ぶのもいいですし、せっかくだから少し遠出して観光地を巡るのも楽しいです。

【やってみよう】健脚の神様をハシゴして谷中銀座へ

足はランナーの命!

ということで、この日のスタートはJR常磐線 亀有駅前の「亀有香取神社」。無事にマラソンシーズンを終えられますように……と参拝して、


健脚健康草履守、初穂料は500円。

10km弱走って移動して、続いては谷中(やなか)の「延壽寺(えんじゅじ)」へ。


こちらではお守りは買わない予定だったのですが、お寺の方が「ランナーの方はよくいらっしゃいますよ。特に年明けから東京マラソンにかけては多いですね。海外の方が来られることもありますよ。名古屋で女性だけの大会があるでしょ? その前も……」とおっしゃっていて、「みんなが買うなら私も買わないと!!」という極めて日本人的な理由で、気づけば初穂料の700円を納めていました。


まあここまでは序章ですよね。

延壽寺は谷中じゃないですか。

谷中銀座って言ったらメンチじゃないですか。

走った後のご褒美の様子です。
(※しっかり水分補給した後にお酒を飲みましょう)


1杯も2杯も同じだし10kmも移動してカロリー消費したから大丈夫……。


大人の遠足の醍醐味です。

2.【中級編-15~20km-】“お散歩”で満足できなくなったら

10kmくらいのマラニックに慣れてきたら、少し距離を伸ばして15~20kmくらい、半日程度を使うコースはいかがでしょうか。

半日も走るとさすがに汗をかいて異臭がするので(どんな美しい人でも汗をかいて雑菌が繁殖すれば平等に匂いを放ちます)、ランニングステーション*1や銭湯をゴールにすると気持ちよくビールが飲めます。

そろえておきたい装備

コインロッカーやランニングステーションに荷物を預けて身軽に走るのも一つの手法ではありますが、私は「好きな場所から始めて、好きな場所で終われる」のが走って遊ぶことの醍醐味だと思っているので、着替えを背負って走るのが好きです。

<ランニング用バックパック>
最近ヘビーユースしているのはモンベルの「クロスランナーパック15」。

走る用のザックは揺れ防止のために腰ベルトがついているタイプが多いのですが、こちらは腰ベルトがないのに肩でしっかり固定できて、さほど揺れも感じません。定価でも8,800円(税抜き)と比較的安価です。


容量15リットルで荷物もそこそこ入りますが、荷物が重いと肩が痛くなるので極力軽量化して、タオル類はランニングステーションや銭湯でレンタルするとラクです。

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【疑似体験してみよう】東京マラソン試走マラニック

一般参加の抽選倍率がついに12倍を超えたプラチナチケット、東京マラソン。コースはすべて一般道なので、抽選に漏れた方も次回申し込み時の当選に向けて試走されてはどうですか? ちなみに私は2017年大会からの新コースが発表された昨年、願掛けもかねて4回も試走したのに今年も安定の落選でした。

というわけで中間点(約21km)まで走り、日比谷のランニングステーションで汗を流しましょう。


スタート地点は東京都庁第一庁舎前の道標。


靖国通りを通り抜けて、


新コースの見どころの一つ、日本橋へ!


東京マラソンのコースは多くの観光地を走るので飽きる暇がありません。
(ただし観光地だけに人が多いので新宿スタートは人通りが少ない早朝がいいです!)

で、合間に人形焼を買い食い。


そして雷門ーーーー!!!


時間に余裕ががあるときは浅草寺の参道で買い食いもいいですね。


ハーフ地点の門前仲町で試走はゴール。日比谷のランニングステーションへの移動は地下鉄に乗ってもいいし、2kmくらいなので余力があれば走ってもいいですね。

そして打ち上げなど。


東京マラソンを疑似体験しちゃったら、ランナーとしてはテンションが上がってビールもおかわりしちゃいますよね(個人差があります)。

これで東京マラソン本番が走れれば完璧なんですけどね……。


3.【上級編 -やり切る-】「無」の境地を目指してみよう

長時間体を動かして遊ぶことに慣れたら、負荷をかけて「やり切った」と思える体験も選択肢の一つとしていかがでしょうか。むしゃくしゃしてる時なんかにトライしてみると「無」の境地にたどり着けます。初級・中級の装備に「気合い」を加えて走ってください

そろえておきたい装備

そして、そろえておきたい装備がもう一つ。距離や移動時間が長いマラニックをする場合、急に足が痛くなったり、お腹が痛くなったり、道に迷ってしまったりとさまざまなトラブルが考えられます。林道や農道を走っていたら、誰かに聞こうにも「野鳥の声しか聞こえない」という事態もあり得ます。

命綱はスマートフォン。

トラブルがあった場所から一番近い駅やバス停を調べたり、地元のタクシー会社を調べて配車をお願いしたり、正しい道に戻るルートを検索したり、心強い味方になってくれますよ。
(山奥の林道を走ると電波が通じないことがあるので下調べは重要です!!)

