こんにちは。伊藤賀一と申します。
原始から近代・現代まで、あらゆる時代をカバーしているオールラウンド型の珍しい日本史講師です。
日本史だけでなく社会科全般を教えているため、ありがたいことに「日本一生徒数が多い社会科講師」という称号もいただいたことがあります。
今回は「日本史を学び直すための本」を紹介します。編集部からは「10冊プラスα」という依頼だったのですが、力が入り過ぎてしまい、数えてみたら30冊を超えていました……。
30冊もあると「こんなに読まなきゃいけないの!?」とびっくりするかもしれませんが、全部読む必要はないですよ!(もちろん全部読みたい人は一緒に沼にハマりましょう)
気になったテーマの、気になった一冊だけでも手に取ってみてください。
予備校で授業をしている筆者
皆さんもご存じのように、今も昔も、人生は楽しくも厳しいです。
これまでがそうだったように、この先、今の常識は、諸外国の影響や時代の推移に飲み込まれ、たやすく変わってしまうかもしれません。
どんな人でもたった一度の人生です。失敗するかもしれません。調子が悪い時もあります。
しかし、たとえ倒れても何度でも立ち上がりたい。立ち上がる時に、どういう姿勢で立ち上がるか。その「所作」にそれぞれの人生が詰まっているような気がします。
そして幸運なことに、不屈の精神で立ち上がったり、無念にも倒れてしまったりした人々の歴史を、私たちは本から学ぶことができます。
最近は社会人向けの講演なども増えて、「日本史を勉強し直すには何を買ったらいいですか?」とよく聞かれるんです。コロナを契機に、おうち時間で「学び直し」をしたい人も増えているようですね。
私が自信を持って選んだ本を参考に、学び直しスタートしてみませんか?
歴史を学ぶ意味って何なの?
本の紹介に入る前に、そもそも「歴史を学んで価値あるの?」という疑問にお答えしましょう。ズバリあります。
私は「歴史を学ぶ意義は?」と聞かれた時、こう答えるようにしています。
- 今・ここの常識は唯一絶対のものではない
- どんなに有名な偉人でも、無名の人でも、人生は一度きり
- 人は必ず間違う
という3つが分かるから、だと。
まとめると、誰しもに共通する一度きりの人生において、「人の弱さを分かってやれる強い人になるため」。これが本質だと思っています。
さらに、「忙しい社会人が日本史を今さら学ぶ意義は?」もよく聞かれますが、今度は3つの例を挙げています。
- 学歴・社歴・資格などは武器のように見えるが「防具」
- 歴史・地理や哲学・古典などの教養が、同じような防具の人と差がつく「武器」
- 語学・数学・プログラミング・音楽などの“共通言語”が世界とつながる「翼」
昨今、特に必要なのが「相手を傷つけずに、聞かれたことに答えるため」の教養です。
「グローバル化」「国際化」という言葉だけ聞くと世界史重視のように感じますが、世界史と日本史のどちらも学ぶ必要があります。
世界史は相手を傷つけないために学びます。
例えば、「人種のサラダボウル」である多文化社会のアメリカ、日本人からするとなじみの薄い風習のあるイスラム圏……。相手のバックグラウンドを知っておくと傷つけないで済みます。
日本史は自国の話をするために学びます。
海外の人は日本人である私たちに、アメリカやイスラム教に関しては聞いてきません。日本のことを聞いてくるはずです。
自分たちの話をし、食い込んでいかなければなりません。
「傷つけないための世界史」「話をするための日本史」これは両輪なのです。
2022年度から高校の新科目として「歴史総合」というものが登場するのですが、それもこういった意味があるのです。
【動画】ソレドコ特別講義「歴史を学ぶことには価値がある」
歴史を学ぶ意義について、さらに詳しく解説しています。5~6分ほどで見られます。
日本史を学び直すための10冊プラスα
ここから8テーマに分けて、推薦図書を紹介していきます。
何を選んだらいいか分からない人は、とりあえず一番上から読んでみてください。
幅広くテーマを設けてみましたので、興味が湧いたところ、ピンと来たところから読んでもいいですよ。
「何だか難しそう」という人は、【5】娯楽マンガから入ってみるのはどうでしょう?
