お笑いカルテット「ぼる塾」の田辺智加さんの趣味はスイーツ巡り。お給料の8割ぐらいをスイーツに費やすほどの沼っぷりだとか。最近では長年の食べ歩きで培った経験を生かし、「新スイーツの女王」として、さまざまなメディアでスイーツ情報を紹介しています。
今回、そんな田辺さんにお願いしたのは、田辺さんが考える「最強のクッキー缶」を作ってもらうこと。クッキー缶とは、一つのお店やメーカーが多彩なクッキーを詰め込んだもので、完売続出のお店もあるほど大人気なのだとか。
自身もたくさんのクッキーを食べてきたであろう田辺さんに、お店やメーカーの枠を超えて好きなクッキーだけを集めて詰め込んでもらったら「最強のクッキー缶」ができるのでは……!!!
というわけで、さっそく実践してもらいました。
試行錯誤の結果、全部が「主役級」の11品で構成された、魅力的でかわいいクッキー缶が完成! さらに、田辺さんの「スイーツ沼」についてもお話を伺いましたよ。
※撮影は、最少人数に絞った上で新型コロナウイルス感染対策を徹底して行い、インタビューはリモートで行いました
田辺智加(たなべ・ちか)さん
吉本興業所属の女性お笑いカルテット「ぼる塾」のメンバー。
趣味はスイーツ巡りで、
芸能界の「新スイーツ女王」としてバラエティー番組に引っ張りだこ。番組やSNSで紹介したスイーツはすぐ人気に。
スイーツへの情熱と率直なコメントが絶大な信頼を集めている。
初の著書として『あんた、食べてみな! ぼる塾 田辺のスイーツ天国』
がある。
Twitter:@chi0314ka
YouTube:ぼる塾チャンネル
田辺さんが考える「最強のクッキー缶」はこれだ!
🍪クッキー缶とは🍪
- 缶の中に1種類ないし複数種類のクッキーを詰めたもの
- 菓子メーカーや洋菓子店オリジナルのクッキー缶が贈り物だけでなく、自分へのご褒美としても近年人気
- かわいい缶のデザインや、クッキーの詰め方など見た目も楽しい
── 今回はオリジナルのクッキー缶を作ってもらうという企画ですが、田辺さんはクッキー缶のどういうところに魅力を感じますか?
田辺さん(以下、田辺):クッキー缶は宝石箱、いや「おもちゃ箱」ですね。子どもの頃にワクワクした、おもちゃ箱を開けるときの感覚をいつでも思い出させてくれます。
それから、作り手のすごさを存分に感じられるのも、たくさんの種類が入ったクッキー缶ならではの魅力じゃないかと。
クッキー缶にはそのメーカーやお店の「全て」が集約されています。
── 今回のオリジナルクッキー缶は、各お店やメーカーさんの枠を超えて作ってもらうので、田辺さんの知見とセンスが集約されたものになりそうですね……!
ではいよいよ、作っていただきます。まずは事前にチョイスしてもらったクッキーを教えてください。
田辺:とにかく、私が今好きなクッキーを集めました。味はもちろんどれもおいしいんですけど、私にしては珍しく、見た目にもこだわりましたね。
やっぱり「クッキー缶」なので、開けたときに「わぁ~」ってなるものがいいなと思って。
- カタヌキヤ「パンダサブレ」
- ユーハイム「ハイデザント」
- N.Y.C.SAND「N.Y.キャラメルサンド」
- レーマン「ルーブリアン ピアチョコレート」
- ヨックモック「シガール」
- 千疋屋総本店「フルーティークッキー」
- 帝国ホテル「クッキー」
- バターステイツ「アーモンド」
バターステイツ「ベーシック」 - サブレミシェル「ケーキサブレ」
- TOKYOチューリップローズ「チューリップローズ」
- グッドタイムパティスリー「クッキーアソート」
田辺:特にこの「パンダサブレ」(カタヌキヤ)が、見た目的にも味的にもポイントですね。
一見普通のバタークッキーに見えるんですけど、「粉」が全然違うんですよ。ベトナム産の粉を使っていて、日本の小麦では味わえない風味と食感があります。
── どんなふうに違うのでしょうか?
