爆発的に人口が増えている「筋トレ」。
ダイエットやボディメイクしたい、あるいは運動の習慣をつけたい、という人がこぞって取り組んでいます。『ダンベル何キロ持てる?』という筋トレがテーマのマンガ/アニメもブームを加速しました。
自重(自分の体重)で負荷をかけるトレーニングなら特別な器具なしで今すぐに始められますし、筋トレは短時間で終わり、かつ毎日じゃなくてもOKなのが続けやすいポイント。さらに、トレーニングによって筋肉がついてくるとモチベーションもますます上がります。
この記事は、そんな筋トレについて基本の情報をまとめたものです。「筋トレしてみたいけど、何から始めたらいいの?」「頻度や負荷はどう決めればいいの?」「筋肉のためにプロテインを摂ったほうがいいの?」といった疑問に答えていきます!
この記事を監修した人:前田剛希さん
Anfida Personal Gym 東池袋店代表
トレーナースクール 2ndpass パーソナルトレーナー
モテボディコンサルタント
HP:http://risounotaikei.com/
自宅でも健康的なカラダ作り! しなやかな筋肉とメリハリボディを手に入れたい。仕事ばかりでなまったカラダを動かしたい。そんなあなたにスポーツウェア、シューズ、トレーニング用品、フィットネスマシンなどの身近で使えるアイテムをご紹介します。
【0】まずは筋トレのメリットを知ろう
筋トレをすると、当然ながら筋肉量が増えます。それにともなって、基礎代謝量が増えることになります。基礎代謝量とは、心拍や呼吸、体温など生命維持のために消費される必要最小限のエネルギー代謝量のこと。きわめて単純に言い換えれば、筋肉量を増やすことで運動しなくても消費するカロリーが増え、痩せやすい体を作ることができるのです。
筋トレは「ダイエットして引き締まった体になりたい」「筋肥大させてたくましい体になりたい」といったボディメイクに役立つのはもちろん、姿勢がよくなり、間接的に腰痛や肩こりなどの改善につながることも。
さらに、自分の体に変化が現れたり(うっすら腕に力こぶが見えるようになってきた、腹筋が割れてきたなど)、これまで挙げられなかった重量を挙げられるようになったり、体脂肪率が減ったり、筋トレを続けるうちに「成長」が目に見えることで自信がついてくるというメリットもあります。
【筋トレのメリット】
- 痩せやすい体作りに役立つ
- ボディメイクに役立つ
- 良い姿勢をキープできるようになる(それにより関節痛などの改善につながることも)
- 自信がつく
【1】筋トレのやり方
筋トレの頻度
筋肉に負荷をかけると、つまり筋トレをすると筋線維の一部に傷がつきます。それが修復されるときに、元の筋線維よりも太い状態になっていき(超回復)、この繰り返しによって筋力が向上していきます。
トレーニングで傷付いた筋肉が回復しようとしている最中に、さらに同じ筋肉を追い込んでしまうと逆効果になってしまうことも。なので、筋トレは毎日ではなく2~3日の休息期間をあけたほうが逆によいのです。
オススメは日によって鍛える部位を分けること。下半身の日、上半身の日、といった具合で分けると、1日あたりのトレーニング時間も短く済んで継続しやすくなります。
【曜日ごとのトレーニング 一例】
- 月曜:下半身
- 火曜:上半身
- 水曜:休み
- 木曜:下半身
- 金曜:上半身
- 土曜:休み
- 日曜:休み
1日のうちで筋トレに適した時間帯は?
