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本格料理家たちが自宅でヘビロテする「推し調味料」はこれだ! 我が家の食卓にも常備したいテッパン調味料

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推し活をしている人が「これ良い!」と思ったものを紹介しています

本格料理家たちが自宅でヘビロテする「推し調味料」はこれだ! 我が家の食卓にも常備したいテッパン調味料

自宅の食事でこだわっていることはありますか? 今回は料理好きのブロガーやライターの皆さんに、いつもの料理で使っている「推しの調味料」を聞いてみました! 紹介してくださったのはこの方々。


「推しの調味料3つ」とあわせて、「その調味料のうち、いずれかを使った簡単レシピ(複数使用可)」を教えてもらいました。

どの人も自信を持ってすすめする「我が家のスタメン調味料」の数々。明日からの献立にぜひご活用ください!


<テッパン編>毎日の食卓でマネしたい、本格料理家たちの調味料

梅津有希子の推し調味料:だし料理に合わせてシンプルなものを

だし料理研究家・梅津有希子
紹介者・梅津有希子/編集者・ライター、だし愛好家。書籍『もっとおいしい、だし生活。』では、「だしむすび」「あごだし湯豆腐」「だし巻き卵風フレンチトースト」など、旨味たっぷりの簡単だしレシピを紹介する。 公式サイト / Twitter / それどこ寄稿
だし料理研究家・梅津有希子、いち推しの調味料。三年熟成 福みりん(福光屋)、ガンダーラの塩(ファーイーストバザール)、生成り 濃口(ミツル醤油醸造元)

左から三年熟成 福みりん(福光屋)、ガンダーラの塩(ファーイーストバザール)、生成り 濃口(ミツル醤油醸造元)

1.三年熟成 福みりん(福光屋)
寛永2年創業、400年近い歴史を誇る造り酒屋が作る本みりん。フタを開けた瞬間に漂う、ウッディーでふくよかな香りにうっとりします。三年熟成ならではの独特のコクとうま味が、煮物や麺類のつゆを本格的に仕上げてくれ、肉じゃが、イカと里芋の煮物、鶏の照り焼き、うどん、そばなどなど、日々のおうちごはんにフル活用。出番の多い基本調味料こそ、いいものを使うといつもの料理がぐっと美味しくなるので、こだわってみるのも楽しいですよ。ていねいに作られた本物の調味料を使うことで、作り慣れた料理も格段にグレードアップ。豊かな気持ちになれる気がします。

もち米、米麹、米焼酎から作られている本みりんは、飲んでも美味しく、江戸時代には夏バテ予防の滋養強壮ドリンクとして飲まれていたそうです。本みりんの深みのある甘みや香ばしさは、ブランデーのようで、まるで極上のリキュール。ストレートにロックで飲んだり、炭酸で割るみりんハイボールや、温めた牛乳と混ぜるホットみりんミルクもおすすめ。甘くてまろやかなカルーアミルクのようで、新感覚の美味しさですよ。

2.ガンダーラの塩(ファーイーストバザール)
シルクロードの遥か彼方、ガンダーラの地で採掘される岩塩。別名「ピンクロックソルト」。使うたびにミルでガリガリと削る工程も、料理上手になった気分に浸れます(笑)。ひとなめしてみると、角がなく、甘くまろやかで驚くはず。ステーキや鶏もも肉のソテーにひと振りしたり、岩塩・オリーブオイル・ごま油をサラダとあえるたりするのもお気に入り。濃いめの昆布だしに岩塩を少量加えてゆで、氷水で締めたオクラを漬け込む「オクラの昆布だし浸し」も美味しいですよ。薄紅色の粒も美しく、キッチンに置いておくと料理のモチベーションも上がります。

だし生活を始めてからは、だしの美味しさを味わいたいがために、基本調味料で作るシンプルな料理が増えたので、この岩塩の他にもさまざまなお塩を常備しています。地元産のお塩を作っているところも多いので、国内外の旅行の際には、自分へのお土産に地元のお塩を買って帰るのも楽しいですよ。