田辺:食感に奥行きがあります。小麦のおいしさをよく味わえるクッキーですね。
最近気付いたんですけど、私はベトナムとかカンボジアの粉が好きみたいで。
日本のクッキーでも「ほろほろ」はあるんですけど、ザックザクの中に「ほろほろ」を感じる。クッキーを愛している人は粉の違いに気付くんじゃないかと思い選びました。ぜひ食べ比べてほしいです。
食感でいうと、ユーハイムの「ハイデザント」も好きです。
最初に食べたとき、このクッキー、他と全然違うなと思いました。バターの風味と、「さわさわ」した食感が特徴的で、私の理想のクッキーの一つです。
この食感はユーハイムさんにしか出せないと思います。
── 「ほろほろ」「さわさわ」……独特の表現ですが、食べて確かめたくなります。選んでいただいたクッキーはどれもお気に入りかと思いますが、中でもメインというか、軸になるのはどれでしょうか?
田辺:う〜ん、軸か……。どれも主役級なので難しいですね……。
例えば、「N.Y.キャラメルサンド」(N.Y.C.SAND)。これも大好きなクッキーで、よく長蛇の列に並んで買いに行きます。
茶色で一見地味だけど、食べてみるとコレがとんでもない! キャラメルが中にサンドされてる~って。
実は昔、ディズニーシーのお土産で「キャラメルサンドクッキー」というのがあって、大好きだったんです。それだけを目的に入園料を払っても惜しくないくらいおいしくて。
でも、残念ながら販売終了してしまって、もう食べられないんだと思った直後に、東京駅で売られているこのクッキーの存在を知りました。ディスニーシーと同じものではないんですけど、味はまさに求めていたものでしたね。
あとは、レーマンの「ルーブリアン ピアチョコレート」。
クッキー缶なのにチョコを選んでしまいました……すみません。でも本当においし過ぎるので紹介させてください!
レーマンを好きになったのも、実はお土産きっかけでした。このお菓子めちゃくちゃおいしいなと思って箱の裏を見たら「レーマン」って書いてあって、調べてみたらデパートで買えることを知りました。
改めて考えてみたら、けっこうディズニーとデパートでスイーツのことを学んでますね。
それから、何といってもヨックモックの「シガール」。今回のクッキー缶の企画を聞いて、絶対入れたい! と真っ先に選びました。サイズもちょうどいいし。
たぶん人生で初めて食べた「デパートの焼き菓子」です。
「いつも家にあるのと何か違う! すごく特別な感じがする!」って思って、それからずっと色あせない。これからも永遠に愛していくと思います。
今回はシガールを選びましたけど、チョコをサンドしてある「ラングドシャー」も大好きです。
田辺:千疋屋総本店「フルーティークッキー」と帝国ホテルのクッキー……これがクッキー缶に入っていたら絶対うれしい! 薄いので缶にたくさん詰め込めます。
── 王道も押さえながら、あまり見慣れないクッキーもありますね。
田辺:そうですね。今、話題性のあるクッキーも入れました。
バターステイツや、サブレミシェルの「ケーキサブレ」、TOKYOチューリップローズの「チューリップローズ」は、割と最近出た中で特にお気に入りのクッキーです。
── 色合いや形のバランスの良さ、さすがのチョイスですね。これを、どんなふうに詰めていきますか?
田辺:ギッシリ詰まっているのも大事です。やっぱり最初に開けた瞬間は、クッキーがいっぱい詰まっていてほしいんですよね。
ヨコにもタテにも隙間なくギッシリと。特に、タテにどう重ねるかが大事です。
昔、デメルの生クッキーを食べたときに、全部食べ終えたと思ったら下にもう一段入ってて、めちゃくちゃ感動しました。
今回のクッキー缶でもあのときの喜びを再現したいと思い、段差をつけて下のクッキーを隠しています。一段目を食べ終えて、下からユーハイムが出てきたら最高じゃないですか?
── 最後に隙間に詰めているのは……グッドタイムパティスリーの「クッキーアソート」。兵庫県西宮市にあるお店なのですね。
田辺:開いたとき、思わず声が漏れてしまうクッキー詰め合わせです。
田辺:よし、これで……完成しました!
── 見た目も華やかで「ぎっしり」感もあって、すてきなクッキー缶ですね!
いろんなお店のクッキーを詰め込んでクッキー缶をつくるというのは田辺さんも初めてと聞いていましたが、出来栄えはどうですか?
田辺:上手にできたと思います!
