こんにちは、ソレドコ編集部です。
夏は冷たいものばかり選びがちですが、たまにはじんわり温かい「おかゆ」を食べるのはどうでしょう?
玉子や梅干しの定番おかゆもいいですが、いつもと違う新しいおかゆを提案します。
今回は、辻村哲也(ツジメシ)さんに南インドのおかゆ「カードライス(ヨーグルトご飯)」のレシピを教えていただきました。
こんにちは。
プロダクトデザイナーときどき料理人のツジメシこと辻村哲也です。
本業は各種製品のデザイナーなのですが、料理好きをこじらせて、料理本を出したり、イベントで150人分の料理を作ったり、飲食店の間借り営業をしたり、こうしてメディアに料理関係のコラムやレシピを書いたりしています。
このソレドコにはスパイス関連の記事を何度か書かせていただいています。いわゆる「カレー」にさしてこだわりのないままスパイスを使う諸国の料理に興味を持ったという、ちょっと珍しいタイプなんだろうと思います。
「カードライス」ってなんだ??
さて、おかゆ特集ということで、今回僕が紹介するのはインドの「カードライス」。
南アジア方面ではカード(curd)はヨーグルトを指します。つまり「カードライス」とは「ヨーグルトご飯」のこと。
ヨーグルトとご飯なんて、日本人の感覚からしたら不思議な気もします。でもこれが意外と違和感なくて、南インド料理好きだけでなく、きっと多くの日本人に受け入れられる味だと思います。
南インドでは、ワンプレートの定食でご飯とおかずを一通りたいらげたあと、おかわりしたご飯とヨーグルトをプレート上で混ぜあわせて食事のシメにすることが多いようです。
単品料理として鍋でご飯とヨーグルトを、それこそおかゆのように煮る作り方もあり、地方によってさまざま違いもあるようですが、ここではその作り方の一例をご紹介します。
そしてカードライスというと、塩っぱくて酸っぱくて辛いインドのスパイスオイル漬け「アチャール」と一緒に食べるのが現地では定番です。
アチャールとはこれのこと
これがやさしいヨーグルトご飯とよく合うのですよね。薄味のカードライスをアチャールの塩気で食べる感じです。
日本で手に入りやすい大根を使ったアチャールのレシピも合わせてご紹介します。
下のレシピの材料欄を見るとお分かりのように、本式はやや材料のハードルが高いです。
そこで後半は、このおいしさを身近なお店でも手に入る材料で再現してみます。
そちらもぜひご覧ください。
インドの本格「カードライス」レシピ
【材料】
- バスマティライスなどのインディカ米・・・50g
- 油・・・小さじ1
- ブラウンマスタードシード・・・小さじ1/3
- ウラドダル(豆の一種)・・・小さじ1/2
- 生カレーリーフ・・・3~4枚
- 塩・・・1~2つまみ
- プレーンヨーグルト・・・大さじ3~4
【トッピング】
- 生姜細切り・・・適量
- パクチーみじん切り・・・適量
- ローストカシューナッツ・・・適量
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【作り方】
1. 米は軽く水洗いして30分ほど浸水しておく。
2. お湯(分量外、1L程度)を沸かす。水を切った米を8~10分を目安に、やや柔らかめに茹でる。
ザルに上げて湯を切ったら、ザルごと空の鍋に戻し、蓋をして10分ほど蒸らしておく。
3. フライパンに油、ブラウンマスタードシード、ウラドダルを入れて中火にかける。ウラドダルがきつね色になり、ブラウンマスタードシードがパチパチと弾けるまで、混ぜながら加熱する。
4. 3にカレーリーフを加えて一混ぜしたら、すぐに2のご飯と塩を加えて混ぜ合わせる。
5. さらにヨーグルトを加えてひと混ぜする。
(加熱しすぎると煮詰まったり、ヨーグルトが分離する可能性があるのでさっと温める程度に)
6. 皿に盛り、生姜、パクチー、カシューナッツを散らし、アチャールを添える。