3.生成り 濃口(ミツル醤油醸造元)
福岡県糸島市の醸造元で、30代の若き職人が作る濃口醤油。約40年前にやめた自主醸造を復活させたとのことで、醤油業界では大変珍しい取り組みだそうです。大豆・小麦・塩の全ての原材料が九州産で、熟成したもろみを搾って火入れしただけというシンプルな工程で作られた本物のお醤油は、とても風味豊か。

数年前に自分でとるだしの美味しさに目覚め、「日本のだしに合うのはやはり日本の調味料」ということを改めて実感してから、さまざまな醤油を使うようになりました。冷奴やおひたしなど、醤油を直接かける料理だと味や香りの違いがダイレクトに分かりますし、引き立ての鰹と昆布の合わせだしに数滴入れるだけで、極上のお吸い物に。合わせだしが面倒な場合は、麦茶ポットに昆布20gと水1Lを入れて、冷蔵庫で一晩置くだけでおいしい昆布だしができますので、温めて醤油を加えるだけで簡単だしスープの出来上がり。わかめを入れたり、溶き卵を入れてかきたまスープにしたりするのもおすすめです。


推し調味料を使ったレシピ

だし香る、きのこあんかけ揚げ出し豆腐風
だし料理研究家・梅津有希子、だし香る、きのこあんかけ揚げ出し豆腐風

<材料・2人分>

  • 木綿豆腐……1丁
  • お好みのきのこ……1/2パック
  • 青ねぎ(小口切り)……適量
  • 大根おろし……適量
  • 削りぶし……適量
  • 片栗粉……大さじ1/2(同量の水で溶く)
  • (A)
    • かつおと昆布の合わせだし……150ml
    • 生成り 濃口、福みりん、酒……各大さじ1
    • ガンダーラの塩……少々

<作り方>

  1. 豆腐を8等分に切り、キッチンペーパーに包んで10分ほど水切りする
  2. 全体に片栗粉をまぶし、サラダ油を熱したフライパンに豆腐を並べ、こんがりと焼く
  3. 鍋に(A)を入れて煮立たせ、きのこを入れてさっと火を通す
  4. 水溶き片栗粉でとろみをつけ、器に盛り付けた豆腐にかける
  5. 青ねぎと大根おろし、削りぶしをのせて出来上がり


油で揚げずにフライパンで焼く“揚げ出し豆腐風”なので、手軽に作れます。だしときのこでうま味たっぷりの熱々のあんを、こんがり焼いた豆腐にからめてどうぞ。

河瀬璃菜の推し調味料:手間をかけずに本格料理に仕上げられる

料理家・河瀬璃菜(りな助)
紹介者・河瀬璃菜/料理家。「りな助」の愛称で親しまれる。レシピ開発や飲食店取材、イベントやCM出演など食に関する活動を行う。手間をかけずに本格料理に仕上げるレシピなど、主婦や料理好きを中心に人気の献立を数々生み出す。 ブログ / Twitter / 手間いらずごはんレシピほか
料理家・河瀬璃菜(りな助)、いち推しの調味料。ポン酢しょうゆ ゆずの村(馬路村)、茅乃舎つゆ(久原本家)、戸村の焼肉のたれ(戸村フーズ)

左からポン酢しょうゆ ゆずの村(馬路村)、茅乃舎つゆ(久原本家)、戸村の焼肉のたれ(戸村フーズ)

1.ポン酢しょうゆ ゆずの村(馬路村)
高知県の豊かな自然の中にある小さな村・馬路村で作られているポン酢しょうゆです。美味しく香りのいいゆずを作るために、有機循環農法にこだわって栽培しているのだとか。ホームページを見ると馬路村の方々の生活や、どんな想いで商品作りをしているかが垣間見え、そういったストーリーも含め大好きな商品です。

お気に入りポイントは、通常のポン酢醤油に比べ、口に含んだ時に、段違いにゆずの香りが鼻を抜けるところ。すっきりとした丸い酸味とカツオや昆布の旨味が合わさり、まさに黄金比の味わいで、いろいろな料理にかけたり、つけたりと楽しんでます。

醤油、砂糖、酢、柑橘などが入っているので、これ1本あれば、浅漬けや南蛮漬け、甘酢あんやドレッシングなどにも使えますよ。この商品の他にもさまざまなポン酢しょうゆが展開されており、それぞれ香りやだしに特化したり、減塩だったりとするので、自分好みの商品を探すのも楽しいかと思います。