自分の好きなクッキーを好きに詰めていいなんて、こんな幸せな仕事あります?(笑)
最初の方は詰める場所をやり直しました。本当はもっとうまくできる人はいるんだろうな……と。
クッキーは茶系が多いですけど、今回は「ケーキサブレ」の白、「チューリップローズ」のピンクとイエローで、カラフルに仕上がって大満足です。逆に色のバランスを考えて見送ったクッキーもありますね。
好きなクッキーを集めましたが、どれもおいしくて、自信を持っておすすめできます!
今回のクッキー缶に使った田辺さんの推しクッキー(&チョコレート)のまとめです。ちょっとずつ好きなものをお取り寄せするもよし、全部買ってオリジナルクッキー缶にするもよし!
- カタヌキヤ「パンダサブレ」
- ユーハイム「ハイデザント」
- N.Y.C.SAND「N.Y.キャラメルサンド」
- レーマン「ルーブリアン ピアチョコレート」
- ヨックモック「シガール」
- 千疋屋総本店「フルーティークッキー」
- 帝国ホテル「クッキー」
- バターステイツ「アーモンド」
バターステイツ「ベーシック」 - サブレミシェル「ケーキサブレ」
- TOKYOチューリップローズ「チューリップローズ」
- グッドタイムパティスリー「クッキーアソート」
最初にときめいたクッキー缶は「ブルボン」
── 完成したクッキー缶を見て、最初に田辺さんがおっしゃっていたように、本当に「クッキー缶はおもちゃ箱」なのだなと思いました。
田辺:クッキー缶の中身は全部同じメーカーのクッキーだから、どれも似たような味なのかなと思うじゃないですか?
でも、食べてみると一つひとつのクッキーの個性が際立っている。一つの缶の中に、さまざまな技術やこだわりが詰め込まれているんです。
これはすごいことですよ。私もクッキーは作れるんですけど、いろいろ試してみても結局は全部同じ味と食感になってしまいます。
だけど、プロはクッキーの種類によって生地も変えたりしているので、一つひとつが全然違うものになるんです。
── 最初にその体験を味わったのは、どのクッキー缶でしたか?
田辺:確か、子どもの頃に親が買ってきてくれたブルボンのクッキー缶だったと思います。
── よくメーカーまで覚えていますね。すごい!
田辺:子どもの頃から、意識してメーカーを見てたっぽいです。ブルボンは私が最初にときめいたクッキー缶だったから、特に印象に残っています。
「こんなにいろんな種類が食べられるんだ!」という喜びと、どれもこれもおいしくて手が止まらない感覚は、あのときが初体験でした。弟と奪い合うように食べたのを覚えています。
あとなんといっても、 プレゼントとして最高なんですよ。
以前、同期の男の子のYouTubeに出演したときに、お礼でパレスホテル東京の「プティフールセック缶」をもらったんです。
缶を開けると、赤や白、丸や四角のクッキーが敷き詰められていて……。そのあまりの美しさに思わず声が漏れました。
もちろん自分で買って食べるのも幸せですけど、プレゼントされてこんなにうれしいものって他にあまりないような気がします。
高校時代、スイーツのおかげでギャルと友達になれた
スイーツ好きになったきっかけ
── クッキー以外にも、さまざまなスイーツを愛している田辺さんですが、そもそもここまでスイーツを好きになったきっかけは何だったのでしょうか?
田辺:もちろん子どもの頃から好きでしたけど、本格的にハマったのは高校生の頃ですね。
当時、新宿と渋谷の間が通学路で、学校帰りによくデパートへ寄り道していたんです。そこで、「うわ〜、世の中にはこんなにおいしそうなものがいっぱいあるんだ!」と気付きました。
ちょっと高いんだけど思い切って買ってみたら、これまで食べていたお菓子と味も見た目も全然違う。もちろん高校生だからそんなに頻繁には買えないけど、たまに食べると本当に幸せな気分になりました。
スイーツがコミュニケーションツールに
田辺:そのうち、この幸せを同級生にも分けてあげたいと思って、差し入れしたり交換したりしているうちに、同じスイーツ好きの子と仲良くなれたりもして。
そんなこともあって、スイーツはますます私にとって欠かせないものになっていきました。
── 確かに、すごくいいコミュニケーションのきっかけになりますよね。
田辺:そうですね。私の学校はギャルが多く、千葉出身の私は当初その文化になじめなかったんですけど、スイーツのおかげで話すきっかけができました。
謙遜せず「新スイーツ女王」として堂々としたい
自分が心から感動したものだけを紹介する
── 田辺さんはスイーツの情報にお詳しいですが、どのように情報収集しているのでしょう?