8テーマごとに、
- 📙学び直すための10冊📙:特にオススメしたい本
- 📘プラスα📘:そのテーマについてさらに知りたい、あるいは別角度からアプローチしたいときにオススメな本
という構成になっています。
【1】日本史の全体像をつかむには
皆さんは、日本史の通史(全時代の政治・外交・社会経済・文化)をきちんと学んだことがありますか? 「大学受験では日本史選択でした」という人ですら、おそらく忘れているのではないでしょうか?
まずはザックリとでもいいので全体像をつかんだ方がいいです。
(1)各社の「まんが日本の歴史」
誰もが子ども時代に一度は目にしたことがある「まんが日本の歴史」。
- 小学館『小学館版学習まんが少年少女日本の歴史』(22巻+別巻2、1981年〔改定増補版1998年〕)
- 学研『学研まんが NEW日本の歴史』(12巻+別巻2、2012年)
- KADOKAWA『角川まんが学習シリーズ 日本の歴史』(15巻+別巻4、2015年)
- 集英社『学習まんが 日本の歴史』(20巻、2016年全面改訂)
- 講談社『学習まんが 日本の歴史』(20巻、2020年)
と5社から刊行されており、激しい販売競争が行われています。
以下の4つの理由から、イチオシは講談社『学習まんが 日本の歴史』です。
- 2020年7月発売で新しいことに価値がある
- 圧倒的な図説資料の量
- 四六判ソフトカバーで場所を取らない
- 5社の中で最も知識レベルが高く、大人の読書に耐えうる
ただし、昔を懐かしむなら小学館、もっとコンパクトに済ませたいなら学研、などというふうに、実物を見て決めるのが一番かもしれません。書店で実物を見て決めるのもいいと思います。
(2)一冊に全てが入っているオールイン・タイプ
「まんが日本の歴史」は巻数が多くて……という方には「オールイン・タイプ」をオススメします。
本来、全体像をつかむには「王道」である山川の教科書を読むのが一番なのですが、教科書は高校教員の授業で補足説明が行われることを想定して編まれています。
ですので、同内容を扱っていてもこちらの『新 もういちど読む山川日本史』(山川出版社/五味文彦・鳥海靖)の方が読みやすいです。
また、日本を代表する専門の学者の目が入っており、私のように日本史の沼にそれなりにどっぷり浸かっている人間が読んでも、雑音が少なく安心です。
プラスαとして2冊紹介します。
『早わかり日本史最新版 ビジュアル図解でわかる時代の流れ!』を詳しく見る
時間を節約したい人のために書かれた、見開き2ページ完結の『90秒スタディですぐわかる! 日本史速習講義』(PHP研究所/伊藤賀一)もあります。一般書でも効率を追求する予備校講師の「まとめ力(簡潔力)」を体感していただければ。
『90秒スタディですぐわかる! 日本史速習講義』を詳しく見る
【2】戦国時代と幕末・維新。日本史の「ド定番」を押さえれば怖いものなし
大河ドラマや映画、ゲームなど、周りが盛り上がっているのに話題についていけない……という経験はありませんか? 「ド定番」の戦国時代と幕末・維新を押さえれば大丈夫です!
(1)戦国時代
2023年の大河ドラマは『どうする家康』。主人公の徳川家康は確実に大きな話題となります。
この作品『家康』(幻冬舎時代小説文庫/安部龍太郎)は、家康個人を描いた評伝的なものにとどまらず、日本の戦国期とは何か、そして日本とは何かという壮大なテーマに切り込んでいる点で、類書と一線を画しています。
また、一読して思うのが描かれている女性たちのたくましさ。ステレオタイプな「戦国女性像」を壊し、各個人に新たな魅力をまとわせています。
「なぜ小説?」と思った人もいるかもしれませんが、安部先生は史料・資料に積極的に当たる方で、小説だけでなく歴史関連の他の著書もあり、覚悟を決めて発信されています。
近世史はそもそも信憑性に関しては常にもめている状態ですから、肩肘張らずにサッと入った方がいいと思います。
プラスαとして2冊紹介します。
『13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう。』を詳しく見る
それなりに知識がある人向けには、専門研究者が書いたガチンコの大ベストセラー『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』(中公新書/呉座勇一)を。そもそもの「戦国時代」の始まりを整理できます。
『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』を詳しく見る
(2)幕末・維新
「え? マンガ?」と思った方、だまされたつもりで読んでみてください。圧倒的なクオリティに驚かれると思います。
強調のため計算されたギャグ部分を含め、こんなに役に立つ幕末・維新本はなく、永遠にこのシリーズが終わらないことを願っている読者は多いはず。
私は職業柄、メディア関係の有名人との付き合いも多いのですが、隠れファンがここにもあそこにも!