<モバイルバッテリー>
そこで私にとって携行必須なのがモバイルバッテリーです。マラニックにおける私のスマホ依存度は相当なもので、ナビアプリでルートを作るだけでなく、ネットにアップされている走行ルート(KMLファイルをダウンロードしてスマホの地図に落とし込む)の確認にもたまにお世話になっています!

こちらはひとりで高低差約600mのヤビツ峠を走った際、スマホがバッテリー切れを起こして泣きながらコンビニで購入した高級モバイルバッテリーです。事前に安価に調達しておくといいですね...…。


スマホの電源が尽きる時が私のマラニック終了の時でもあるので、モバイルバッテリーは欠かせません。必ずリュックにしのばせて、充電しながら走ることもよくあります。

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【極みに触れてみよう】箱根駅伝5区疑似体験マラニック

これはマラニックというか、マラニックにせざるを得ないというか、全部走って上るのは、私のようなフルマラソンで4時間を切る程度のランナーだと、不可能です。ムリ。5区ランナーの超人ぶりを骨の髄まで思い知ることができます。

とりあえず標高を見てほしい。


ご覧のようにハードではあるのですが、

  • コンビニ、自販機などの補給ポイントがある
  • コースに箱根登山バスが並走しているためエスケープはしやすい

ので挑戦しやすいコースだとは思います。
(歩道がない場所が多いのでくれぐれも車にお気をつけて!)

現在の5区のスタート地点・小田原中継所は箱根登山鉄道の風祭駅前の「鈴廣」ですが、アクセスを考えると小田原駅スタートが便利かと思われます。


小田原から5kmちょっとの箱根湯本でさっそく買い食い。
山登りで汗をかくので塩分補給を。


これが! あの! 中継でよく見る函嶺洞門(かんれいどうもん)!!(興奮)
この辺りから傾斜がきつくなってくるので泣きながら上りましょう。


大平台のヘアピンカーブだよー!!(興奮)


そんなこんなで!!

ようやく!!!


距離的には小田原から23kmちょっとなんですけど、疲労度はフルマラソンに匹敵するレベルです。

近場でひと風呂浴びて、すべての辛さを洗い流す打ち上げ


5区に限らず箱根駅伝のコースを走っておくと、お正月にこたつで日本酒を飲みながら「こっからゆるい下りでさ~、スパートかけるの分かるわぁ」とか「ここの傾斜キツイんだよねえ」とか、知ったふうな口をきけるようになるので観戦も盛り上がりますよ!

***

私は走りながら食べることができる胃腸の強いタイプなので、マラニックというかむしろ食べ歩きの様相ですが、走りながら食べるのが辛い方は、コンビニで買えるゼリー飲料やマラソン・登山用のジェルでエネルギー補給する方法もあります。

ちなみに私がダントツで美味しいと思うエネルギージェルは「メダリスト エナジージェル」で、補給食ではなくおやつにしたいくらい愛しています。あと井村屋さんの「スポーツようかんプラス」も味と持ちやすさを兼ね備えた補給食四天王の一角です。マラソンの記事と見せかけてずっと食べ物の話ばっかりしててすみません!!

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ここには書き切れなかったのですが、最近走って楽しかったのは、九段下出発、東京駅を冷やかして武蔵小杉まで走る「シン・ゴジラ進行ルート逆走マラニック」です。

聖地巡礼するとゴジラの巨大さが肌で分かります。

あれはヤバい。自衛隊勝てない。


私ももういい大人なので、労働の後のビールも、働かずにゴロゴロした日に飲むビールも、同じように美味しいことは重々承知しています。ただ「遊び」の後の打ち上げビールはそれはもう格別に美味しいので、これからますます走りやすい季節になりますし、ぜひ一度試してみてほしいです!
(お酒を飲まない方も遊んだ後のご褒美スイーツ、ご褒美ラーメンなどの糖質類で同様の効果が得られると思われます)

著者:くろいわ (id:shin_kuroiwa)

くろいわ

運動神経のなさを気合いだけでカバーするサブ4ランナー。フルマラソンサブ3.5(3時間半切り)を目指しています。走っても痩せないのは仕様です。

ブログ:shin-kuroiwa.hateblo.jp

*1:ロッカーやシャワールーム、休憩スペースなどを備えたランナー向けの施設