【大根のアチャール】
- 大根の1cm角切り(100g)に、塩(小さじ1+1/2)、カイエンペッパー(小さじ1)、ターメリック(小さじ1/4)をまぶして30分~1時間ほどおく。
- フライパンにサラダ油(大さじ2)、ブラウンマスタードシード(小さじ1/2)、フェヌグリークシード(小さじ1/3)を入れてから中火にかけ、ブラウンマスタードシードの大半がパチパチ弾けたら1の大根を汁ごと加える。
- 混ぜながら加熱し、大根に火が通ったらレモン汁(大さじ1)を加えてひと混ぜして火を止め、清潔な容器に移す。
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クセもなくふんわり優しいヨーグルトご飯に、弾けたマスタードシードやカレーリーフの香ばしさ、ウラドダルのカリカリ、パクチーや生姜のフレッシュな香り、カシューナッツのサクサク、アチャールの塩っけ辛味酸味が相まって、これなら夏の食欲のないときでもするする食べられること請け合いです。
ところで、こういうフライパンや鍋の中身を余さずしっかり器に盛りたいときはゴムベラ必須です。
僕は無印の「シリコンジャムスプーン」をジャムじゃなくて料理全般に使ってます。
パスタなどのソースも無駄にすることなく皿に移せますし、そうすると後でフライパンを洗うのも楽です。
えっそれじゃ小さすぎない?? とよく言われるのですが、僕はもうこれがないと料理できないくらい手になじんでいます。
身近な材料でお手軽「ヨーグルトご飯」レシピ
さて、いよいよお手軽版です。
カードライス自体はご飯にヨーグルトを混ぜればいいのですが、やはりカードライスというとアチャールと一緒に食べたい……。
アチャール同様に塩っぱくて酸っぱくて辛いものは……? と探して試していたところ、もはやインドははるか遠く関係なくなりましたが、これはこれで美味しいヨーグルトご飯ができました。2種類紹介します。
〈お手軽版1〉食べるラー油のヨーグルトご飯
- ふつうのご飯100gに対し、プレーンヨーグルト大さじ3、塩ひとつまみを混ぜる。
- 食べるラー油小さじ1程度を添え、レモン汁を2~3滴かける。
〈お手軽版2〉キムチのヨーグルトご飯
- ふつうのご飯100gに対し、プレーンヨーグルト大さじ3、塩ひとつまみを混ぜる。
- 刻んだ白菜キムチ大さじ1程度を添える。あれば油っ気と食感にフライドオニオン少々を散らしても。
はい、がぜんお手軽になりました。
材料さえあればすぐできるので、朝食や夜食、小腹が空いたときなどにいかがでしょうか。
ご飯は熱々でも、冷やご飯でも、また白米のほか、麦飯や雑穀米、玄米で作ってもそれぞれにおいしいです。
お手軽版でご飯とヨーグルトの相性を確認したら、本格レシピもためしてみてはいかがでしょうか?
【ごちそうおかゆ連載】
7月中に計4本、ごちそうおかゆのレシピを紹介しています。次回もお楽しみに!
▶第1週目 梅津有希子「ぷりぷり海老と帆立のだしがゆ」
▶第2週目 河瀬璃菜「夏こそ食べたいかぼちゃ粥」
▶第3週目 辻村哲也(ツジメシ)「南インドのおかゆ、カードライス」(この記事です)
▶第4週目 有賀薫「ミニトマトとベーコンのリゾット」
著者:辻村哲也
プロダクトデザイナー、ときどき料理人。 いろいろな製品のデザインをしたり、あちこちで料理をしたり。 食べたものそのほか食に間することはツイッターに、レシピはブログ「ツジメシ」に、作った料理の写真はインスタに。
本業サイト:https://www.t-products.jp
食関係のブログ:https://tsujimeshi.exblog.jp/
Twitter:@tsujimeshi Instagram:@tsujimeshi
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