夕方がオススメ(ただし個人差あり)。1日のうちでもっとも身体能力が高くなっている時間帯で、かつここで運動した方が筋肉の修復や合成に影響を与える成長ホルモンが分泌されやすくなるためです。また、昼食でしっかりエネルギーを補給しているため、トレーニング強度も上げやすくなり効率的にトレーニングを行えます。
筋トレの代表的なメニュー
どんなタイミングで筋トレしたらいいかがわかったら、次は筋トレの内容! まずは自重でできる王道のトレーニングメニュー3種類を紹介します。
下半身の王道メニュー、スクワット
ゆっくりしゃがみ込んでから立ち上がる動作を繰り返すスクワット。太ももの表と裏、内もも、お尻など下半身全体をまんべんなく鍛える種目です。下半身には大きな筋肉が集中しているので、ここをしっかり鍛えれば効率的な基礎代謝UPが狙えます。
まずは10~15回、1~3セットを無理のない範囲でやってみましょう。
上半身の王道メニュー、腕立て伏せ
腕立て伏せというと、上腕二頭筋や上腕三頭筋など「腕」にしか効かないと思っている人も多いかもしれません。しかし実際には大胸筋(胸の筋肉)や三角筋(肩の筋肉)にも刺激を与えられるメニューです。
足を伸ばして行う腕立て伏せが難しい場合は、膝を床につけた状態で行ってOK。無理のない負荷で続けましょう。まずは15回2セットから始めてみてください。
腹筋に効くプランク
腹直筋や腹斜筋といった腹筋全体に負荷がかけられるプランク。まずは15秒キープできるようにがんばってみましょう。
腰は上がりすぎても下がりすぎてもNGです。体がまっすぐ一直線になるよう意識しながら姿勢キープしましょう。
※ただし動かないトレーニングは効率が下がってしまうため、できる方は手足の曲げ伸ばしを加えるなど、動きを入れながら行うと良いでしょう。
負荷の決め方
続いては自分に合った負荷の決め方について。まず前提として、筋トレの目的やターゲットとなる筋肉によって変わってきます。
その上で、自分がその重量を何回挙げることができるか? をもとに決定していきます。これを表すのが「RM」(Repetition Maximumの略)。なんとか1回挙げられる重量を1RM、20回挙げて限界がくる重量を20RMといった具合に表現します。
一般的に、筋肥大を狙うなら大きな負荷で限界まで追い込むこと(これをトレーニーたちは「オールアウト」と呼びます)が重要で、体を引き締めることが目的なら低負荷で回数を多めに設定し筋持久力を向上させるのが良いとされています。
【負荷の決め方】
- 筋肥大が目的:1RMの70%~80%(8~15回)。例えば1RMが50kgなら35kg~40kgの重量
- 引き締めが目的:1RMの60%以下(15~30回)。例えば1RMが50kgなら30kg以下の重量
ただし、トレーニングのフォームや動作のスピードなどによって同じ重量でも効果が変わってきます。自重トレーニングでもジャンプ動作などを取り入れて負荷を上げることで、筋肥大効果UPを狙えることが報告されています。
【2】筋トレ周辺アイテム
筋トレそのものについて理解が深まってきたら、次は周辺アイテムについて紹介します。
トレーニングアイテム
ここまで、自分の体重で負荷をかける「自重」トレーニングについて紹介しましたが、もっと負荷をかけたい場合に使うアイテムを紹介します。自宅でも使えそうなものを主にピックアップしています。
ゴムバンド(トレーニングチューブ)
引っ張ることで負荷をかけられるというもの。数種類の負荷別になったゴムバンドがセットになっていることが多いです。かさばらないのが何よりのメリット! 使わないときも収納に困りません。
腹筋ローラー
腹筋を鍛えるための腹筋ローラー。車輪を腕で転がすだけ……と思いきや、実際にやってみると結構な負荷がかかります。いきなり腕だけで転がす(通称「立ちコロ」)のは無理! という方は膝をついた状態(通常「膝コロ」)でやってみましょう。
※初心者の方は腰を痛めやすいので、無理せずに行いましょう。
ダンベル
トレーニング器具の王道中の王道……ダンベル! どの筋肉を鍛えるにしても、どんな目的で鍛えるにしても、何かと応用が効くのが良いところ。好きに重量を変えられる可変式ダンベルという便利なアイテムも登場しています。