田辺:高校時代ギャルだった彼女たちとは今でも連絡をとっていて、スイーツの情報交換をしています。高校時代の友人と同期の女の子、あとは育休中の酒寄(希望)さんが、私の主な情報源ですね。
── 互いの好みを知り尽くしたスイーツ仲間からの情報は、何よりも信頼できますね。ちなみに、ネットで情報収集はしないと伺ったのですが。
田辺:何度かネットニュースの記事で「おいしい」と書かれていたお菓子を買ってみたこともあるんですけど、私には合わなかった。それからは友達からの情報と、自分の感覚だけを信じるようにしています。
もちろん、好みは人それぞれだから私がテレビなどでおすすめしたものをおいしくないと感じる人もいるはずです。でも、少なくとも「自分が心から感動したものだけを紹介しよう」「嘘は言わないようにしよう」と思っています。
── 実際、田辺さんのお話からは本当にスイーツ好きなことがひしひしと伝わってきます。ちなみに、情報収集ではなく、ネットでスイーツをお取り寄せすることはありますか?
田辺:よくします。最近は、私が大好きなカンボジアの「アンコールクッキー」を取り寄せました。本当はスイーツ仲間と一緒に現地まで買いに行く予定だったんですけど、コロナで中止になっちゃって……。
ダメ元でインターネットで探してみたら、なんと楽天で売っているのを見つけたんです。友達と大喜びして、10箱くらい買いましたね。
この夏ハマった無添加のアイス「フルッテート」もネットで買えると知ってからお取り寄せしています。
ロンブー亮さんに言われた「いつかきっと仕事になるよ」
── 改めて伺います。田辺さんにとって、スイーツってどんな存在でしょうか?
田辺:私の人生を助けてくれるものですね。特に、人付き合いを助けてくれます。
先ほども言ったように、スイーツのおかげで仲良くなれた人がたくさんいますから。芸人になってからも楽屋でお菓子を配り続けていたら、いろんな先輩、後輩と距離を縮めることができました。
例えば、「ルミネtheよしもと」って、ベテランと若手で楽屋が分かれているんです。若手は先輩と話したくても、そこに入っていくのってなかなか勇気が必要ですよね。
でも、私はスイーツや食べ物の話をきっかけに、スッと先輩の楽屋に入ることができました。同期の子は、先輩の楽屋から私のバカでかい笑い声が聞こえてくるからビックリするみたいです。
あとは何より、今ではスイーツ好きがこうして仕事にまでなっていることですよね。何年か前に、大先輩の亮さん(ロンドンブーツ1号2号)から「そこまで好きで詳しかったら、いつかきっと仕事になるよ」と言われたことがあるんです。
その頃はテレビにも全く出れていなかったし、ちょうど酒寄さんが育休に入って1人でネタをやっていた時期。そんなにうまくいくわけないと思っていたんですけど、本当に亮さんの言う通りになって驚いています。
謙遜するのは意味がない、今は「まぁねー」って感じです
── 今や「新スイーツの女王」といった立ち位置で紹介されることも増えました。プレッシャーを感じることはないですか?
田辺:本当にありがたいですよね。最初の頃は「いやいや私なんて。もっと詳しい人がいっぱいいるでしょ」と思っていたんですけど、最近はもう「まぁねー」って感じです。
せっかく、周囲がそう言ってくださっているのに、変に「私なんて」って謙遜するのは意味がないかなって。それに、実際に子どもの頃から30年も好きでい続けているものなんだから、そこは堂々としていようと。
だから、最近は自信を持って受け入れるようにしていますね。
クッキー缶はみんなを幸せにする
田辺さんのクッキー缶、さすがのセレクトでした。見た目も華やか、バランスも王道からニューウェーブまで取り揃え、何よりどれもおいしそう。
最初にこちらで「最強」などとぶち上げてしまったハードルを、しっかりと超えてくれました。
また、クッキーを詰めている田辺さんが本当に楽しそうだったのも印象的でした。
食べるだけでなく「選ぶ幸せ」も感じられるクッキー缶。みなさんも自分のお気に入りを集め、オリジナルのクッキー缶を作ってみると楽しいかもしれませんよ。
取材・文:榎並紀行(やじろべえ)
撮影:関口佳代
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今回紹介した商品
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