著者:moe*
顔の良い人間が歌ったり踊ったりするコンテンツは大抵好きです。心の実家は宝塚歌劇団。特技はジャンルの反復横跳び。「推しは多ければ多いほど人生楽しい」派。
Twitter:@kj_bw03
ブログ:闘わなきゃLooser!
ドームクラスのコンサートやライブで引っ張りだこの防振双眼鏡。高い倍率と、クリアな視界を保つための手振れ防止機能は、使ってみてそのすごさを実感した人も多いかと思います。
私もその1人ですが、やはり価格帯がお高めなのが難点。なので私の場合、ドームクラスの現場は年に数回レベルということもあり、防振双眼鏡が必要な時はレンタルサービスを活用しています。
ただ、そんな中でこの防振双眼鏡だけはいつか購入したい……!という思いを胸に秘めているものがありまして、それがこちらです。
思わず「3度見」するスペック
サイトロンの双眼鏡、「SIIBL 1642 STABILIZER」。この防振双眼鏡、本当にスペックがすごくて!
まずは双眼鏡を選ぶ上で重要な倍率は、なんと16倍。広い会場でのコンサートでは、座席によっては14倍でもちょっと見づらいなぁ……と感じたことがあったので、16倍は推しを見る視界がよりクリアになりそうです。
それに、610gと高倍率の双眼鏡にしてはとっても軽い! 16倍くらいの高倍率の双眼鏡って、1kgを超えるものも多いんですよね。ただ、コンサート中は双眼鏡を常時手に持つタイプの自分にとって、この重量は腕力的に不安(普段使ってる双眼鏡たちは400~650gほど)。だからこそ、 初めてこのスペックを見たときは3度見くらいしたかもしれません。
加えて、バッテリーも単三電池1本と手に入りやすい。防振双眼鏡は手振れ防止機能を使う関係でちょっと珍しい電池が必要なものもあるんですが、単三1本ですよ。これならうっかり替えの電池を持たずに家を出てしまっても大丈夫です。しかも単三1本で約30時間の使用が可能なので、ツアーなどの連続した公演でも安心です。
一方で、双眼鏡を覗いた時に見える範囲を表す「実視界」は3.8°とかなり狭く、「明るさ」も6.86と暗い部類です。実視界も明るさも倍率が上がれば上がるほど下がるので仕方ない部分もあるんですけどね。ただ、16倍という圧倒的な倍率が、その短所を補ってくれるはずです。
ハイスペック双眼鏡と念願のご対面
さて、そんな夢のような機能が詰まった双眼鏡ですから、値段が張るのも当然。母上に「(購入を)悩んでるんだよね~」と何気なく相談したら「果たして貴方はそんなにも高機能な双眼鏡を持つに相応しい人間なのですか?」という地味に刺さる言葉も食らったため、まずは貯金と人間性を磨く鍛錬からかな……と一旦ステイ状態になっておりました。
そんなある日、この双眼鏡がレンタルできることを知りまして、直近でドームクラスでの現場は予定していないがとりあえず使ってみたい! とさっそく申し込んでみたんです。
そして届いた実物はこちら。あぁ……家電量販店以外で君と会うのは初めてだね……。
特徴的なのはなんと言ってもその形。後ろから見るとよく分かりますが、円が重なるようなレンズの形です。
だから片手で持てるほど軽くなるんですね。手で持ってみて、右手にペンライト、左手に双眼鏡のスタイルもいけそうだなと思うサイズ感でした。
見え過ぎて「スナイパーになった気分」
ただこんな高スペックの双眼鏡、家の窓から周りの景色を見ているだけでは持て余してしまいますから、その力を存分に発揮できる場所に行きたい!と思い、東京都内のある展望台へと足を運びました。
ここなら、16倍から見る景色の「鮮明さ」、実視界3.8°と明るさ6.86の「狭さ・暗さ」をチェックするにはうってつけです。
早速、双眼鏡にスマホをセットして写真を撮ってみました。まずは、双眼鏡を通さずに撮ったバージョン。
写真中央に「両側を高いビルに挟まれた道路」が見えるでしょうか。
ここを双眼鏡を通して撮影すると……
え、ええ~~~!??? こんなに見える!????? 道路の文字までくっきり。レンズ越しではなく肉眼だと、もっときれいに見えます。
ちなみに、手振れ防止機能もばっちりで、スイッチをオンにするとブレる視界がぴたりとクリアになりました。
きっとスナイパーの人ってこういう気分なのね……!(ちなみにメーカーのサイトロンは元々アメリカで射撃用ダットサイトやハンティング用ライフルスコープの専門メーカーとして創設されたため、スナイパー気分が味わえるという感想はあながち的外れではないのかもしれない)
コンサート会場だと違った見え方になるとは思いますが、やはり16倍の倍率は頼りになります。
ただ、普段もっと低倍率かつ実視界広めの双眼鏡を使っていることもあって、「実視界3.8°」は狭く感じました。「あれを双眼鏡で見たい! え~~~と、対象はどこだ……?」と覗き込んでから視界をさまよう感じです。とはいえ、普段使ってる双眼鏡と実視界が違い過ぎて感覚をつかみずらかった部分も大きく、慣れればパッと対象に合わせられるかもしれません。これは高倍率の双眼鏡を使う上で仕方のない部分なので、己の鍛錬を積むしかないですね……「推しを探す時間」ほどもったいないものはないので……。
一方で、もう1つ気になっていた「明るさ」に関しては、特に不便さを感じませんでした。
ご参考までに、夜景の写真も紹介しましょう。まずは双眼鏡を通さずに撮ったもの。先程と同じロケーションです。
双眼鏡越しの写真がこちらです。
夜でも視界良好! 「明るさ:6.86」というスペックにやや不安を感じていたのですが、昼間と同じく、細かいところまでくっきり見えました。
景色とコンサート会場という環境の違いはありますが、薄暗い照明のなかスモッグが焚かれる……というような環境下でなければ問題なく対象が見えるのではないでしょうか。
そんなこんなで双眼鏡で楽しく遊んでみて、やっぱりいつか購入したい……!と決意を新たにした次第でございます。
もちろんレンタルもできますが、使いたい日が全部貸出中になってる!なんてことや、受け取りや発送の手間もありますし、その辺ズボラな人間としては買っちゃったほうが楽だったりする……。
決して気軽な買い物ではありませんが、推しを見るための「目」になってくれる双眼鏡への投資はコンサート体験として返ってくるはずです。