バランスボール
バランスボールも意外なことに筋トレに使えます。バランスボールの上で腹筋やプランクをしたり、ボールを足に挟んで上下したり……床で腹筋ができない人も、ボールの上だとやりやすいこともあります。
(番外編)マシン
ジムに行く場合は、備え付けのマシン(レッグプレスやレッグカール、レッグエクステンション、チェストプレス、ラットプルダウン、ショルダープレスなどなど)を使うのもオススメ。マシンを使う場合、いきなり重いウェイトに挑戦するのではなく、軽いウェイトから始めて徐々に重くしていきましょう。
ウェア
動きやすい服装なら基本的には何でもOKです。逆に、筋トレは関節の曲げ伸ばしなどの動作があるため、動きにくい服装はNG。伸縮性があり、柔らかい生地のものがオススメです。
また、筋トレは意外と汗をかくため、ポリエステルなど速乾性のある素材を選ぶとより快適に過ごせます。
自分が気に入ったデザインのウェアを買うとモチベーションUPにも。着替えるだけで筋トレモードに入れるので、継続が難しい……と感じている人こそお気に入りのウェアを買ってみるのもよいかもしれません。
プロテインやBCAA/EAA
筋トレをする=筋肉を傷つけることなので、その修復のための栄養をしっかり摂るための食品がプロテインやBCAAです。普段の食事をバランスよく摂ることが大前提ではありますが、効率の良さといった観点から筋トレを本格的に続けるならプロテインやBCAA/EAAなどのサプリメントも検討してみてください。
プロテイン
プロテイン食品がブームになっているため、筋トレをしていない人でも聞いたことがあるかもしれません。プロテイン(粉末を水や牛乳に溶かして飲むタイプのもの)とは、筋肉の材料であるたんぱく質を効率よく摂るためのもの。
プロテインにはホエイ、カゼイン、ソイなど原料によって特徴も異なります。
【プロテインの種類】
- ホエイ:原料は牛乳。体への吸収が早いのでトレーニング後にオススメ
- カゼイン:原料は牛乳。体への吸収がゆっくりなので満腹感が持続しやすい
- ソイ:原料は大豆。乳糖不耐症の人でも安心して飲める。体への吸収がゆっくりなので満腹感が持続しやすい
筋トレ人口の増加にともなって、最近ではチョコレートやストロベリー、バナナ、ミルクティーなど、さまざまなフレーバーのプロテインが発売されています。フレーバー選びも楽しいポイントですよ!
「ホエイプロテイン」を詳しく見る
「カゼインプロテイン」を詳しく見る
「ソイプロテイン」を詳しく見る
BCAAやEAA
BCAAやEAAはアミノ酸を摂るためのサプリメント。筋トレ勢の間では、プロテインのように水に溶かして飲むタイプのものが一般的です。トレーニング前・中に飲むのがオススメ。それぞれの違いは以下のとおりです。
- BCAA:必須アミノ酸のうち、バリン、ロイシン、イソロイシンが入ったもの。筋肉の修復(合成)や分解抑制、疲労軽減に役立つ
- EAA:必須アミノ酸9種類全てが入ったもの。BCAAも含まれる。筋肉の修復に役立つだけでなく、筋肉のもとになる材料も含まれる
【3】筋トレと食事について
筋トレはトレーニングだけでなく食事も大事。どんな食事が筋トレに良いのか、また特に重要といわれる「筋トレ後」は何を食べたらいいのかを解説します。
筋肉によい食事とは
まずは筋肉の材料であるたんぱく質をしっかり摂ること。時間がないから朝はパンだけ、お昼はパスタ単品……といった食生活をしている人はたんぱく質が不足しているかもしれません。なお、1日あたりの推奨量は成人男性が60g、成人女性が50gとされています(日本人の食事摂取基準|厚生労働省より。ただし個人差があります)。
たんぱく質豊富な肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などを意識的に食べるようにしてみてください。不足分は先ほど説明したプロテインで補うのもオススメですよ!
調理が大変なら冷凍食材を活用するのも◎。冷凍ささみや冷凍ブロッコリーなどを常備しておくと調理も簡単に済みます。
たんぱく質豊富なメニューの組み立て方はこちらの図も参考になると思います。食材と味付けの組み合わせ次第でメニューはいくらでも広がりますよ!