2.茅乃舎つゆ(久原本家)
私の故郷・福岡県を代表する食品メーカーでもある久原本家が出しているめんつゆです。「茅乃舎」といえばだしパックの先駆けとしてもよく知られており、福岡空港では鉄板のお土産となっています(東京だと六本木ミッドタウンでも買えるよ!)。お気に入りのポイントはとにかく、「だしの旨味が強い!」ところ。

焼きあご・かつお節・うるめいわし節・昆布が使われているという、だしのオンパレード。そしてその材料は全て国産原料で、化学調味料や保存料は無添加。自分や家族の健康を考えるとうれしいポイントかと思います。めんつゆには、醤油、砂糖、だし、みりんなど入っているので、めんつゆやかけつゆに留まらず、魚の煮付けや漬け、煮物、鍋のスープ、おでんなど、和食の料理も手間をかけずに美味しく作るこができますよ

3.戸村の焼肉のたれ(戸村フーズ)
私が九州出身で甘みが強めの味が好きというのもあり、焼肉のたれで一番の推し商品です。宮崎県のメーカーが作っており、宮崎で「戸村の焼肉のたれ」を知らない人はいないのでは? というほどには大人気なのです。もともとは焼肉のたれとして売り出しておらず、肉の漬けだれとして使用していたものを、お客さんに「そのたれを欲しい」と言われ売り出したのが始まりなのだとか。大きめのボトルを買ってもすぐ無くなってしまうくらいにはヘビロテしてます(笑)

にんにく、しょうが、玉ネギ、たっぷりのリンゴとバナナが入っており、フルーティーで飽きのこない味わいがお気に入りです。自宅焼肉の時に使うのはもちろんですが、醤油、砂糖、にんにく、ごま油、香辛料、フルーツ、香味野菜などが入っているので、回鍋肉、青椒肉絲、マーボ豆腐などの中華系の料理や、プルコギやチーズダッカルビなどの韓国系の料理、さらには和風の炒め物などにも応用ができ、これ1つで本格風の料理に仕上げることができますよ


推し調味料を使ったレシピ

甘辛ジューシースペアリブ
料理家・河瀬璃菜(りな助)、手間いらずごはん「甘辛ジューシースペアリブ」

<材料・2人分>

  • スペアリブ……400g
  • ゆで卵……2個
  • 塩コショウ……少々
  • ごま油……適量
  • (A)
    • 戸村の焼肉のたれ……150ml
    • 酒……100ml

<作り方>

  1. スペアリブに塩コショウをする
  2. 中火で熱したフライパンにごま油をひき、スペアリブの表面に焼き色がつくまで焼く
  3. 炊飯器にスペアリブ、ゆで卵、(A)を入れ、通常炊飯する


戸村の焼肉のたれと肉を炊飯器に入れて作る簡単スペアリブ! 白ごはんやビールが進む味わいです。

杉村啓の推し調味料:素材の良さを存分に発揮したもの

醤油研究家・杉村啓
紹介者・杉村啓醤油研究家。醤油やお酒を愛し、その美味しさ・楽しさ・奥深さについて広める活動を行うライター。著書に『白熱ビール教室』『白熱洋酒教室』『白熱日本酒教室』(星海社)、『醤油手帖』(河出書房新社)、『グルメ漫画50年史』(星海社新書)ほか。 ブログ / それどこ寄稿
醤油研究家・杉村啓、いち推しの調味料。煎酒(銀座三河屋)、燻製オリーブオイル&燻製しょうゆ(かずさスモーク)、最上白味醂(さいじょうしろみりん・馬場本店酒造)

左から煎酒(銀座三河屋)、燻製オリーブオイル&燻製しょうゆ(かずさスモーク)、最上白味醂(さいじょうしろみりん・馬場本店酒造)