プラスαとして2冊紹介します。
『日本一の社会科講師が教える 読んだら忘れない明治維新』を詳しく見る
すでに「幕末は自信あり」という方には『一外交官の見た明治維新(上)(下)』(岩波文庫/アーネスト・サトウ)を。実際に滞日していた若いイギリス人外交官の視点で書かれた名著。後述しますが「海外からどう見られてきたのか」という視点で相対的に日本を見直すことは重要です。
『一外交官の見た明治維新(上)』を詳しく見る
『一外交官の見た明治維新(下)』を詳しく見る
【3】「渋沢栄一って何をした人?」近代史が分かれば大河ももっと面白く
教科書のページ数が最も多い近代史は日本史の肝。ここが理解できれば、2024年から新一万円札の顔に決定している「シン・日本のアイコン」渋沢栄一の解像度が圧倒的に高まります。
現在放送中の大河ドラマ『青天を衝け』を見ている人なら、これからもっと面白く見ることができます。
『もういちど読む山川日本近代史』(山川出版社/鳥海靖)は、近代史だけを扱った教科書が実は存在しないことも含め、ベスト&マストな一冊です。
現代に直結する最重要の近代史だからといって、「さあ役立ててやろう、どうしてくれようか」などと「背伸びし過ぎない」ようにしましょう。現在進行形の研究のスタンダードを押さえることがまずは必要です。
私は学生時代、鳥海先生に習っていますが、お世辞でも何でもなく日本を代表する近現代の専門家なので安心です。
プラスαとして2冊紹介します。
『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』を詳しく見る
『永続敗戦論 戦後日本の核心』(講談社+α文庫/白井聡)もエッジが効きまくっており、日本人には耳の痛い話が盛りだくさん。「よし、本当にそうなのか調べてやろうじゃないか」とこちらの知的好奇心を奮起させる起爆剤となります。賛否両論はありますが、一読の価値あり。
『永続敗戦論 戦後日本の核心』を詳しく見る
【4】まだ「いい国つくろう」で覚えてる? 知識をアップデートするには
そのうち説がひっくり返ることもザラにありますが、「新しいことに価値がある」のが歴史です。
例えば、最も古い貨幣は「和同開珎」だと思っていませんか? これは間違いで「富本銭」やさらに以前の「無文銀銭」もあります。
また、鎌倉幕府成立は「いい国つくろう」の1192年(源頼朝将軍就任)で覚えている人も多いと思いますが、現在の教科書では1185年(守護・地頭設置)を同じくらい重視しています。
知識を常時アップデートしておかなければ、子どもや若者たちと認識が食い違い「あ、この人分かってないな」「反論するの面倒くさいから取りあえず流しとこう」などとひそかに老害認定されかねません。
5月に出たばかりの『教科書の常識がくつがえる! 最新の日本史』(青春新書インテリジェンス/河合敦)は、書名通り最新の日本史です。
職業柄いろいろな類書を読みますが、現状、最も読む価値がある本だと思います。
河合先生は常にメディアに出られており、そのたびに知識の棚卸しをされているので、絶対的な信頼感があります。
プラスαとして2冊紹介します。
『こんなに変わった! 日本史教科書』を詳しく見る
この本は「各天守閣が造られた事情や顛末」をきちんと記してあり、そちらと最新の歴史知識との対比をすることにより、各読者が結果的な齟齬や偶然の合致を楽しむことができる、という「ニヤリ感」の仕掛けがたまりません。
何気なく訪れている城にどの程度の歴史的価値があるのかが赤裸々に書いてあり、お城好きの間では有名な、かみゆさんの「お城愛」が炸裂しているところもほほ笑ましいです。
『あやしい天守閣ベスト100城+α』を詳しく見る
【5】娯楽マンガにのめり込みながら「勝手に」日本史を学び直せる
ここ最近の『鬼滅の刃』ブームで、「また日本史選択者が増えるなぁ」と日本史講師としてはうれしい状態が続いています。
以前も『るろうに剣心』『銀魂』がはやった時に感じたことですが、子ども時代にこれらの娯楽マンガを通じて日本史に入ってくる人は本当に多く、センター試験の後継にあたる共通テストでも依然、日本史選択者は世界史選択者に対してダブルスコアに近い人数差をつけています。
ただし、これらのマンガは「日本史の学び直し」には適していません。
