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遠征がもっと楽しくなる。 “ひとりホテルステイ”の魅力がたっぷり詰まった『おひとりさまホテル』

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推し活をしている人が「これ良い!」と思ったものを紹介しています

おひとりさまホテルトップ画像

仕事終わりのほっと一息つく時間に、そして休日のくつろぎ時間に、ゆっくりと漫画を読みたいという方も少なくないでしょう。

とはいえ、すでに巻数を重ねている作品を今から読み始めるのは大変だし、新作も数が多過ぎて選ぶのが大変だし。「自分の好みに合う作品」をどう選ぶかは悩ましいところです。

そこでソレドコでは、季節やイベントにからめたさまざまなテーマごとに「今読むべき作品」を紹介していきます。そうそうこういうのが読みたかったの……! という作品がきっと見つかるはず。

紹介してくださるのは、漫画をこよなく愛するライター、藤堂真衣さんです。

今日の推し漫画はコレ!:『おひとりさまホテル』

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今回のテーマ:ソレドコ編集部より
日々の推し活も充実しているけど、時々「いつもと違った時間の過ごし方をしてみたいな」と思うことがあります。ひとり時間の面白い過ごし方の参考になりそうな漫画、ありませんか?

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こんにちは! ライターの藤堂真衣と申します。昔から漫画やアニメが大好きで、大人になった今も少しの暇を見つけては漫画を読み漁る日々を送っています。

▼ソレドコでは「推し活」に関するインタビュー記事も書いています
推し活は“本気の遊び”。「ファン研究」の大学教授に聞く、持続可能な推し活

本連載では、そんな私がこれまでに読んだ漫画のなかから季節やその時々のテーマに合ったもの、さらに注目が集まる話題作など「ぜひ今読んでほしい!」と思う“推し漫画”を紹介します。

今回のテーマは「ひとり時間の過ごし方を提案する漫画」ということで、まろ先生の原案・マキヒロチ先生の作画による『おひとりさまホテル』をピックアップさせていただきました! タイトルそのまま、おひとりさまでホテルライフを楽しむ人たちを描いた作品です。

「ひとりホテルステイ」の教科書

『おひとりさまホテル』は、家族や友人とではなく、“自分ひとりで”ホテルに泊まって過ごす楽しさについて、いろいろな視点から描いた作品。

ホテルの企画などを手がける会社に勤める主人公・フミの月イチのご褒美であるホテルステイを通じ、さまざまな趣向を凝らしたホテルや、ホテルでの過ごし方を教えてくれる「ひとりホテルステイ」の教科書のような存在です!

「ひとりホテルステイ」なんて、遠征先のホテルではどうせ「寝るだけ」だし……と思ってしまいそうですが、「ホテルってこんな楽しみ方があったのか!」という発見が詰まった作品なので、「現場」の多い方にもピッタリ。

ちなみに、原案を担当したまろさんは、「ひとり時間」の過ごし方を提案するメディア「おひとりさま。」を運営する、まさにひとり時間を充実させる達人です。

“いつか泊まってみたかった”あのホテルが登場する

『おひとりさまホテル』は基本的に一話完結で、各話一人のキャラクターがひとつのホテルを訪れて過ごす様子が描かれます。

登場するホテルはどれも実在のホテル。「ホテルオークラ」などの有名ホテルをはじめ、都心の格式高い老舗ホテルや、最新のエンタメ色にあふれた外資ホテル、さらに山や海辺に位置するリゾートホテルなどなど、皆さんが「いつか泊まってみたかった」ホテルもきっと登場することでしょう。

私が驚いたのは、2話に登場する“分散型ホテル”NIPPONIA。千葉の小江戸と呼ばれた佐原町(香取市)の古い商家を活用し、街全体をひとつのホテルとして、点在する古民家や商家を客室として使わせてもらえる、なんともぜいたくなホテルなのだそうです。なかには一棟貸しのお部屋も……。と、泊まってみたい……!

『孤独のグルメ』的にホテルを楽しむ

登場するホテルのラインナップもさることながら、私がこの作品で一番推したいのは「物語への没入感」

チェックインしてから部屋に到着するまでの流れ、さらにお風呂など室内の様子、窓から見える景色が臨場感たっぷりに描かれるので、まるで自分もその場にいるかのような感覚になります。

そしてキャラクターは基本的に「おひとりさま」でホテルに訪れているので、「お風呂がガラス張りだ~!」とか「料理も地場の野菜が使われているんだなぁ」というように、心の声、すなわち“モノローグ”が多くなるのですが、これまた『孤独のグルメ』のようで面白いんです。モノローグって、セリフよりも素直な気がする

バスルーム直行、アートを楽しむ……ホテルステイの多様性

登場するキャラクターは皆それぞれホテルに対して何かしらのこだわりを持っている個性派

主人公のフミは、ホテルでも自宅のように過ごすのが大好き。チェックイン後は「まずはお風呂!」とバスルームに直行し、リラックスしたのちに食事や散策を楽しむタイプです。

フミの同僚たちも「おひとりさまホテル」の愛好家! 週5でホテルステイを楽しむアラサーの若葉は、ホテルの空間を楽しみたい気持ちからあまり部屋を散らかしません。

男性の森島は、もともと設計事務所にいたこともあって、大好きな“アート”と“建築”が融合したホテルへの感度が高め。韓国出身のミンジは日本のクラシックホテルが好きで、「日本クラシックホテルの会パスポート」なるものを持っているほどのマニア!……など、それぞれの価値観を通してホテルステイの魅力を感じられるのもオススメポイントです。

ホテルでの過ごし方は人それぞれ。同じように、ホテルステイ以外でも、ひとりの時間をもっと自由に楽しんでいい。そんな風に思わせてくれる作品かもしれません。

そして物語はホテルの外でも進行していきます。フミにちょっかいをかけてくる元カレ・しいなの存在や、若葉が森島に惹かれていたり……などなど、ドラマ的な要素もちりばめられているので、純粋に物語の展開も気になる一作です!

藤堂真衣 SNS:@mai_todo
漫画やアニメ、声優を愛するオタクのフリーライター。好きな作品は『Free!』。圧倒的夜型。