1.煎酒(銀座三河屋)
「煎酒」は、江戸時代には醤油の代用調味料として使われたという説もある調味料です。作り方は、日本酒に梅干しを入れ、鰹節を入れ、ことこと煮込み、漉(こ)したら出来上がり。日本酒の旨味、梅干しの塩味と酸味、鰹節の旨味を持った調味料です。なめてみると分かるのですが、だし醤油をよりまろやかにしたような味わいです。

銀座三河屋の煎酒は、旨味と酸味と塩味とほのかな甘味のバランスがいいのがお気に入りです。醤油ほど塩辛くなく、ポン酢ほど酸っぱくなく、でもだしの風味はしっかりと感じられる。白身魚などは、煎酒の方が味がよく分かることもあります。どちらかというと調理に使うというよりは、つけ醤油やかけ醤油の代わりに使う方が多いです。冷や奴にかけたり、卵かけごはんにかけるのにぴったり。

2.燻製オリーブオイル&燻製しょうゆ(かずさスモーク)
液体、特に醤油を燻製にする方法はいくつかあります。このかずさスモークの「燻製しょうゆ」「燻製オリーブオイル」は特許製法により液体を直接燻煙しているとのことなので、おそらく低い温度で液体の風味を飛ばさず、長時間かけて燻製する「冷燻法」というやり方に近い方法で造っているのでしょう。醤油の風味やオリーブオイルの風味を損なうことなく、ばっちりと桜チップの薫香が感じられる調味料です。この香りの強さがお気に入りのポイントです。

燻製醤油は、一家に一本用意しておくといい調味料です。なにせ、かけるだけであらゆるものが燻製っぽくなるのです。卵かけごはんはもちろん、ゆで卵にかければ燻製玉子に、チーズにかければ燻製チーズに早変わり。燻製オリーブオイルは、サーモンにかけたり、マヨネーズに少し混ぜて燻製マヨネーズにしたりもできます。また、カレーに一滴二滴垂らすだけで、燻製カレーになるのも面白いです。

3.最上白味醂(さいじょうしろみりん・馬場本店酒造)
みりんには大きく分けると「本みりん」と「みりん風調味料」があります。簡単に言うと、「本みりん」が昔ながらの製法で作られたものです。アルコール度数は14%近くあり、立派な「お酒」に分類されます。そのため酒税で扱われ、お酒を販売できるお店でなければ売ることができません。一方の「みりん風調味料」は、アルコール度数を1%未満に抑え酒税の対象ならないようにしたものです。そのおかげで、どこでも購入することができます。

この「最上白味醂」は、もち米と米麹と米焼酎で造られる「本みりん」に分類されるみりんです。アルコール度数は約14%。深いコクがあり、かなり甘いです。カンロ飴のような味と思うと、分かりやすいかもしれません。さらにうれしいのは「飲んで美味しいこと」。もともとこのみりんに初めて会ったのは、蔵に見学に行ったときです。そのときに「これ、飲んでみて」とすすめられ、風味の良さにはまりました。本みりん特有の甘みは強いのに、癖が少なく、上品な味わいです。飲んで美味しいみりんは、料理にしても美味しいというわけです。コクも甘みも強く、料理に使うと味わいが一段も二段もアップするのがお気に入りです。


推し調味料を使ったレシピ

柳陰(やなぎかげ)
醤油研究家・杉村啓、最上白味醂と焼酎を半々にして、氷を浮かべて飲む「柳陰(本直し)」

<作り方>

  1. 最上白味醂と焼酎を半々にして、氷を浮かべて飲む


本みりんは、ちょっと味が強いので、氷を浮かべて溶かしながら飲むと飲みやすくなります。江戸時代によく飲まれていたのが「柳陰(やなぎかげ)」もしくは「本直し」と呼ばれる飲料です。みりんの強烈な甘さが、焼酎で和らぎ、優しい甘さになります。ただし、アルコール度数は跳ね上がるので、ストレートで飲み続けるのはきついかもしれません。使う焼酎は何でもいいのですが、みりんの風味を味わうのだったら何度も蒸留することですっきりとした味わいになる甲類焼酎などがすっきりと飲みやすくなります。ロックやソーダ割りがおすすめです。

<パンチ編>こだわり料理愛好家(麺・鮨・豪快料理)の調味料

https://soredoko.jp/entry/2019/06/12/103000soredoko.jp

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