学び直しという意味では、フィクション部分もあっていいのですが、歴史的事件が時系列順に述べられていたり、偉人たちの事跡がきちんと押さえられていたりすることが重要です。
そういった意味で信頼を置ける本を紹介します。
ぶっちぎりのイチオシは、映画化もされた『この世界の片隅に』(双葉社/こうの史代)です。
太平洋戦争時の方言や風俗などの考証が確かで、この本が発売された時、日本史の講師として、日本人として、あまりの感嘆・感動に、こうの先生の全作品を読んでしまったくらいでした。
映画もあれだけ支持されるには理由があるのですが、一言、「読めば分かります」。
プラスαとして、各時代のオススメ5冊を追加しておきましょう。
『阿・吽』を詳しく見る
鎌倉時代なら『アンゴルモア 元寇合戦記』(KADOKAWA/たかぎ七彦)。よくぞ蒙古襲来(元寇)をこの視点で人気マンガに完成できたものだ、と驚きました。一瞬で済まされがちの部分を広げて考えさせる作品。
『アンゴルモア 元寇合戦記』を詳しく見る
安土桃山時代なら『へうげもの』(講談社/山田芳裕)。特徴的な画力を含め「人を興奮させるマンガ家」の白眉である山田先生の、古田織部を中心に当時のきら星のような有名人たちを描いた快作。単純に面白い、面白い。本来マンガはこうあるべき、と再確認できます。
『へうげもの』を詳しく見る
幕末の長崎における人間模様をすさまじい力量とセンスで切り取り、フランスでも評価の高い女流作者の『蝶のみちゆき』(リイド社/高浜寛)。
『蝶のみちゆき』を詳しく見る
維新期のイギリス人女性冒険家の日本紀行をマンガ化し民俗学的アプローチが興味深い『ふしぎの国のバード』(KADOKAWA/佐々大河)。
『ふしぎの国のバード』を詳しく見る
などなど、やはり日本のサブカルは世界一のレベルなのだな、と痛感します。
【6】今日から役立つ。ビジネスの視点から日本史を学び直す
商業・サービス業などの第三次産業就業人口が圧倒的に多い先進国の日本。自分たちの仕事に身近な話題であれば、いくら忙しくても「読む価値ありそう」と思えませんか?
ビジネスの視点に即効性のありそうな本を選びました。
『最新版 日本の15大財閥』(角川新書/菊地浩之)は、戦前の四大財閥(三井・三菱・住友・安田)や、戦後の六大企業集団(三井・三菱・住友・芙蓉・第一・三和)などに対する理解を深め、ビジネスパーソンの教養として即効性の塊となっています。
ちょっとした会話にこの本の内容を織り交ぜると「デキる」人に見えますし、実際にそれに近づいていると思います。どんな時代でも、売り買いに直接のコミュニケーションは大事ですから。
以前、他社から出ていたものを加筆・修正されているのですが、良い意味で「広く浅く」をより徹底されており、各段に親しみやすく、役立つ、お得な仕様になっています。
プラスαとして2冊紹介します。
『企業として見た戦国大名』を詳しく見る
追加で『ニュースの“なぜ?”は日本史に学べ』(SB新書/伊藤賀一)を。現代日本に暮らしていて感じる76の“なぜ?”を日本史をツールに、団塊ジュニア世代の視点から一つの答えを出しています。賛同・反発何でもござれ。とにかく本書が考えるきっかけになれれば、著者としては本望です。
『ニュースの“なぜ?”は日本史に学べ』を詳しく見る
【7】海外からの視点で日本史を立体的に捉え直すには
近年「ボーダーレス化」が進んでいましたが、コロナ禍によってスポット的に現在は「ボーダー化」してしまいました。
そんな時だからこそ、海外からの視点で日本を立体的に捉え直してみるのはどうでしょう。
『ハーバード日本史教室』(中公新書ラクレ/佐藤智恵)は、世界的な研究者たちが、超大国アメリカの超一流の学生たちにどのように日本を教えているのか、を書いた本です。
佐藤先生のハーバードシリーズは、「現在の日本が世界からどう見られているのか」を考えるのに最適で、「これは売れるに決まってる」と最初に手に取った時、同じ新書の著者として企画力と実行力に嫉妬したくらいです。
プラスαとして2冊紹介します。
私たちの中では当たり前過ぎて気付きにくい日本の良さがどんどんあらわになり、昨今停滞し続ける日本に一筋の光明を与えてくれます
『ハーバードはなぜ日本の「基本」を大事にするのか』を詳しく見る
