オンラインでのイベント配信が同時に開催されることも増え、在宅で推し活をする機会も増えてきた昨今。「配信イベントのお供」に、いつもよりちょっと贅沢なお酒やおつまみを用意する……という人も少なくないのでは? でも、なんだか最近マンネリしがち、と感じることもありますよね。
そこでソレドコでは、オンラインで購入できて、いつもと「違う」選択ができるようなオススメのお酒を毎回紹介していきます。イベントの日のために用意しておくのはもちろん、推し活のためにがんばる日々の仕事のご褒美にも!
紹介するのは、『白熱ビール教室』の著者、お酒に関するさまざまな解説記事やコラム執筆をする杉村啓(むむ)さんです。
今日の推し酒はコレ!:マキノジン
今回のテーマ:ソレドコ編集部より
朝ドラ『らんまん』がめちゃめちゃ面白かったので、完結したいま『らんまん』ロスです。『らんまん』の推し活によさそうなお酒ってありますか?
※注:ここから『らんまん』作中の描写、ネタバレを含みます
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2023年の朝ドラ『らんまん』は本当に素晴らしかったですね。実在の植物学者である牧野富太郎博士をモデルにした、主人公の槙野万太郎とその妻寿恵子の生涯を緻密に、丁寧に半年間描いてくれて、それはもう夢中になって見ていました。最終回を迎えてらんまんロスになる気持ち、わかります。
『らんまん』では植物が大きなテーマではあるのですが、「お酒」も大きくとりあげられていました。
まず、万太郎の実家は酒造「峰屋」です。そして姉の綾は理想の酒を追い求め、夫の竹雄、万太郎とともに植物学を研究した藤丸と一緒に新たな酒造りを行い、作中終盤で見事に完成させるのです。
ということは、らんまんロスには日本酒が効く……と言いたいのですが、今回は別のお酒を紹介させてください。
牧野博士の名を冠したクラフトジン「マキノジン」です!
牧野富太郎博士の生家で蒸留されたクラフトジン
史実の牧野富太郎博士の実家も、高知県高岡郡佐川町にある「岸屋」という酒蔵でした。岸屋は人手に渡り、最終的には「司牡丹酒造」に譲られます。
この「マキノジン」は、らんまん最終週のテーマにもなった「スエコザサ」をメインとなるボタニカル(ジンの原料に用いられる香草)に使用し、司牡丹の焼酎に漬け込んで蒸留しているのです。万太郎と寿恵子に思いを馳せるのにぴったりのお酒と言えるでしょう。
ちなみにこのお酒は司牡丹の倉庫に10年眠っていた蒸留器を岸屋の跡地に設置し、造られているとのこと。
牧野博士の生家で、壽衛の名をつけたスエコザサを用いて造っているクラフトジンなので「マキノジン」というわけですね。高知にこだわり、ぶしゅかん*1や、高知県産グァバの葉や生姜なども用いられています。
蓋を開けたときから、笹の清涼感というか、爽やかな香りが漂います。飲んでみるとその爽やかさが口に広がり、余韻がゆるく長く続きます。少し冷やした方が、より清涼感が生きると感じました。
合わせて注文したい
らんまん作中では日本酒が大きく取り上げられていたし、やっぱり日本酒も飲みたい! という方は、牧野富太郎博士にちなんだお酒とされる、司牡丹酒造の「司牡丹・花と恋して」もよさそうです。
ちなみに「マキノジン」は高知県佐川町のふるさと納税の返礼品にもなっています。
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ジンは炭酸水やトニックウォーターで割ってぐいぐい飲むのもいいのですが、クラフトジンはストレートで、ゆっくり香りを楽しみながらちびりちびり飲むのもまたいいものです。マキノジンのアルコール度数は45度ありますが、ほんの少しずつ、時間をかけて、それこそなめるように飲めば一気に酔いが回るということもありません。
マキノジンの公式サイトでは酢みかん(果汁の酸味や果皮の香りを楽しむ柑橘類のことを高知ではこう呼ぶそうです)で造るジンリッキーというカクテル、「マキノジン酢みかんリッキー」がおすすめとのことで、今度やってみようと思います。
今回紹介した商品
過去紹介した推し酒もどうぞ
*1:高知県四万十市で栽培されている"酢みかん"の一種