たんぱく質も大事ですが、ダイエットの敵とされる炭水化物と脂質も意外なことに大事なのです(もちろん「適量」という前提)。特に炭水化物はトレーニングのためのエネルギーになるという意味でとても重要。炭水化物をゼロにしてしまうとトレーニングに必要なパワーを確保できません。
ちなみに、YouTubeチャンネル「マッスルグリル」のシャイニー薊(あざみ)さんが考案した減量食「沼」は筋トレをする上でとても理にかなった食事になっています。
筋トレ後の食事について
筋トレの後の食事は特に重要。トレーニングでエネルギーを使い果たしている上、傷ついた筋肉のために栄養を補給する必要があるからです。つまり、エネルギーの補給と筋肉の修復に必要な栄養素を摂ってあげれば良いといえます。
エネルギーの補給
トレーニング後はエネルギーを消耗しているので、エネルギーのもとである炭水化物(中でも糖質)をすばやく摂った方が良いです。おにぎりやバナナ、パン、麺類など。
筋肉の修復に必要な栄養素
ここまでで散々お伝えしてきましたが、たんぱく質を摂る必要があります。トレーニング後、45分以内はプロテイン摂取のゴールデンタイムとも。すばやく吸収されるホエイプロテインがオススメです(吸収率に関しては諸説あります)。
そのほか、サラダチキンやヨーグルト、ツナ缶、サバ缶、豆乳、チーズなどがあります。
また、たんぱく質だけでなくアミノ酸(BCAA/EAA)はトレーニング後にもオススメ。筋肉の修復(合成)や疲労軽減に役立ちます。
「サラダチキン」を詳しく見る
「ヨーグルト」を詳しく見る
「ツナ缶」を詳しく見る
「サバ缶」を詳しく見る
「豆乳」を詳しく見る
「チーズ」を詳しく見る
【4】筋トレにハマった人たちの紹介
最後に、これまで「ソレドコ」に登場いただいた筋トレに励む人たちを紹介します。筋トレにハマった結果、コンテストに出場したり自宅にパワーラックを設置したり……きっとモチベーション上がること間違いなし!
筋トレにハマって2年、コンテストに出場
管理栄養士でもある佐藤樹里さんは筋トレにドハマリ。2年でコンテスト出場を目指すほどののめり込みっぷりです。ジムに行けない期間も自宅トレーニングを続け、引き締まった体を維持しているそう。
自宅にパワーラック
心置きなく筋トレをするために自宅に筋トレルームを作ってしまったジグ・ザガーさん。筋トレを安全に行うためのパワーラックも自宅に導入してしまいました……!
このパワーラックを導入したことで、スクワットやベンチプレス、懸垂などとにかくトレーニングの幅を広げてくれたといいます。
『みんなで筋肉体操』出演の村雨辰剛さん
NHKの『みんなで筋肉体操』、そのシュールな世界観と力強いメッセージで一躍話題となった番組です。こちらに出演しているのが庭師でもある村雨辰剛(むらさめ たつまさ)さん。
16歳でトレーニングに開眼し、2年で40kgも増量(!)したという村雨さん。シンプルなトレーニングを好み、メインはダンベルを使ったものだそうです。ここまで鍛えぬかれていても、「鍛えれば鍛えるほど、筋肉への欲求は増していく一方」とのこと……! 筋トレの奥深さが感じられますね。
無理なく続けるには「習慣」にするしかない
ボディビルやフィジークの大会で数々の優勝経験を持つシャイニー薊(あざみ)さんと、総合格闘技団体「パンクラス」に所属し、ライト級2位にランクインするほどの実力者であるスマイル井上さん。この2人が運営するYouTubeチャンネルが「マッスルグリル」です。
けして楽ではない体作り、どうして続けられるのか? を聞いたところ、シャイニー薊さんは「みんなが無理だと思うことを習慣にしてるから、無理せずにできている」と答えてくれました。筋トレも習慣になれば無理なく続けられるはず。まずは無理のない範囲で続けることを目指しましょう!
自宅でも健康的なカラダ作り! しなやかな筋肉とメリハリボディを手に入れたい。仕事ばかりでなまったカラダを動かしたい。そんなあなたにスポーツウェア、シューズ、トレーニング用品、フィットネスマシンなどの身近で使えるアイテムをご紹介します。
参考にした記事・資料まとめ
筋力・筋持久力 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
レジスタンス運動 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
スロートレーニングとは | e-ヘルスネット(厚生労働省)
(2)夕方の運動、体力作りに効果 : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)
コラム | 目的に応じたエクササイズを選択し、適切な「強度」「量」「頻度」を設定する | 派遣の仕事・人材派遣サービスはパソナ
たんぱく質|とうきょう健康ステーション
筋グリコーゲン | e-ヘルスネット(厚生労働省)
運動後45分がプロテイン摂取のゴールデンタイム
今回紹介した商品
「ダンベル何キロ持てる?」を詳しく見る
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著者・ソレドコ編集部