同じ視点で温故知新的なものとして、第二次世界大戦時に日本に来たことがないアメリカ人女性が書いた『菊と刀』(平凡社ライブラリー/ルース・ベネディクト)を挙げておきます。
西洋は「罪」の文化、日本は「恥」の文化、と言い切った有名な本。当時の日本に対するアメリカの目線を感じることができ、日本本来の魅力に気付くこともできます。
『菊と刀』を詳しく見る
【8】文学も歴史である。文学史を学び直して原点に立ち返る
奈良時代以降、日本ではさまざまな本が書かれてきましたが、その歴史を学ぶのが文学史です。社会科の歴史分野ではなく国語科の古典分野になりますが、原点に立ち返る意味で最後のテーマとしました。
まずは久々に実際の古典文学に触れてみてください。大抵の人は、古文の教科書でほんのひとかけらの断片を読んだことがある程度でしょうから、一つの作品でそれなりの量を読むことの楽しさに気付いてください。
面白さと質の高さに涙が出てくるほどなのが、『伊勢物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫/坂口由美子)です。
もちろん元本も古文と和歌の要素がクロスしていて面白い歌物語なのですが、よくぞこんな丁寧で素敵な解説をつけられたものだ、と仰天しました。多くの人が経験してきたであろう恋愛を主題とし、古代と現代をつなぐその力量に感服します。
平安時代も今も、「人間って、男と女って変わらないのだな」「でも都会と地方の距離は、今は縮まったのだな」などとさまざまな感想が出てくるはずです。
『伊勢物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』を詳しく見る
最後のプラスαとして3冊紹介します
『プレミアムカラー国語便覧』を詳しく見る
文学史を含む文化史を学ぶなら、なかなかハイレベルですが内容が本当にしっかりしているのが『日本文化史講義』(吉川弘文館/大隅和雄)です。まるで大学の講義をある学期にきちんと受けきったかのような満足感に包まれる読後となります。人に話したくてしょうがない、こういうのが分かる知人を探してみよう、という気分になれるかも。
『日本文化史講義』を詳しく見る
最後に『眠れないほど面白い『枕草子』 みやびな宮廷生活と驚くべき「闇」』(三笠書房王様文庫/岡本梨奈)を。一言でいえば、盛りがちな昨今の教養関係の書名ですが、すごく忙しいのにこの本のせいで睡眠不足になりました……。褒め言葉です。
『眠れないほど面白い『枕草子』 みやびな宮廷生活と驚くべき「闇」』を詳しく見る
以上、たくさんの本をご紹介してきました。
どうか、この記事が素敵な一冊と出会うきっかけとなりますように。
著者:伊藤賀一(いとう・がいち)
1972年京都市生まれ。法政大学文学部史学科卒業後、東進ハイスクールなどを経て、現在はリクルート運営のオンライン予備校『スタディサプリ』で日本史・倫理・政治経済・現代社会・中学地理・中学歴史・中学公民の7科目を担当する。30歳の時、いったん教壇を離れ、全国各地を住み込みで働きながら見聞を広め、四国遍路を含む4年のブランクを挟み復帰。20種以上の多彩な職業経験をベースに圧倒的な話術で展開される講義は「教室が揺れる」と評されるほどの活気。43歳で一般受験し、早稲田大学教育学部生涯教育学専修に在学中。また、ラジオパーソナリティやプロレスのリングアナウンサーなども同時に務めるなど、その複業術も注目を集める。著書は『47都道府県の歴史と地理がわかる事典』(幻冬舎新書)、『笑う日本史』(KADOKAWA)、『残酷な世界でどう生きるか「進撃の巨人の言葉」』(総合法令出版)、『くわしい中学公民』(文英堂)など多数。サイト:itougaichi.com
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『もういちど読む山川日本近代史』を詳しく見る
『教科書の常識がくつがえる! 最新の日本史』を詳しく見る
『この世界の片隅に』を詳しく見る
『最新版 日本の15大財閥』を詳しく見る
『ハーバード日本史教室』を詳しく見る
『伊勢物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』を詳しく見る